ポジティブワードは吉、悪口大会はスルー…ワーママにすすめる信条

 「ワーママ時間3倍術 子育てしながら稼ぐ母になる方法」(WAVE出版)から、選りすぐりのアイデアをご紹介。職場の同僚への気づかいのポイント、病児保育のサービスなど、ワーママ必須の心構えを伝授。

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 仕事も子育てもあきらめない女性たちに役立つ、仕事と子育てのハッピーアイデアがつまった書籍「ワーママ時間3倍術 子育てしながら稼ぐ母になる方法」(WAVE出版)から、選りすぐりのアイデアをご紹介。職場の同僚への気づかいのポイント、病児保育のサービスなど、ワーママ必須の心構えを伝授。

フォローしてくれる人に礼節を尽くす



 私がサラリーマンだったころ。職場でこんなことがありました。

 毎日、みんなよりも早く帰るベテランのワーママ社員、Aさんがいました。彼女は管理職で能力も高く、ある分野の専門知識は社内随一でした。担当の仕事は完璧に終えて帰宅する人でしたが、外部の業者さんからAさんへの問合わせが入ることもありました。

 そんなとき、いつもフォローをする立場になるのが女性社員のBさんでした。BさんもAさんについでのベテランで、全体の進行を管理する要職にありました。ある日のこと。Bさんが「Aさんは手間がかかる!」と周囲に聞こえるように言いながら、Aさんのフォローの作業をしていたことがありました。私は、何とも言えない気持ちになりました。

 AさんをフォローをしなければいけないBさんの立場のつらさは、よくわかります。

 Bさん自身、自分の膨大な通常業務を抱えているのです。しかし、Aさんのフォローの作業は、10分もすれば終わるものです。さらに言えば、Bさんの職務は「全体の管理」なので、「組織的」な見方をすれば、ほかの社員のフォローは「業務の範ちゅう」だと言えるかもしれません。

 意外なのは、このAさんとBさんは、一緒にランチに出かけたり、軽口を叩き合うような仲のよい関係であったことです。なのになぜ、Bさんの口から「Aさんは手間がかかる!」というストレートな言葉が出てきたのでしょうか。しかもほかの社員もいる前で……。

 これは推察になりますが、Aさんは普段から「いつも早く帰るけれども、よろしくお願いします」というような「フォローのお願い」を、Bさんにしていなかったのではないでしょうか。

 自分の「尻拭い」をしてくれる人は誰か。思いあたる人に礼節を尽くして、フォローを事前にお願いしておくことが、陰口を叩かれないコツです。ほんの少しの気遣いがあれば、ワーママでも気持ちのよい人間関係を築いて、明るく働くことができるはずです。ほかにも気を付けるべきことをまとめておきましょう。

資料やデータのありかを明確に



 あなたの帰宅後、同僚など職場の仲間が問合わせに応じたり、トラブル処理ができるよう、資料は整理しておきたいもの。パソコンのデータも、進行中の案件はデスクトップ上にまとめ、所在をメモして持ち帰ると安心です。ファイル名もわかりやすく。

職場からの去り際には「人柄」が出る



 退社時間になり、やるべきことを終え、関係各所への声掛けやあいさつがすんだら、一刻も早く静かに立ち去るのがスマート。卑屈になりすぎると、かえって不自然です。

同じ職場内の「困っている人」への理解を



 自身の病気や家族の介護など、私的な事情で短時間勤務やキャリアダウンを選択する人も増えています。可能であれば手助けをしたり、物理的なサポートが難しい場合でも、応援する姿勢を見せておきましょう。それが、ひいてはあなた自身の働きやすさにもつながります。

すべてポジティブワードに言い換えを



 できれば「申し訳ございません」より「ありがとうございます!」と言いたいもの。また、同僚の"悪口大会"に遭遇したら、スルーするのが「正解」です。つい自分のグチをこぼしてしまったり、後ろ向きの発言をしてしまう恐れがあります。

 結局、人に悪口を言われない、陰口を叩かれないためには、あなた自身も悪口や噂を慎むことが重要なのです。

子どもの「体調異変」に、備えられることがある!



