都内でりんご病が流行、感染予防策の徹底を

 東京都は2018年11月22日、伝染性紅斑(りんご病)の第46週患者報告数が都の警報基準を超えたため、注意喚起を行った。患者の約71%は6歳以下の小児であることから、家庭や保育所、幼稚園、学校などで感染予防策を徹底するよう呼びかけている。

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東京都における伝染性紅斑の定点あたり患者報告数(過去5シーズン)
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 東京都は2018年11月22日、伝染性紅斑(りんご病)の第46週患者報告数が都の警報基準を超えたため、注意喚起を行った。患者の約71%は6歳以下の小児であることから、家庭や保育所、幼稚園、学校などで感染予防策を徹底するよう呼びかけている。

 伝染性紅斑(りんご病)は、ヒトパルボウイルスB19を原因とする感染症。感染すると、両頬に紅い発疹体や手・足に網目状の発疹がみられ、1週間程度で消失。発疹が出現する7~10日前に、微熱や風邪のような症状がみられることが多く、この時期にウイルスをもっとも多く排出する。

 東京都によると、都内の伝染性紅斑患者は5月中旬より増加し、全国平均を大きく上回る状況が続いている。平成30年第46週(11月12日~18日)における都内264か所の定点あたり患者報告数(都内全体)は1.48人。ただし、31保健所のうち9保健所において、警報開始基準となる2.0人を超えた。管内人口の合計は東京都全体の31.1%に達しており、都の警報基準(30%)を超えているため、注意喚起を行った。

 警報レベルにある保健所は、中央区、文京、台東、江東区、品川区、八王子市、町田市、多摩府中、多摩小平。定点あたり患者報告数がもっとも多いのは、中央区の5.00人。警報終息基準である1.0人を下回るまで、「警報レベル」状態は継続する。

 伝染性紅斑には、特異的な治療法やワクチンがない。患者の咳やくしゃみなどのしぶきに触れることによって感染(飛まつ・接触感染)するため、一般的な予防対策であるこまめな手洗い、咳エチケットなどを心がけることが大切。妊娠中(特に妊娠初期)に感染した場合は、まれに胎児の異常や流産が生じることがある。周囲で患者が発生した際は、感冒様症状の人との接触をできる限り避ける、保育園の送り迎えを控えるなど、十分注意すること。

《黄金崎綾乃》

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