<乳幼児期>両親は、私に英語で話しかけていました
--バイリンガルということですが、海外で育ったのでしょうか。
私自身は海外で生活したことはないのですが、私が生まれる前に、両親はサンフランシスコに住んでいたそうです。そのときに母は自分の英語力が不足していると感じて、「子どもは英語を話せるようにしたい」と思って、「私が小さいころから英語で話しかけていた」そうです。そのせいか、私自身はいつから英語を話せるようになったのか記憶にありません。
3歳までは日本語よりも英語のほうが得意だったようで、3歳児検診のときにリンゴの絵を見せられて、「これは何ですか?」と聞かれても答えず、母が「What's this?って、聞いてるわよ」と言ったら「Apple」って答えたらしいです(笑)。
<幼稚園・小学校>インターナショナルスクールで学び、家では英語版ビデオを観ていました
--小学校までの英語学習環境を教えてください。
幼稚園はインターナショナル幼稚園で、先生はオーストラリアやニュージーランドなど、海外の先生ばかり。基本的に、「英語で教える」という幼稚園でした。
家では、日本語吹替えなしの「セサミストリート」を観たり、知り合いから譲ってもらった「となりのトトロ」や「魔女の宅急便」の英語吹替版を観ていました。特に「トイストーリー」が大好きで、英語のセリフを覚えるくらい繰り返し観ました。
小学校は公立ですが、英語力が鈍っては困るということで、聖ミカエル国際学校(日本で最初のイギリス系インターナショナルスクール)の帰国子女クラスに入れてもらって、小1から中3まで週1回通いました。
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ケンブリッジ英検で、定期的に英語を学ぶ
--そのころ、ケンブリッジ英検との出会いがあったのでしょうか。
そうです。聖ミカエルにケンブリッジ英検のポスターが貼ってあるのを母が見て、ほかの英語資格と違って、「英語を英語で聞き、学ぶ」というところが気に入って通わせ始めたと聞いています。
そのころは、英語を英語で解く試験がケンブリッジ英検しかなくて、英語の問題を英語で解きたい人にはケンブリッジ英検の「Young Learners(ヤングラーナーズ)」が唯一の選択肢だったそうです。生物、化学なども英語のテキストで学べますし、科学辞典も英語のものがありました。
また、物心つく前から年に1回は海外に行き、現地の子どもたちが使っている算数や文法などの問題集を持って帰ってきて解いていたので、ケンブリッジ英検の英語のテキストで学ぶことも、英語の勉強をしているという感覚ではなくて、自然に面白くてやっていたという感じです。わからない単語は、自分で子ども用の英英辞典(Children’s dictionary)で調べていました。
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--ケンブリッジ英検の合格証をたくさんお持ちですね。
英語は使わないと忘れてしまうので、ほぼ定期的に試験を受けています。なので、大学入試センター試験でも長文を読むことは苦ではありませんでした。リスニングも得意なので、リスニングに関して受験用の対策はしなくても大丈夫でした。
大学入学後も、ケンブリッジ英検の勉強は継続して、さらに上のグレードに挑戦しています。

英語で広がる将来の選択肢
--医学部の勉強に、英語力はどのように役立っていますか。
国際機関に提出する論文は英語で書かなくてはいけないですし、国際学会での発表も英語ですので、そのときに、身に付けた英語を生かせると思います。現在も、英語の論文を読む課題がありますが、苦労なく読めるのは「英語を英語で学んできたおかげ」だと思います。
--英語の論文となると、医学用語が出てくるわけですよね。
そうですね。関西医科大学では、1~3年で医学英語を学びます。医療単語を身に付けることが重要で、コミュニケーションの課題もあることはありますが、それはケンブリッジ英検で学んだことで十分対応できています。
通常の講義は基本日本語ですが、ネイティブの先生などが英語で講義されることもあります。それも自然に聞くことができています。
--将来の夢を教えてください。
私は今4年生ですが、卒業後に医師国家試験を受けて、合格したら研修医になります。初期研修は2年でその後専門を決めるのですが、まだ具体的には行き先を決めていません。現在は、研究職にも臨床医にも、どちらにも興味があります。
研究職に興味をもったきっかけは、小学生のときの山中伸弥先生のiPS細胞発見のニュースです。基礎研究のほうが自分の性に合っているかなと思ったのです。臨床医に興味をもったのは、中高生のときに骨折などをして整形外科の先生にお世話になったのがきっかけです。担当してくださったのがスポーツ医学の先生だったのですが、私もスポーツ観戦が好きなので、選手の近くでサポートできるならやってみたいと思いました。クラブチームのスポーツドクターになると、海外遠征にもついていくので、そのときには英語力も生かせるのではないでしょうか。
英語というベースがあれば、将来何になるか、何をするか、その選択肢が増えますよね。英語というスキルがあれば、海外に留学するという選択肢も出てきます。
お勧めは興味がある分野の英語を読むこと
--英語を身に付けたいと思っている後輩たちに、メッセージをお願いします。
「興味がある分野の英語」の文章を読むことから始めてほしいですね。いきなり英検の勉強から入って、自分の興味のない分野も読むとなると辛くなってしまうと思います。恐竜に興味があるなら、恐竜に関する英語の本から始めてみるといいですね。自分が知っていることも書いてあるはずなので、「英語ではこういうふうに言うんだな」というふうに面白く学べます。
あるいは、算数好きなら英語の算数ドリルを解いてみるのもよいですね。小説が好きなら、好きなジャンルの小説から読み始めるなど、興味のあることからスタートしてみてほしいです。
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--本日はありがとうございました。
幼少期から英語に親しみ、自然に身に付けたという半田さん。大学入試でもリスニングとリーディングは苦労しなかったそうだが、日本人でも国語の学習に苦労するように、文法や専門的な単語の習得では苦労もあった。しかし継続的にケンブリッジ英検に挑戦し続ける努力の中でそれも克服し、進学した医学部で充実した日々を送っている。ケンブリッジ英検の学習を通じて英語力を身に付けたことでより広い選択肢を手に入れた半田さんの今後にも注目したい。