臨時休校の長期化に備え、ICT環境整備を強化…文科省

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、文部科学省の萩生田光一大臣は2020年4月3日、臨時休校の長期化に備え、ICT環境の整備を強化する考えを明らかにした。受験を控えた新中学3年生と新高校3年生に対しては「不利益を被ることがないよう配慮したい」と述べた。

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萩生田光一文部科学大臣の会見
萩生田光一文部科学大臣の会見 全 2 枚 拡大写真
 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、文部科学省の萩生田光一大臣は2020年4月3日、臨時休校の長期化に備え、ICT環境の整備を強化する考えを明らかにした。受験を控えた新中学3年生と新高校3年生に対しては「不利益を被ることがないよう配慮したい」と述べた。

 4月2日に内閣府で開催された「第1回新型コロナウイルス感染症対策に関する特命タスクフォース」では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のための遠隔教育の活用について議論。「ICT環境の早急な整備」「遠隔授業における受信側の教師設置基準の見直し」「遠隔授業における『同時双方向』要件の撤廃」「遠隔従業における単位取得数の制限緩和」「オンラインカリキュラムの整備」「オンラインでの学びに対する著作権要件の整理」の必要性を確認した。

 4月3日に会見した萩生田大臣は、特命タスクフォースでの議論を受け、「文部科学省としても新型コロナウイルスの感染拡大という緊急時であっても子どもたちの学びの機会を保障することは極めて重要であり、そのためにICTなどを活用することは有効な手段と認識している」と述べた。

 さらに今後休業が長期化し、教育課程の実施に支障が生じる事態などに備え、「ICTを活用した家庭での学習支援などに向けた環境整備を急ぎつつ、国内外の休業時の対応の先進事例を研究し、現在の状況を踏まえ、遠隔教育の柔軟な運用を含め家庭での学習支援などによる教育機会確保のための検討を加速化していきたい」との考えを示した。

 小中学校におけるICT環境については、整備の遅れを認めたうえで、「たとえば家庭にある環境と足りないものを学校から持ち帰りなどをしながら、できることはやっていくということを各自治体と一緒に模索をしてみたい」とした。

 入学選抜については、受験生となる新中学3年生や新高校3年生が不利益を被ることがないよう各大学や都道府県教育委員会などに配慮を要請したい考えを表明。「今年の受験生が大きな不公平を被ることがないような配慮を大学関係者たちともあらかじめ準備をしながら、それに見合う受験体制を作っていきたい」と語った。

 なお、4月3日の萩生田大臣の会見映像は、文部科学省のWebサイトで公開されている。

◆萩生田光一文部科学大臣会見映像(2020年4月3日)


《奥山直美》

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