将来も使えるスキルを身に付けるために必要な教育インフラとは

 GIGAスクール構想による製品選定を急ぐ自治体や学校関係者に向けて、Windows PCを検証する全3回のシリーズ。第3回は、社会人になってからも使えるスキルを養えるPCという観点から、今後の子どもたちの「学び」を考えていく。

教育ICT 先生
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WindowsとOfficeは学校現場を支えている
WindowsとOfficeは学校現場を支えている 全 11 枚 拡大写真
 GIGAスクール構想による製品選定を急ぐ自治体や学校関係者に向けて、Windows PCを検証する全3回のシリーズ。第3回となる今回は、社会人になってからも使えるスキルを養えるPCという観点から、今後の子どもたちの「学び」を考えていく。

第1回:最新の定義で学校を守る…Windows PCのセキュリティ対策
第2回:1人1台導入を手軽に…GIGAスクール対応PCの条件
第3回:将来も使えるスキルを身に付けるために必要な教育インフラとは

 子どもたちの学びにICTを導入する理由のひとつに「それらを使うことが、子どもたちが将来社会に出ていくにあたって必要なスキルになるから」という点があるだろう。さまざまなデバイスとともにアプリケーションを駆使し、多くの人たちと関わりながら協働していく活動は、もはや世界中のビジネスシーンで日常の光景になっている。

使い慣れたOSで、働き方・学び改革を



 Windowsは、コンピュータが生まれてから間もなく世界中の人々に利用され、今や世界基準ともいえるOSだ。世界では、Windows 10を使用しているパソコンが10億台を突破。日本国内の教育機関でも、およそ91%がWindowsを使用しており、先生方が使い慣れたOSとしても広く認知されている(文部科学省 平成30年度 学校における教育の情報化の実態等に関する調査、教育用コンピュータのOS別台数)。世界でも幅広く利用されているWindowsやOfficeを学びの場で利用すれば、社会で実践的に使える基本的なスキルが確実に身に付けられるといえるだろう。先生方が日常的に使用しているOSであれば、児童生徒に提供する際のハードルも低く感じられるかもしれない。

急な変化に対応するには、ミニマムスタートが鍵



 昨今、新型コロナウイルスの影響から、教職員の働き方、そして子どもたちの学び方に大きな変化が生じている。教育の質的な向上を目的とした教職員の働き方改革が進む只中で、環境整備の進捗いかんにかかわらず、外的要因によって急な変化を余儀なくされた学校現場も多いだろう。データ持ち出しによるリスクに怯えたり、教職員同士や生徒とのコミュニケーションの不便さに戸惑ったりしていないだろうか。

 Office 365 Educationは、それらの課題を解決するツールのひとつだ。教職員や子どもたちひとりひとりに固有のユーザーIDが付与でき、そのIDを使ってネットワークにアクセスするため、どこにいても教育活動を行うことができる。もちろんUSBなどで物理的にデータを持ち出す必要もなく、自分自身のIDでログインすればクラウド上に保存してあるデータにアクセス可能だ。ファイルの共有機能を利用すれば、遠隔でユーザー同士が協働編集でき、授業準備を複数の教職員で同時に行うことも、自宅にいる子どもたちが遠隔でグループワークをすることもできる。

教育現場、教職員の活用が重要
教育現場、教職員の活用が重要

 Microsoft Teamsを活用すれば、従来行われてきた職員会議や学校間の協議、教育委員会での話し合いなども、遠隔での開催が可能になり、会議・連絡・報告に伴う移動時間の削減とタイムリーなコミュニケーションが実現する。

 Microsoft Teamsを教育現場におけるコミュニケーション・ハブと考えれば、その用途はさらに増えていくだろう。各ユーザーに付与されたIDごとに、紐付けるグループを設定すれば、クラス、班、部活など分化された複数のグループでのコミュニケーションも可能だ。課題のグループワーク、講義形式の遠隔での授業、全体連絡やホームルーム、個人面談など、それぞれの場面に応じてグループチャットと個別チャットを使い分けることで、円滑な教育活動を行える。

 さらに教育機関限定の無料で利用できるOffice 365 A1には、Microsoft Teamsのほかに、Microsoft PowerPoint、Microsoft Wordをはじめとする資料作成ツール、成績の集計や表計算に使用できるMicrosoft Excel、小テストやアンケートを作成・実施できるMicrosoft Forms、動画共有ツールMicrosoft Stream、各ファイルを格納しておけるクラウドMicrosoft OneDriveも含まれる。

 学校からの端末支給がない、家庭に子ども専用のパソコンがない状況も大いにありうる。Office 365はパソコンはもちろん、スマホやタブレットのWebブラウザからでもアクセスすることができるため、子ども専用のパソコンを準備せずとも、IDさえあれば家庭にある既存のデバイスから安心して利用できるのだ。Office 365 A1は、自治体・学校・家庭いずれにも費用面の負担なく、手軽に導入できるのが魅力だ。

