【大学受験2021】共通テスト記述式見送り、各方面コメントまとめ

 文部科学省が2019年12月17日、2021年1月実施の大学入学共通テストで記述式問題導入を見送ると発表したことを受け、国立大学協会や大学入試センターなどがコメントを発表した。受験生や高校関係者らに向けて、今後の対応なども説明している。

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 文部科学省が2019年12月17日、2021年1月実施の大学入学共通テストで記述式問題導入を見送ると発表したことを受け、国立大学協会や大学入試センターなどがコメントを発表した。受験生や高校関係者らに向けて、今後の対応なども説明している。

 国立大学協会の永田恭介会長は、記述式問題の課題解決について文部科学省に要請をしてきたとしたうえで、「今回の導入見送りの決定により、わが国の高大接続改革の歩みが止まることのないよう、文部科学省には改めてお願いする」とコメント。各国立大学においては、すでに公表している2年前予告を見直し、受験生や高校関係者らが混乱することのないよう速やかに対応を公表するよう努めると説明している。

 大学入試センターの山本廣基理事長は、「2021年1月に実施する大学入学共通テストにおける国語および数学の問題構成や試験時間、配点などをどのように取り扱うかについて、早急に専門家による検討を行い、できる限り速やかに方針を示す」と説明。「大学入学共通テストの各教科・科目の問題を通じて、受験生の知識や思考力・判断力・表現力などをバランス良く評価するとともに、高等学校教育の授業改善にも良い影響を与えることができるようなメッセージ性のある良問を作成し、引き続き、高大接続改革の推進に向けて取り組んでいく」としている。

 文部科学省の判断を受け、予備校や塾なども対応に追われている。河合塾では、「共通テスト対策を目的とした模擬試験(全統共通テスト高2模試)、冬期講習(共通テスト対策講座など)、イベント(共通テストポイント攻略ゼミなど)について、模擬試験の時間短縮や講習・イベントの出題問題の変更などを行い、記述式問題以外の新傾向対策を行う」とのコメントをWebサイトに掲載した。

 一方、大学入学共通テストの記述式問題の採点業務を受託していたベネッセグループの学力評価研究機構は、記述式問題の導入見送りについて「大変残念」とコメント。「速やかに大学入試センターと協議し、導入見送りに伴う混乱が極力生じないよう、努力してまいる所存」としている。

《奥山直美》

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