NTT Com、英会話におけるVR学習の有効性を確認

 NTTコミュニケーションズは2020年6月15日、2月に京都市の同志社中学校にて行った英会話におけるVR学習の有効性に関する実証実験で、従来のスクリプトと音声教材による学習に比べて、生徒の習熟度が高くなることが確認されたことを発表した。

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 NTTコミュニケーションズは2020年6月15日、2月に京都市の同志社中学校にて行った英会話におけるVR学習の有効性に関する実証実験で、従来のスクリプトと音声教材による学習に比べて、生徒の習熟度が高くなることが確認されたことを発表した。

 実証実験は、生徒を12名ずつ2つのグループに分け、入国審査やレストランでの注文など、留学や海外旅行で必要となる英会話を学習するもの。同志社中学校にて第1回試験を2020年2月4日から5日、第2回試験を2月13日から14日に実施した。

 一方のグループはスクリプトと音声教材による従来の方法で学習し、もう一方のグループはVRを活用し現実さながらのコミュニケーションを体験。その後、それぞれのグループの生徒に対し理解度テストを行い、ネイティブスピーカーと英語教諭が習熟度を「レスポンス」「発音」「正確性」「理解力」「オリジナリティ」の5項目で評価することで、グループ間の習熟状況の差異を比較した。

 実験の結果、VR学習を行ったグループは従来の方法で学習したグループに比べ、「オリジナリティ」以外の4項目でスコアが上回り、特に「正確性」では約10%向上。また、今回VR学習を体験した生徒を対象に行ったアンケート調査では、約74%の生徒が「VRによる学習方法は効果がある」と回答。その理由として「本当にそこに外国の方がいるようで、理解度テストではあまり緊張しなかった」などの声があがっており、VRで疑似体験をすることで、テストでも落ち着いて対応できることが効果としてあげられた。

 この度の実験結果から教育とVRとの親和性が高いことが判明したため、NTTコミュニケーションズは今後、学校教育にとどまらず医療や観光業など、さまざまな産業分野の教育・研修活動におけるVRの活用を積極的に進めていくとしている。また、VRをはじめとした仮想空間技術xRを活用し、あらゆる事業活動を非対面で仮想的に実現することで、ウィズコロナ・アフターコロナに最適な働き方・学び方を提供していくという。

《桑田あや》

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