今こそ鍛えておきたいパソコン操作スキル…WDLCが提案

 Windows Digital Lifestyle Consortium(WDLC)は2019年6月21日、スズキ教育ソフトと学研プラスとコラボした「キーボードマスターキャンペーン」と「パソコン×自由研究コンテスト2019」を実施。プログラミング教育必修化を目前に、児童のパソコン操作スキルアップを提案。

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スズキ教育ソフトの小田典央氏(左)、EDLC会長の梅田成二氏(中央)、学研プラスの松井謙介氏(右)
スズキ教育ソフトの小田典央氏(左)、EDLC会長の梅田成二氏(中央)、学研プラスの松井謙介氏(右) 全 5 枚 拡大写真
 2020年度からの小学校でのプログラミング教育必修化まで残り1年を切っている今、児童のパソコン操作スキルの土台作りが急がれている。

 こうした状況のなか、Windows Digital Lifestyle Consortium(ウィンドウズ デジタルライフスタイル コンソーシアム、以下、WDLC)は2019年6月21日、昨年6月から行っている「MakeCode×micro:bit 200プロジェクト」の参加校の実施状況を発表した。

MakeCode×micro:bit 200
プロジェクトとは?



 本プロジェクトを主催するWDLCは、情報機器や情報サービスなど業界を超えた連携によって、新たなデジタルライフスタイルの提案を目指す業界団体。2007年11月に設立され、2018年3月1日現在、日本マイクロソフト、NECパーソナルコンピュータ、東芝クライアントソリューション、富士通など114社の会員を有している。

 「MakeCode×micro:bit 200プロジェクト」とは、プログラミング教育をいち早く取り入れたい小学校200校を対象に、イギリスのBBCが教育用に開発したマイコンボード「micro:bit(マイクロビット)」を各校20個、無償で提供するプロジェクトだ。同時に、プログラミング授業案やサンプルプログラムも提供され、授業案にはマイクロソフトが提供するブロック型プログラミング環境「MakeCode」でプログラミングをして「micro:bit」を動作させるという、実践的な内容がまとめられている。指導案に従えば、プログラミング経験のない教師でもすぐに「micro:bit」を活用したプログラミング授業を試すことができるという。本来の募集は100校であったが、多数の応募を受け200校へと変更した。

MakeCode×micro:bit 200プロジェクトのしくみMakeCode×micro:bit 200プロジェクトのしくみ

 「micro:bit」が配布された学校の授業レポートやサンプルコードは、WDLCが事例としてまとめ、ほかの学校へのケーススタディや授業キットとして活用することを目的とし公式Webサイト「MakeCode × micro:bit 200プロジェクト」で公開している。

 この1年間で参加した200校のうち、実際にプログラミング授業を行ったのは160校。未実施の学校も含め、アンケートを実施したところ168校から回答が得られた。

調査から見えてきた、児童のパソコン操作スキルの現状



 その結果から明らかになったのは、児童の有するパソコン操作スキルと教員が期待する児童のパソコン操作スキルとの間に差があるということだった。プログラミング授業が必修化されるにあたって、必要不可欠な操作面でのスキル不足は迅速に解決しておきたい。

項目ごとのアンケート結果項目ごとのアンケート結果

 おもにに差が見られたのは、キーボードのローマ字入力、ファイルのコピーや移動、保存などといった基本的な操作であった。アンケートでは、こういった基礎である操作スキルが不足している児童ほど、プログラミング授業の目標達成率が低いこともわかった。

プログラミング授業の目標達成率プログラミング授業の目標達成率

プログラミング必修化目前、最後の夏休みにできること



 調査の結果を受け、WDLCは児童のパソコン操作スキルアップを目的にこの夏、スズキ教育ソフト学研プラスとのコラボキャンペーンを行うことを発表。タイピングスキルの向上を目指す「キーボードマスターキャンペーン」と、資料作りやファイルの保存などのやり方を身に付ける「パソコン×自由研究コンテスト2019」の2つを共同で開催する

 2003年に始まったスズキ教育ソフトが運営する全国小学生キーボード検定サイト「キーボー島アドベンチャー」は小学校内でのみアクセスできるものだったが、今回のキャンペーンに合わせて一般家庭からのアクセスが可能に。30級から始まり、1級合格を目指して進めるというプログラムで、教育ICT研究の第一人者である東北大学大学院の堀田龍也教授が監修している。キーボード入力のスピードを全国の小学生と競い、最終的に上位10名には「micro:bitの教材キット」がプレゼントされる。開催期間は2019年6月21日(金)から8月31日(土)まで。

 学研プラスは、Gakkenキッズネットにて、定番の課題である自由研究のテーマに加え、今回初めてパソコンを使った自由研究を提供する。実験や工作のレポートをPowerPointを使用して作成することを提案する。パソコン操作に不安を覚える小学生でも挑戦できるよう、使い方の解説動画やテンプレートも用意されている。コンテストの開催期間は2019年7月20日(土)から9月8日(日)まで。

 いよいよ来年度から必修となるプログラミング教育に向けて、この夏できることに家庭で楽しく取組み、パソコン操作スキルを身に付けられると良いだろう。

キーボードマスターキャンペーン


期間:2019年6月21日(金)~ 8月31日(日)
対象:小学生
参加方法:キャンペーンページからIDを作成する
景品:キャンペーン終了後、1級合格者のうちスピードの速かった上位10名に「micro:bitプログラミング教材キット」をプレゼントする。また、30級合格者のうち抽選で100名に「Microsoft Storeで使えるプリペイドカード5000円分」と「Microsoftで遊びながらプログラミングを学べる入門書」が当たる

パソコン×自由研究コンテスト2019


期間:2019年7月20日(土)~ 9月8日(日)
対象:小学生
参加方法:コンテストページからデータ送付、もしくは郵送
※コンテストページは2019年7月20日より公開
景品:最優秀賞の1名にはお勧めのノートパソコン1台、優秀賞の4名には学研の図鑑LIVEポケット10冊セットがプレゼントされるほか、参加賞として抽選で20名に図書カード5,000円分が当たる

《村本茉生》

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