 ここでは、ワーママの"永遠の課題"である「子どもの急な体調異変」について考えてみましょう。特に生まれて初めて集団生活を送ることになる保育園1年目は、周囲からさまざまな感染症をもらったり、体調異変が起こりやすいのは致し方ないのです。

 しかし、子どもは感染症にかかることで免疫を獲得し、成長し強くなっていきます。

 「急な体調異変は最初だけ」という"希望"を胸に、一時的に働くペースをゆるめてでもよいので、「とにかく仕事を手放さない」というスタンスで行きませんか。ピンチを乗り切る解決策を挙げていきます。

家族や親類に、お迎えと病児保育を頼む



 急なお迎えをお願いしやすいのは、実家、夫、お義母さん(お義父さん)の順でしょう。身内といえど気遣いは必要ですが、お願いできるに越したことはありません。

民間のシッターさん派遣業者に、病児保育を頼む



 どの業者さんも、「前日までの申込み」が必要であることがほとんど。急なお迎えには不向きです。ただし、夕方以降ならシッターさんを派遣してもらえる可能性はあります。例え2時間でも自宅に来てもらえれば、在宅で仕事をしたり、最低限の家事を片付けることもできるでしょう。

ファミリー・サポート・センター事業を活用する



 「ファミリー・サポート・センター事業」(厚生労働省)とは、乳幼児や小学生のいる家庭を、援助を希望する家庭が「預かり」などの形で援助する仕組みのこと(会員制)。基本事業は699市区町村、病児・緊急対応強化事業は129市区町村で実施(2012年度)。万が一に備えて関係を築いておくのもおすすめです。
★「ファミリー・サポート・センター事業」(厚生労働省)http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/ikuji-kaigo01/


病児を預かってくれる施設やサービスを確保する



 お住まいの市区町村名と、「病児保育」「病後児保育」という単語で検索すると、近くの頼れる施設・サービスを探すことができます。認定NPO法人「フローレンス」さんもおすすめ。同法人は子どもが熱を出すことを『当たり前のこと』、強い体をつくるために『必要なこと』と考え、病児保育問題の解決に取り組んでいます。
★「認定NPO法人フローレンス」http://www.florence.or.jp/
当日朝8時までの依頼には100%対応可。サービス提供エリアは東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県(各都道府県の一部エリアをのぞく)。事前の入会手続きが必要。

 最後に。ママとして、日々できることもあります。「保育所における感染症対策ガイドライン」(2012年改訂版・厚生労働省)には、次のように書かれています。

「感染症を防ぐためには、子どもが自分の体や健康に関心を持ち、身体機能を高めていくことが大切です。特に、手洗いやうがい、歯磨き、衣服の調節、バランスのとれた食事、睡眠と休息を十分にとる等の生活習慣が身に付くよう、毎日の生活をとおして丁寧に繰り返し伝え、子ども自らが気付いて行えるよう援助します。」(引用)

 このような"当たり前"の生活習慣を身に付けることを、家庭でできるだけ実行していくことが、回り回って、あなたの仕事のしやすさにつながるのかもしれません。そして一番の理想は、仕事の都合さえ付けば、体調を崩したわが子に添い寝してあげることです。例え家中が散らかっていても、よいではありませんか。あなたにも、休養はきっと必要なはずです。

ワーママ時間3倍術―子育てしながら稼ぐ母になる方法

発行:WAVE出版

<著者プロフィール:山守 麻衣(やまもり まい)>
 1976年生まれ、早稲田大学卒。中高年の生きかた・暮らしかた応援雑誌『いきいき』の編集者を経て、フリーの編集者・ライターに。現在2児の母。母乳育児をしつつ、環境雑誌から社会派ビジネス誌、医療系の書籍まで、同時に9社の仕事をこなす激務型ワーママ。

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