新カリキュラム対応と英語全教科書準拠
小学校の新学習指導要領の大きなポイントとしては「プログラミング教育必修化(算数や理科の授業に取り入れられる)」「5~6年生の外国語科(英語科)の新設、3~4年生の外国語活動の必修化」があげられる。
「スマイルゼミ 小学生コース」(標準クラス・発展クラス)では、2018年度からの新学習指導要領への移行措置開始に合わせ、全学年においてプログラミング講座の提供や英語教材の強化を行ってきたが、2020年度の完全実施に合わせ、新カリキュラム対応の講座改訂および英語全教科書に準拠した講座を用意したうえで、新たなサービスも開始する。
ジャストシステム ラーニングイノベーション事業部 企画マーケティンググループの寺尾房代氏は、新学習指導要領でめざす「学びを人生や社会に生かそうとする、学びに向かう力、人間性の涵養」「生きて働く知識、技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力等の育成」について説明したあとで、「これらの力が身に付くようリニューアルを行う」ことを発表し、今回のリニューアルのポイントとして「小学生コースの全会員を対象とする全国学力診断テストの新設、発展クラスの強化」をあげた。
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年3回の全国学力診断テスト
続いて、同社ラーニングイノベーション事業部 企画開発グループの大島教雄氏からは、おもなリニューアルポイントの詳細が説明された。
「全国学力診断テスト」は、春・夏・冬の長期休みに国語と算数について年3回実施する。新2~6年生では2020年度の春休み、新1年生では夏休みに初回のテストが行われる。
このテストは、タブレットを利用して自宅で受験するもので、絶対的な評価として学力到達度を測定。理解度に応じた復習問題を即時配信することで、長期休みを活用して、それまでの学びをしっかりと定着させ、学力の底上げをした状態で次の学期に進めるよう工夫しているという。
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問題については、算数では基本的な計算問題から、問題文を読み自分で立式する文章題までを出題。手書きの計算スペースも提供し、タブレットで完結する。国語では、漢字や用語を問う問題から、文章題までを出題。選択問題にとどまらず、文中から要点を抜き出して記述する問題も用意するという。
大島氏は「各教科とも30~40分の1回勝負で、小学生とっては非常に骨のあるテストを実施し、学力を診断する」と説明する。
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英語教科化・4技能への対応
2020年度から成績のつく教科として5~6年生で開始される英語科においては、全7社の教科書に準拠。読む・聞く・話す・書くの4技能対応を強化し、英語の問いに英語で答えるなど「話す」学習を充実させる。
高校入試にもつながる発展クラスの強化
「スマイルゼミ 小学生コース」では、学校の進度に合わせた講座で学習習慣を定着させ、基礎学力の向上を図る「標準クラス」と、学校で習う範囲以上の問題に取り組み、文章読解力・論理的思考力・問題解決力を身に付ける「発展クラス」の2クラスが用意されているが、2020年度のリニューアルでは「発展クラス」の強化も行う。
おもに、国語・算数・理科・社会の教材の量・質ともに向上させ、教科横断的に考えて解く良問を揃えるという。また、初見の長文を読み解く力、未知の問題に取り組む力を鍛えることで、高校入試にもつながる力が身に付くとしている。
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なお、発展的な難問を一人で解くことが難しい場合もある。それをサポートするのが新機能の「チェックポイント式 とき方動画」だ。家庭教師が隣で、赤ペンで指導してくれるようなイメージで、たとえば算数の図形問題では補助線を引きヒントを与えながら、途中理解を確かめる質問をして、自力解答に導いていく。
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地域や学校のよる差はあるものの学校教育でも教育ICTの導入が進み、家庭での学び方にも変化がありタブレットで学ぶ子どもも増えてきている。デジタルの活用は個々に最適化した学びーアダプティブラーニングに対応するため、苦手克服にも有効と考えられている。また、今回のリニューアルで強化された「話す」講座や「チェックポイント式 とき方動画」は、特にタブレット学習ならではの特長を生かした機能といえよう。
「スマイルゼミ 小学生コース」は英語・国語・算数・理科・社会の5教科対応の、標準クラス・発展クラスの2クラスから選択して受講。会費は毎月払い、6か月分一括払い、12か月分一括払いより選択可能。毎月払いの標準コースは月額3,880円(1年生)~6,600円(6年生)、発展コースは月額4,580円(1年生)~7,700円(6年生)、別途専用タブレット代9,980円(支払い方法により異なる)が必要となる。またオプションとして、英検対策などが行える「スマイルゼミ 英語プレミアム」も用意されている。