2017年度のMR接種率、第2期は37都道府県で目標下回る
厚生労働省は2018年11月13日、2017年度の麻しん風しん予防接種の実施状況を公表した。第1期の接種率は麻しん・風しんそれぞれ96.0%だったが、第2期は93.4%と目標とされる95%以上を下回った。第2期については、47都道府県のうち37都道府県が95%未満となっている。
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麻しん(はしか)風しんの予防には、ワクチン接種がもっとも有効とされており、接種により95%以上の人がウイルスに対する免疫を獲得できるといわれている。現在は、1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象とした2回接種制度を実施。予防接種法に基づく定期の予防接種では、第1期・第2期いずれも95%以上の人に受けてもらうことを目標としている。2回の接種を受けることで、1回目で獲得できなかった免疫をつけることや、年数経過により低下した免疫を増強させる効果があるという。
2017年度(2017年4月1日~2018年3月31日)における麻しん風しんワクチン接種状況を見ると、第1期が麻しん・風しんそれぞれ96.0%、第2期が麻しん・風しんそれぞれ93.4%。2016年度は第1期がそれぞれ97.2%、第2期がそれぞれ93.1%だった。
都道府県別の麻しん風しん接種率では、第1期は富山県の105.9%がもっとも高く、長崎県の92.7%がもっとも低い。第2期は青森県の96.3%がもっとも高く、沖縄県の88.9%がもっとも低い。第1期は47都道府県のうち39都府県が95%以上となっているのに対して、第2期は10県にとどまった。もっとも人口の多い東京都の接種率は、第1期95.0%、第2期91.9%。そのほか、神奈川県や大阪府なども第2期で接種率95%未満となっている。
沖縄県では、2018年3月20日に4年ぶりとなる麻しん患者が発生。流行終息宣言が出された6月11日までに、99人の患者が報告された。また、国立感染症研究所は8月より、風しん急増に関する緊急情報をWebサイトにて提供。11月13日に掲載された情報によると、2018年第1~44週の風しん患者累積報告数は1,884人、2017年1年間(93人)の20倍の報告数となった。現在の風しんの感染拡大を防止するためには、30~50代の男性に蓄積した感受性者(免疫がなく感染を受ける可能性のある人)を早急に減少させる必要があるという。
《黄金崎綾乃》
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