マイクロソフトが考える「未来を見据えたスキル」とは



 施策にそって急遽導入したのは良いが、長期継続的な活用は難しいというもったいない状況は避けたい。ここまでは、WindowsやOfficeを導入することで、今すぐにどのようなメリットがあるかを検証してきた。次は、もう少し長い目でみて、WindowsやOfficeによって習得できるスキルについて考えたい。子どもたちが生きていく未来には、何が求められるようになるのだろうか。

 2018年、日本マイクロソフトは「マイクロソフト教育ICTリサーチ2018」を公表した。その中で、子どもたちが21世紀の国際競争社会を生き抜いていく力を「Future-ready skills(フューチャー レディ スキルズ)」と定義し、下記の6つのスキルを示している。

フューチャー レディ スキルズ
2018年に公表された「Future-ready skills」

Communication(議論しあう力)
Collaboration(協働しあう力)
Critical Thinking(疑問を逃さない思考性)
Creativity(創造性)
Curiosity(好奇心)
Computational Thinking(計算論的思考)

 戸田東小学校で行われている事例を紹介したい。小学5年生の国語の時間では、インプットにMicrosoft OneNoteで作成したクラスノートブック、アウトプットにMicrosoft Teamsを用いながら、子どもたちが自分の経験や考えをまとめ、他者との対話を重ねた上で、さらにチームの意見をまとめる「協働学習」が行われている。先述のFuture-ready skillsに照らせば、コミュニケーションやコラボレーションを養う授業展開であり、子どもたちの主体的で対話的な深い学びが実現できていると言えよう。

自ら課題を発見し解決していく力へ
自ら課題を発見し解決していく力へ

 こうした学習スタイルを通じて、子どもたちは自分たちで課題を発見し、他者との対話を重ねて気付きを得て、問題を解決する力をつけていく。重要なことは、デバイスやアプリケーションは、自分の考えを整理し、意見交換や問題解決を行うためのツールだということ。これらのツールを活用することで、主体はあくまで「子どもたち」であるということに立ち戻ることができ、先生の講義を聞くだけではなく、子どもたち自身が内省する過程を経て深く考えるきっかけを作り出すことができる。

さらに創造性の養成へ



 幼いころからスマートフォンが身の回りにあるデジタルネイティブの子どもたちは、キーボードを使わずに直感的な操作で「遊ぶように学び」に入っていく。絵や音楽を楽しんだり創作したりすることはもちろん、キーボードがなくてもデジタルペンやタッチパネルを駆使して、デジタルノートの植物の写真にコメントを書き込んで観察記録を友だちと共有、簡単な動画の撮影や編集もあっという間にこなす。GIGAスクール対応PCの標準仕様となっているタッチパネルやインカメラ・アウトカメラは、子どもたちが独自の表現を用いながら、創造的な活動に熱中するための大きな役割を果たすだろう。

タッチパネルにデジタルペンで表現していく子どもたち
タッチパネルにデジタルペンで表現していく子どもたち


 Future-ready skillsのひとつである創造性の養成は、世界的にもこれからの教育の焦点と言える。コンピュータを通じて、自分あるいは仲間とともにアイデアを表現し、発見した課題を解決できる楽しさや面白さを学ぶことは、創造性を養う近道だろう。

社会人の基本スキルとしてのWindows



 2013年、米国におけるとある調査によると「ビジネスや社会で求められるスキル」の第3位に「Microsoft Office」、第11位に「Microsoft PowerPoint」、第13位に「Microsoft Word」と、Microsoft Office関連製品がランクインしている(IDC Study Skills Whitepaper, 2013)。世界的なシェア率の高さからも、Word、Excel、PowerPointといったOfficeアプリケーションを使いこなすことは、今や社会人に求められる必須のスキルだ。

 とは言え、Windowsは機能向上のため、常にアップデートを繰り返している。とりわけ、従来よりもインターネット接続下における操作性が向上している。たとえば、OneDriveなどのクラウド環境が整備されたことで、個人作業のみならず、複数人との共同編集などの点で利便性が向上した。さらに2017年に正式リリースされたMicrosoft Teamsも、今やコミュニケーション・コラボレーションのプラットフォームとして想像以上の教育的な価値を生み出す可能性を秘めている。最新のツールに関する情報をキャッチアップし、そのツールに慣れ、自らのワークスタイルに応じて使いこなすことそのものも、社会人にとって重要なスキルと言える。

 すでにWindowsやOfficeは、そのシェア率のから世界にとって重要な「インフラ」ともいえるかもしれない。さらに、これらを整備しておくことは次世代を担う人材育成の基盤を整える作業ともいえよう。ICTの活用に立ち遅れたといわれる日本の教育現場だが、今回のコロナ禍、GIGAスクール構想、そしてさらにその先へ続く変革をマイクロソフトが担ってくれることを期待せずにはいられない。

マイクロソフト GIGA スクールパッケージ

《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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