子供乗せ自転車、幼児の太もも骨折が多発…日本小児救急医学会

 日本小児救急医学会は2025年8月12日、公式Xで「自転車の後部座席の子供が障害物(車どめやポール)と接触・衝突し、太ももの骨が折れる事故が増えています!」と注意喚起した。

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こんな形で太ももの骨が折れる事故が増えています
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 日本小児救急医学会は2025年8月12日、公式Xで「自転車の後部座席の子供が障害物(車どめやポール)と接触・衝突し、太ももの骨が折れる事故が増えています!」と注意喚起した。

 幼児が同乗できる自転車は、保育所への送迎などで今後も高い需要が見込まれ、特に車での送迎が制限されるケースの多い都市部を中心に、ほかに代替し難い重要な移動手段となっている。一方、幼児同乗中の自転車における事故も発生しており、場合によっては重篤なけがを負うこともある。

 日本小児救急医学会は公式Xで、「自転車の後部座席の子供が障害物(車どめやポール)と接触・衝突し、太ももの骨が折れる事故が増えています!」と注意喚起。「足はフットレストに置き、外にはみ出さないように」「障害物がある狭い場所では、自転車から降りるかゆっくり通過する」といった対策を紹介するとともに、「幼児座席のSG基準も要確認」とコメントした。

 医療機関ネットワークには、自転車後部に子供を同乗させて走行していた際の事故事例が2019年度以降の5年間で207件寄せられている。事故の原因は、スポーク外傷が約4割、転倒が約3割、身体のはみ出しが約2割など。事故の原因と危害内容の関係をみると、身体のはみ出しによる事故では半数ほどが骨折をしており、ほかに比べて重篤なけがを負う危険性の高い事故であることがうかがえた。

 実際、幼児用座席に乗った子供は、前方の視界がほぼない状況になる。国民生活センターは、保護者に向け「シートベルトとヘルメットを適切に装着させ、身体をはみ出さないよう声掛けをする」「狭い通路を走行する際は、同乗させている子供が障害物と接触しないよう、自転車から降りて押し歩いて通過する」ようアドバイスしている。

 また、子供を自転車に同乗させる際は、年齢や身長にあわせて必ず幼児用座席を使用する。荷台に子供を乗せない、小学生以上を自転車に同乗させないことを徹底するよう呼び掛けている。

 国内唯一の基準であるSG基準「自転車用幼児座席のSG基準(CPSA0070)」は、前形(1歳以上4歳未満)と後形(1歳以上小学校就学の始期に達するまで)の2種類。同基準では転倒時に側頭部の衝撃を緩和するためのヘッドガードや、車輪への足の巻き込みを防止するための脚の保護(フットガード)を規定。一方、走行中に子供の身体が左右にはみ出すことを防止する内容は含まれていない。

《川端珠紀》

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