楽しみながら英語の音読練習ができる生成AI教材「Reading Coach」を使ってみた

 教育現場での生成AIの活用に注目が集まるなか、マイクロソフトは生成AIを活用した学習教材「Reading Coach(リーディングコーチ)」のサービスを開始した。マイクロソフトアカウントを取得すれば、誰でも利用できる。

教育業界ニュース 教育ICT
音読の練習画面
音読の練習画面 全 8 枚 拡大写真

 教育現場での生成AIの活用に注目が集まるなか、マイクロソフトは生成AIを活用した学習教材「Reading Coach(リーディングコーチ)」の提供を開始した。マイクロソフトアカウントを取得すれば、誰でも利用できる。

 Reading Coachは、英語の「音読練習」ができる無料ツールで、ユーザーが画面表示に従ってキャラクター、ロケーション、レベルを選択すると英語の物語が自動生成される。その英文を音読すると、「どれだけ流ちょうに読むことができたか」を検出し、達成度や苦手な単語を確認し、練習することができる。

 なお、記事執筆時点では「パブリックプレビュー」が提供されており、サイトの表記は英語のみ。2024年中には他言語にも対応する予定という。

簡単操作で音読の評価

 英語学習に用いることで効果的なトレーニングができそうだと感じたため、早速使ってみた。

 Reading Coachには、自分で物語をカスタマイズできる機能が用意されている。「Create a story/Using AI」では、最初にメインキャラクターとロケーション、レベルを選ぶと物語が始まる

メインキャラクターの選択画面。かわいらしいアイコンが並ぶ
キャラクター選択のあとは「ロケーション」の選択

 文章のレベルは8段階から選択することが可能。もっとも難しいレベル8になると、文書量が多く、使われている単語も普段あまり目にすることがないようなものも登場する。

難易度はレベル1~8まで

 キャラクター、ロケーション、レベルの選択が終わると、数秒で物語が生成される。

準備ができたら「Start reading」をクリックして、音読をスタートする

 物語は3章に分かれており、次の章に進む際に2つのパターンから物語を選択する。組合せと分岐をあわせると、物語の内容はとても多彩なものになる。また分岐の内容はその都度変わり、異なる内容の物語が次々に生成される。

次の章に進む前に、次章の内容を選択することができる

 物語を作るだけでなく、用意された話で練習することもできる。「Read a passage/From our library」では、あらかじめ用意されているストーリーを選択して練習する。レベルごとに数は違うものの、執筆時点ではそれぞれに10~20のストーリーが用意されていた。「Create a story」と違って、1章に収まっているので取り組みやすい。

 「Add a passage/Add your own」は、自分で練習したいフレーズや文章を自由に入力し、練習することができる。お気に入りの文書や、映画のセリフなどを入力して練習することもできそうだ。

 物語の音読が終わると、結果が表示される。物語のイメージアイコン、正確さ、音読した時間、苦手と判定された単語が表示される。

ストーリーのアイコンも都度生成されているようだ

 右側のボタン「Practice words」をクリックすると、AIによって苦手と判定された単語の発音の復習ができる。単語を音節で分割する機能もあり、学習しやすい。

苦手単語の練習。音節ごとに区切っての発音練習が可能

子供にも使いやすいシンプル画面

 小学3年生の娘も体験してみた。画面がシンプルなこともあり、迷うことなく操作することができた。

 娘は小学1年から学校の授業で英語に触れており、筆者よりも発音は上手だ。なかなかの結果が出たものの、レベル1でも知らない単語が出てくる個所があり、苦戦するようすも。レベル3以上になると、筆者でも容易に読めない単語が出てくる。

 読めなかった単語は、個別に練習することができる。練習した物語も学習記録に残っているので、繰り返し練習が可能だ。

 娘も「苦手」と判断された単語があったのが悔しかったのか、何度も練習していた。操作が簡単で、自分のペースで繰り返し練習ができ、子供にとっても使いやすいようだ。

音読の練習画面

 Reading Coachは、子供も大人も、英語を飽きずに少しずつ楽しんで利用できるサービスといえるのではないだろうか。同サービスは個人利用のほか、マイクロソフトの他のサービスと組み合わせて、学校で利用することも想定されているようだ。IT機器やサービスの利用が教育現場でも広がりつつあり、今後、このようなサービスを利用して学習を進める機会も増えてくるのではないだろうか。

《工藤崇史》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集