<数学>講評(練成会 提供)
例年どおり大問数は5題。小問数も変わらず。全体を通して基本問題から応用問題までバランスよく出題されています。図形単元からの出題が標準校で60点中25点、裁量校では27点を占めており、総得点の4割程度になります。今回は標準校・裁量校共に出題されている「カードの並べ方」、「北海道旗」、「カレンダーと『うるう年』の問題」、「相似の証明」が大きく差がついたと予想されます。特に「カレンダーと『うるう年』の問題」は、実際に手を動かして書き出していくことで、2020年と1年間のすべての日の曜日が同じになる年を探し出すコツを見付けることができるはずです。また、相似の証明は∠BAE=∠BCDという仮定から、4点C、A、D、Eが同一円周上にあることを立証した上で、∠ACB=∠EDBを導きます。図の中に円が無い中で円をイメージするという点で、着眼点を発見しづらい問題であったと予想されます。
裁量問題[5]問2は、2019年に引き続き資料の整理に関する問題の出題でした。(2)では与えられた(資料)から情報を整理してヒストグラムを描く問題でした。範囲、平均値、中央値のそれぞれの条件から各階級の人数を方程式で求めていきます。たくさんの条件を精査して利用する力が要求される問題でした。
例年通りの傾向でもありますが、総じて、得点しやすい問題と、得点しづらい問題とにはっきり分かれています。中間点として得点できる部分も多くあり、中間点の結果が合計点の差に繋がるとも予想できます。
全体を通して、各単元の基本事項を完全に理解し、そのうえで問題集などを通して応用力を養成する必要があります。図形に関する問題が多い傾向は続いているので、証明や円周角・三平方の定理・空間図形などに関する問題も早いうちに着手することが大切になります。融合問題など難度の高い問題の対応策としては、普段から全国の入試問題などに触れ、正確に図やグラフを実際に描くことで解法の糸口を探す訓練が不可欠となります。
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このレポートは令和2年3月4日(水)に速報として練成会により作成されたもの。
協力:練成会