大学生のバイト収入が過去最高、貸与型奨学金は敬遠…学生生活実態調査

 学生のアルバイト収入が自宅生・下宿生ともに過去最高額を更新したことが2019年2月25日、全国大学生活協同組合連合会による「第54回学生生活実態調査」概要報告から明らかになった。一方、奨学金の受給率は7年連続で減少しており、特に貸与型を敬遠する傾向が続いている。

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奨学金受給率と受給平均額
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 学生のアルバイト収入が自宅生・下宿生ともに過去最高額を更新したことが2019年2月25日、全国大学生活協同組合連合会による「第54回学生生活実態調査」概要報告から明らかになった。一方、奨学金の受給率は7年連続で減少しており、特に貸与型を敬遠する傾向が続いている。

 「第54回学生生活実態調査」は2018年10~11月、全国の国公私立大学の学部学生を対象に実施し、70大学生協1万9,593人から協力を得た。概要報告では、経年変化をより正確に見るために指定した30大学生協1万980人の平均値を紹介している。

 自宅生の収入合計は、6万7,750円。前年から3,680円増え、6年連続の増加となった。費目別では、「アルバイト」が前年比3,000円増の4万920円。7年連続で増加しており、1970年以降でもっとも高い金額となった。「小遣い」は、前年比770円減の1万2,780円。「奨学金」は、前年比20円増の1万1,060円だった。

 自宅生の支出合計は、前年比4,610円増の6万7,200円。費目別では、「教養娯楽費」1万1,940円(前年比2,470円増)、「食費」1万4,370円(同1,790円増)の増加が大きかった。前年まで3年連続で増加していた「貯金・繰越」は1万8,050円と、前年から830円減少した。

 下宿生の収入合計は、前年比3,390円増の12万7,280円。費目別では、「アルバイト」が前年比2,900円増の3万1,670円と3年連続増加し、1970年以降の最高金額を更新した。一方、「仕送り」は前年比1,480円減の7万1,500円。「仕送り」0円の下宿生は、2010年以降緩やかな減少を続けており、2018年は7.0%だった。「奨学金」は前年比340円増の2万530円。この5年間では3,520円減少しており、収入に占める構成比も4年連続で減少している。

 下宿生の支出合計は、前年比5,350円増の12万6,100円。費目別では、「教養娯楽費」1万1,520円(前年比1,690円増)、「日常費」7,260円(同1,190円増)、「食費」2万6,230円(同1,040円増)、「交通費」4,230円(同900円増)などの増加が大きかった。

 奨学金の受給率は2011年をピークに7年連続で減少しており、2018年は30.5%(自宅生24.7%、下宿生34.7%)だった。1か月の平均受給金額は、5万7,140円(自宅生5万2,860円、下宿生5万9,090円)。貸与型奨学金のみを受給している人は、2016年89.0%、2017年85.0%、2018年79.0%と減少が続き、貸与型を敬遠する傾向にある

 奨学金の種類別に1か月の平均受給金額を見ると、貸与型奨学金のみ受給が5万6,230円(自宅生5万4,130円、下宿生5万7,400円)、給付型奨学金のみ受給が5万4,170円(自宅生5万1,460円、下宿生5万4,940円)、貸与型と給付型の両方受給は7万7,870円(自宅生6万9,990円、下宿生8万880円)。奨学金受給率が減少傾向にある中、「貸与型」と「給付型」の両方受給の金額は増加している。

《奥山直美》

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