学習指導要領の改訂、4割以上の保護者が認知せず

 公文教育研究会は2020年3月31日、小学1年~3年生を対象にした「家庭学習についての調査」結果を公表した。家での1日の学習時間は「37.1分」で過去5年でもっとも長くなった。また、4割以上の保護者が学習指導要領の改訂を認知していないことがわかった。

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 公文教育研究会は2020年3月31日、小学1年~3年生を対象にした「家庭学習についての調査」結果を公表した。家での1日の学習時間は「37.1分」で過去5年でもっとも長くなった。また、4割以上の保護者が学習指導要領の改訂を認知していないことがわかった。

 調査は、小学1~3年生の子どもがいる世帯の母親1,000人と父親800人を対象に、2020年2月28日~3月3日にインターネットを利用して実施した。近年共働き世帯が増加する中、子どもの生活・家庭学習の状況や、保護者の意識・行動について、実態の把握を目的に2015年から継続して行っている。

 「子どもの家庭での過ごし方」を聞いたところ、「1時間以上ゲームをする」が26.1%で、前年度の調査結果(19.5%)から6.6%増となった。「30分以上ゲームする」は50%と2人に1人という結果だった。「ゲームをまったくしない」子どもは20.0%と、前年度の調査結果(21.7%)から微減となり、ゲームをする子どもの割合とゲームをする時間ともに増えていた。

 子どもが家で学習する平均時間は、1日「37.1分」と過去5年でもっとも長くなり、2015年と比較すると5分以上長くなっている。家庭学習の頻度については、週平均「5.9回」となっている。

 新学習指導要領の改訂については、「改訂されることを知っており、改訂の内容も把握している」と回答したのは14%で、「改訂されることも改訂の内容も把握していない」と回答したのは42.6%だった。 4月からの新学習指導要領の全面実施直前でも、改訂の内容を把握していない保護者が半数近くいた。

 新学習指導要領で認知度が高かったのは「プログラミング的思考の育成」48.7%で、「小学校の外国語教育の教科化」40.3%の認知が前年の30%台から40%以上にのぼった。内容で評価されたトップ3は、「答えが1つではない課題に、子どもたちが向き合い、考え、議論する機会を設ける」や「学びを人生や社会に生かす『生きる力』の習得」「学びの方法として、自主的・協働的な学習を奨励する『アクティブラーニング』」だった。

 母親が子どもと一緒にすることのトップ3は、「向き合って、会話をする」「買い物に一緒に行く」「テレビを一緒に見る」。父親のトップ3も、同じ3項目という結果になった。母親と一緒にすることが多い中、父親が母親より一緒にすることが多かったのは、「一緒にスポーツをする」と「一緒にテレビゲームをする」だった。

 子どもの家庭での学習状況の把握は母親が多くなったが、父親のほうが多かったのは、「自立のために、極力声をかけたり手伝ったりしない」や「学習についてあまり気にかけていない」「子どもとの家庭学習の時間が楽しみだ」の3項目となった。

《田中志実》

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