BenQのAndroid搭載スマートプロジェクター、文教向け短焦点モデルも

 ベンキュージャパンは、日本初上陸となるAndroid搭載のスマートプロジェクター新製品発表内覧会を2019年11月12日に都内で開催した。企業と教育向けに新たに発売となるスマートプロジェクター「EH600」「EW600」「EW800ST」の3種は2019年11月22日より販売を開始する。

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ベンキュージャパン代表執行役社長の菊地正志氏とベンキューアジアパシフィック社長のJeffrey Liang氏
ベンキュージャパン代表執行役社長の菊地正志氏とベンキューアジアパシフィック社長のJeffrey Liang氏 全 6 枚 拡大写真
 ベンキュージャパンは、日本初上陸となるAndroid搭載のスマートプロジェクターの新製品発表内覧会を2019年11月12日に都内で開催した。企業と教育向けに新たに発売となるスマートプロジェクター「EH600」「EW600」「EW800ST」の3種は2019年11月22日に販売を開始する。

企業と教育の分野でソリューションを実現



 ベンキュージャパン代表執行役社長の菊地正志氏は新製品発表内覧会の冒頭で、2018年に取扱いを開始したB2B事業が成長期に突入したと説明し、「昨年11月15日にB2B製品の日本での販売拡大をこの場で発表してからちょうど1年となります。今年はレーザープロジェクターやインタラクティブフラットパネル、電子黒板、電子ホワイトボードなどを発売してきました。新製品のスマートプロジェクターは非常に画期的な製品で、Android搭載でPCレス、ワイヤレス、ドライバーレスで使用でき、従来製品の不便さを解決する機能を織り交ぜたものになっています。2020年に向けて、More Than Connectionをテーマに掲げ、パートナーとの絆を深め、ワンストップディスプレイソリューションを展開し、日本国内でのB2Bビジネスで成長していきたい」とした。

 今年は、バイオと電子黒板ソリューション、Google Jamboardと電子ホワイトボードの展開を行ってきたことにも言及し、2020年も関係をより強化してさらなる成長を目指すという。

 ベンキュージャパンは、2009年からこの10年間で液晶ディスプレイやプロジェクターなどコンシューマープロダクトを中心に売上を2倍まで伸ばした。また、この数年はeスポーツなどの市長拡大の影響を受けゲーミングモニターや、家庭でもホームシアターを楽しめるプロジェクターの売上が好調だった。菊地氏は「2020年は、B2B向けのプロダクトを日本国内で積極的に投入し評価していただきたい」と抱負を語った。

教育市場向けソリューションの説明を行うベンキューアジアパシフィック社長のJeffrey Liang氏教育市場向けソリューションの説明を行うベンキューアジアパシフィック社長のJeffrey Liang氏

 続いて登壇した、ベンキューアジアパシフィック社長のJeffrey Liang氏は、ベンキューのB2Bにおけるビジョンと戦略について、「ベンキューのミッションはイノベーション、インテグレーション、インテリジェンスのソリューションを企業と教育の分野で実現していくこと」と説明。

 「今私たちが生きている世界は、膨大な情報によってかつてない変化を経験しています。情報が溢れすぎて私たちは混乱してしまうこともあるほどです。さらに多くのデバイスが出現し、特に10年前からスマートフォンが登場したことで私たちの世界はさらに複雑化しました。そしてお互いがより近くなり、つながり影響し合っています。効果的で効率的な働き方ができるようになるためにどう学んでいくかは大きな課題となっています。」と語り、企業や政府にとって働き方改革が大きなトピックになっている今、新しいビジネスチャンスがあるという考えを述べた。

 スライドでは、ベンキュー本社の「家」(=HOME)をデザインテーマとしたオフィスデザインを例にあげ、ABW(Activity Based Working)に基づいてデザインしたことを説明した。そのほか、横浜市のHorizon Japan International School に導入されたインタラクティブフラットパネルなどを用いた授業のようすも紹介し、同社の製品が企業と教育現場で働き方、学び方に変革をもたらすことを伝えた。

「教育向けトータルソリューション」ブースのようす「教育向けトータルソリューション」ブースのようす

教育現場の効率、子どものやる気をUPする教育向けトータルソリューション



 会場には、新製品を体験できるブースが設置され、デモンストレーションが行われた。「教育向けトータルソリューション」のブースに設置されたスマートプロジェクター「EW800ST」は、短焦点であることが最大の特徴で、ケーブルが短いので、子どもたちがコードにつまずく心配がなく使いやすい。内部にOS、保存領域があるのでPCレスで使用できるのも先生たちにとっては、コンパクトで助かる点だろう。電子黒板「VA7501K」とつなげて2台で使用することもできるため、教室の広さによっては後ろの席から文字が見えないなど、現場での課題も解消できるよう考えられている。

スマートプロジェクター「EW800ST」スマートプロジェクター「EW800ST」

電子黒板「VA7501K」電子黒板「VA7501K」

 電子黒板「VA7501K」も、Google Driveから直接ファイルを取得できることから、PCレスで使用できる。生徒が書いたプリントを拡大し、自在に書き込みができるなど、協働学習に使いやすい。緊急時には遠隔でテロップを流すことができ、防犯対策にも活用できる。

 日本国内の教育ICTの整備は大きく遅れ、地域格差も問題となっている。文科省が今年6月に発表した「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」では、2025年度までの「世界最先端の教育環境の実現」が目標に掲げられており、当初の予定には遅れをとっているものの、具体的なプランも示されている。日本中の教室でも今回発表されたような便利なICT機器が当たり前の設備となる日が、そう遠くない未来に訪れることを期待したい。

《田口さとみ》

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