数検協会、学びの基盤に数学を…経団連の提案を評価

 日本数学検定協会は2018年12月7日、日本経済団体連合会(経団連)による「今後の採用と大学教育に関する提案」を受けて見解を発表した。大学の教育改革に「文系・理系の枠を越えた基礎的リテラシー教育」を求めた点などを評価し、「学びの基盤に数学を」と訴えている。

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 日本数学検定協会は2018年12月7日、日本経済団体連合会(経団連)による「今後の採用と大学教育に関する提案」を受けて見解を発表した。大学の教育改革に「文系・理系の枠を越えた基礎的リテラシー教育」を求めた点などを評価し、「学びの基盤に数学を」と訴えている。

 経団連は2018年12月4日、今後の採用活動や大学に求められる教育改革、大学と社会の接続の在り方について、さらに議論を深めようと「今後の採用と大学教育に関する提案」を発表した。

 日本数学検定協会は、経団連が提案の中で、大学に期待する教育改革の1つとして「文系・理系の枠を越えた基礎的リテラシー教育」を掲げ、文系・理系を問わず、「ビッグデータやAIなどを使いこなすために情報科学や数学・統計の基礎知識も必要不可欠」としている点を評価。大学教育の質保証に関して、「原則として、文系でも数学を、また理系でも国語を課すことを検討すべき」との提案も含め、「大変重要な提案」と評している

 このほか、文部科学大臣招集の有識者懇談会が6月に取りまとめた「Society 5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」などを引き合いに基礎的数学力の重要性を指摘。「日本では依然『数学は理数系が学ぶもの』というイメージが根強くある」としたうえで、今回の経団連の提案によって長年根付いたイメージが払拭され、「『学びの基盤に数学』が位置付けられるようになれば」と期待を込めている。

 基礎的数学力については、「まずは義務教育段階における『数学』をしっかり子どもたちが身に付けることが重要」としたほか、「単に数学の公式を覚え、計算に特化した学習をするだけではなく、考え、分析・判断し、表現する力を育むことが求められる」と説明。「その力は高等学校で学ぶ数学でも生かされ、高等教育へと引き継がれ、主体的で創造的な営みを支えるものへと発展していくことが望ましい姿」との考えを記している。

《奥山直美》

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