【高校受験2020】都立高校の学力検査、理科の平均点13.7点低下

 東京都教育委員会は2020年6月25日、2020年度(令和2年度)東京都立高等学校入学者選抜における学力検査結果の調査について公表した。教科別の平均点を見ると、国語と英語、社会は2019年度より上昇し、数学と理科は低下。特に理科は13.7点低い平均点となった。

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 東京都教育委員会は2020年6月25日、2020年度(令和2年度)東京都立高等学校入学者選抜における学力検査結果の調査について公表した。教科別の平均点を見ると、国語と英語、社会は2019年度より上昇し、数学と理科は低下。特に理科は13.7点低い平均点となった。

 東京都教育委員会は、都立高校入学者選抜学力検査結果に関する調査を毎年実施し、その結果を公表している。各教科・各問の正答および誤答の分析結果を提供することで、中学校や高校の教科指導の改善に役立ててもらうことを目的に調査を実施。第1次募集・分割前期募集(2020年2月21日実施)において、全日制高校を志願し、共通問題による学力検査を受検した者を対象とした。2020年度都立高校入学者選抜の最終応募状況によると、全日制の募集人員3万501人に対し、志願者数は4万2,577人だった。

 教科別の受検者数は、国語3万4,776人、数学3万4,777人、英語3万4,547人、社会3万8,946人、理科3万8,945人。平均点を見ると、国語81.1点、数学61.1点、英語54.7点、社会57.0点、理科53.4点。前年度(2019年度)の平均点と比べると、国語は10.1点の上昇、数学は1.2点の低下、英語は0.3点の上昇、社会は4.3点の上昇、理科は13.7点の低下となった。もっとも点数差が大きかった理科の2020年度得点分布を見ると、分布のピークが2019年度の80点~83点から68点~71点に移り、60点以上の受検者の割合が67.6%から42.4%に減少した。

 そのほか、各教科の「各問の内容および正答率並びに誤答分析」「まとめと指導の改善の視点」も掲載。たとえば、数学の正答率について、大問5の直方体を題材とした空間図形の問題では問1が38.3%、問2が2.4%と低かった。このことから、「立体の中にできる平面等を的確に捉える力が十分ではない」と指摘し、改善の視点として「実際に立体を作ることや、立体の見取図、展開図、投影図を用いてその図形のもつ性質を読み取ることなどを通して、空間における図形の位置関係を捉えたり、空間図形を平面図形に帰着させて考えたりする指導を充実させる必要がある」と述べている。

 調査の結果は、東京都教育委員会Webサイトに掲載。出題方針や各問のねらいなども確認できる。

《桑田あや》

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