小中学生保護者の54%学校へのスマホ持込み反対…6割はスマホで親子トラブルも

 小学校高学年の40.8%、中学生の72.4%が自身のスマホを所有しており、保護者の54.2%は学校へのスマホ持込みについて「反対」であることが、明光義塾が実施した調査で明らかになった。もっとも多い反対理由は「トラブルの原因になる可能性があるから」。

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子どもが学校にスマホを持って行くことについてどう思うか
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 小学校高学年の40.8%、中学生の72.4%が自身のスマホを所有しており、保護者の54.2%は学校へのスマホ持込みについて「反対」であることが、明光義塾が実施した調査で明らかになった。もっとも多い反対理由は「トラブルの原因になる可能性があるから」。

 個別指導学習塾「明光義塾」を全国展開する明光ネットワークジャパンは、小学4年生~中学3年生までの子どもを持つ保護者男女760名(小学校高学年、中学生各380人)を対象に「小中学生のスマホ事情に関する実態調査」をインターネットにて実施した。調査期間は2019年3月4日~7日。

 子どもが自身のスマホを所持している割合は、小学校高学年で40.8%、中学生で72.4%という結果に。文部科学省においても、小中学生のスマホ所有率が上がっていることや、保護者との緊急連絡手段の必要性などを踏まえ、2009年に「原則禁止」とした小中学校への携帯電話やスマホの持込みを見直すことを明らかにしている。

 学校へのスマホ持込みについては、小学校高学年の保護者では「賛成」5.5%、「どちらかというと賛成」23.2%、合わせて28.7%が賛成。「反対」30.5%、「どちらかというと反対」30.0%、合わせて60.5%が反対という結果に。中学生の保護者では「賛成」12.9%、「どちらかというと賛成」27.9%、合わせて40.8%が賛成。「反対」17.6%、「どちらかというと反対」30.3%、合わせて47.9%が反対。小中学生の保護者合計では「反対」54.2%となり、いずれも反対派が多いことがわかった。

 学校へのスマホ持込み「賛成」と回答した保護者に理由を聞いたところ、「緊急の時の連絡手段に必要だから」83.3%がもっとも多く、ついで「防犯対策として必要だから」50.4%、「授業中など使ってはいけないタイミングを子どもが理解しているから」31.8%と続いた。一方、「反対」の理由としては、「トラブルの原因になる可能性があるから」79.1%がもっとも多く、ついで「学業の妨げになるから」57.8%、「ながらスマホなど事故に繋がる可能性があるから」43.4%であった。

 子どもがスマホを所有していると回答した430名を対象に、家庭内でのスマホのルールや約束事について聞いたところ、もっとも多かったのが「利用アプリの制限」47.9%。ついで「利用時間の制限」45.8%、「(食事中など)ながらスマホの禁止」39.3%など。具体的には、「アプリのインストールは親の許可を得てからする」「自分の部屋には持って上がらない」「就寝前にはスマホを親にあずける」「夜9時以降は触らない」といった家庭内ルールを設けているとの意見があげられた。

 子どもがスマホを所有していると回答した430名を対象に、スマホが原因で子どもとトラブルになった経験があるかを聞いたところ、「よくある」12.3%、「時々ある」45.8%、と合わせて58.1%の保護者がトラブルになっていることが明らかに。具体的には、「勝手に動画アプリにアップしていた。なぜ駄目なのか本人は不満そうだった」「時間の使い方がコントロールできずに何時間でも使い続けてしまった」「約束をやぶり、勝手にゲームに課金したので、2度としないようしばらく取り上げた」など。

 子どものスマホ利用料については、「経済的な負担を感じる」26.7%、「どちらかというと経済的な負担を感じる」31.6%と、半数を超える保護者が経済的負担を感じていた。また、スマホが子どもの学業に対して与える影響については、「良い影響を与えると思う」3.3%、「どちらかというと良い影響を与えると思う」7.5%と、肯定派はわずか10.8%。「利用するアプリの内容によると思う」との回答は23.8%で、それ以外の52.1%の保護者はアプリの内容にかかわらず「悪い影響を与える」と危惧していることがわかった。

《畑山望》

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