全国小中学生プログラミング大会は、子どもたちのアイデアを表現・発信する手段としてのプログラミングの普及を目的としている。2016年の第1回大会以来、これまでに700名以上の子どもたちが作品を応募もしくは関連イベントに参加している。
本大会は全国の小中学生がだれでも応募できるプログラミング・コンテスト。第4回目となる今回は、テーマや使用言語、作品形式が自由。PC、スマートフォン、タブレットで動作するプログラムやアプリ、ゲームなどのソフトウェア、ロボットなどのハードウェアであることが条件だ。募集期間は夏休みを利用できるよう、7月1日から9月2日までだった。
過去最多となる応募総数351作品のうち、最終審査に残ったのは10作品。審査基準は、「発想力」「表現力」「技術力」の3つで、審査員が各ブースを回り、制作者の話を直接聞いて審査した。今回の審査員は、河口洋一郎審査委員長(東京大学名誉教授/アーティスト)を筆頭に、小室真紀氏(株式会社144Lab 執行役員)、林千晶氏(ロフトワーク代表取締役)、増井雄一郎氏(Product Founder&Engineer)、松林弘治氏(エンジニア/著述家、鮮文大学校グローバルソフトウェア学科客員教授)の5名が務めた。
第4回大会グランプリに選ばれたのは、小学2年生の小長井聡介さんの「現実シリーズ2 渋谷スクランブル交差点信号機」。有名なスクランブル交差点の混雑状況をコンピュータ上で再現することで、交通のシミュレーションを行うというもの。審査委員長の河口洋一郎氏は「現地調査など応募に対する丁寧な姿勢に、審査員一同、非常に多くの共感を覚えました」とコメント。観察や分析まででも十分に内容のあるテーマである上に、それをよくするためのシミュレーションへと一歩進めた点が評価された。
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準グランプリに選ばれたのは、小学3年生の安藤颯亮さんの作品「会話おたすけ音声ロボット」。ケガや病気で話せない、鉛筆で書くのも大変な状況の人に便利な会話ツールで、体の自由が奪われる難病と向き合った英国の物理学者ホーキング博士をテレビで見て「同じような状況で困っている人に便利なロボットを開発したいと思った」のが制作のきっかけとなったという。

豊かな発想を形にするプログラミングを通じ、子どもたちの想像力はますます拡がっている。テーマが指定されなかったことで、よりバラエティ豊かな作品が集まった今大会。来年はプログラミング教育の必修化後、初の大会となる。
第4回全国小中学生プログラミング大会 受賞作品一覧
<グランプリ>
「現実シリーズ2 渋谷スクランブル交差点信号機」小長井聡介(小2)
<準グランプリ>
「会話おたすけ音声ロボット」安藤颯亮(小3)
<優秀賞・中学校部門>
「Let'sえいごパズル!」平野正太郎(中2)
<優秀賞・小学校高学年部門>
「Famik」澁谷知希(小6)
<優秀賞・小学校低学年部門>
「まほうのぼうしと黒猫アキラとピカつむり」越智千晶(小2)
<入選>
「STAPLER」森谷頼安(小5)
「TILES」井上将煌(小6)
「げきむずクレーンゲーム」白川瑛士(小5)
「ぺんき屋さん / PAINT!」荒島拓仁(中3)
「未来のごみ箱~CANBO~ Step To The Future」川添結衣(小6)、小川桃佳(小6)、小川りりか(小4)