生活保護世帯の子ども、大学等進学率は35.3%…全体の半分

 生活保護世帯の子どもの大学等進学率は平成29年4月1日時点で35.3%と、全体の進学率73.0%と比べて半分以下であることが、厚生労働省が平成30年6月25日に公表した「生活保護世帯出身の大学生等の生活実態調査」の結果より明らかになった。

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高等学校、大学等進学率の推移
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 生活保護世帯の子どもの大学等進学率は平成29年4月1日時点で35.3%と、全体の進学率73.0%と比べて半分以下であることが、厚生労働省が平成30年6月25日に公表した「生活保護世帯出身の大学生等の生活実態調査」の結果より明らかになった。

 生活保護世帯出身の大学生等の生活実態調査は、生活保護世帯出身で、平成29年4月1日時点で大学・短期大学・専修学校・各種学校に在籍している学生のうち、生活保護世帯と同居している学生を対象に実施し、2,025件の回答を得た。

 生活保護世帯の子どもの進学率は、大学・短期大学が19.0%、専修学校・各種学校が16.3%。一方、全体の進学率は、大学・短期大学が52.0%、専修学校・各種学校が20.9%だった。

 受験勉強の進め方は、「学校の教材を使用してひとりで受験勉強」が60.2%ともっとも多く、「学校の教材以外に、参考書などを購入して受験勉強」27.0%、「無料の学習支援を利用して受験勉強」11.2%が続き、「塾や予備校、通信教育を利用して受験勉強」は10.9%と約1割だった。

 受験勉強をしているころのアルバイトは、「受験前から変わらずしていた」24.1%と「受験期間中は減らした」11.6%の計35.7%がアルバイトをしており、48.3%が高校等に通っているころのアルバイト収入を進学のために使用していた。

 受験や入学に要する費用の準備方法は、「奨学金を利用した」が60.0%ともっとも多く、「すべて家庭(親など)が準備した」25.6%、「家庭(親など)と自分で準備した」25.2%、「生活福祉資金(就学支度費)を利用した」21.5%、「すべて自分がアルバイトなどをして用意した」13.0%などが続いた。

 進学後の生活状況について、生活保護世帯出身者の奨学金を利用している割合は86.5%で、JASSO調査の48.9%と比べて高い。ただし、JASSO調査(日本学生支援機構「平成28年度学生生活調査」)の値は、自宅生と自宅外生を含めた大学昼間部の学生の平均値のため、単純な比較はできない。

《工藤めぐみ》

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