沖縄が「はしか」流行に終息宣言…名古屋や埼玉県で新たな患者も

 沖縄県は2018年6月11日、県における「麻しん(はしか)」流行の終息を宣言した。一方で、名古屋大学学生の発症が判明し、埼玉県でも二次感染とみられる事例が発生。国立感染症研究所は5月23日時点で、「新規報告数は減少しているが、引き続き注意が必要」と喚起している。

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 沖縄県は2018年6月11日、県における「麻しん(はしか)」流行の終息を宣言した。一方で、名古屋大学学生の発症が判明し、埼玉県でも二次感染とみられる事例が発生。国立感染症研究所は5月23日時点で、「新規報告数は減少しているが、引き続き注意が必要」と喚起している。

 国立感染症研究所が発行しているIDWR(感染症週報)第21週(5月21日~27日)によると、麻しん(はしか)患者報告数は大阪府で1件、福岡県で2件、計3件の報告があった。今シーズンにおける累積報告数は164件。

 国立感染症研究所はIDWR第20週(5月14日~20日)にて、第1週~第20週の「注意すべき感染症」(5月23日現在)として、麻しん(はしか)をあげている。第1週~第20週の期間、もっとも患者報告数が多かった沖縄県からの患者新規報告数は減少しているが、推定感染地域を国内とする患者の報告は継続していると注意を促した。

 沖縄県では2018年3月20日に、4年ぶりとなる「麻しん(はしか)」患者が報告された。これまでに報告された患者数は99人にのぼるが、5月11日に医療機関を受診した患者が最後となっている。沖縄県は6月11日、4週間新たな患者が発生していないことから、県内における「麻しん(はしか)」の流行について、終息宣言を行った。

 新たな患者が報告されている県もあり、名古屋大学は、2018年6月7日に同大学学生が麻しん(はしか)を発症していることが判明したと発表。当該学生は6月1日・2日の終日、6月5日の夕方に大学中央図書館を利用しているため、当該時間帯に図書館を利用していた学生、教職員が感染している可能性があるという。感染した場合は、風邪に類似した発熱の症状が出るので、医療機関に事前にその旨を連絡したうえで診察を受けてほしいと、名古屋大学構成員(教職員、学生、生徒)に向けて注意を促した。

 また、埼玉県は6月11日、海外で麻しん(はしか)に感染した患者から、県内で二次感染したとみられる事例が発生したことを発表。ベトナムに滞在し現地で感染したと考えられる30代男性が、5月23日~28日に医療機関などを受診し、5月30日に麻しん(はしか)患者として報告された。県では感染拡大防止のため、保健所で当該患者の接触者を把握し、健康観察を実施したところ、そのうち1人に感染が確認されたという。

 二次感染による患者となったのは0歳男児で、5月26日に30代男性と同じ医療機関を受診。その際に接触した可能性があり、6月4日に発熱し、6月8日に麻しん(はしか)と判明した。埼玉県は麻しん(はしか)を疑う症状が現れた場合には、受診前に所管の保健所へ連絡し、マスクを着用するなどして医療機関を受診するよう呼びかけている。

《黄金崎綾乃》

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