リスタートと記したのは、この「つくばラジコンパーク」の土地にはもともとラジコン専用サーキット「谷田部アリーナ」があったから。谷田部アリーナ時代は、世界選手権や全日本選手権など、数々のビッグレースが行われてきた“ラジコンヘビーマニアの聖地”だった。
そんな谷田部サーキットを刷新。本屋サーキットのリニューアルし「アリーナ棟」に、その北側には新建屋「ランド棟」と新本社屋を増築し、南側には「オフロード棟」を新設。4棟が連なるRCテーマパークへと進化させた。
◆ヨコモ本社屋もパーク内に新設移転
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ドリフトコースや国際競技クラスのオンロードコースを配置する既存のアリーナ棟は、観戦スペースやカフェ・物販エリアも併設。物販エリアは、競合のタミヤや京商のパーツも充実させ、さらに在庫する希少な絶版モノやなつかしいパッケージやパーツなどがずらっと並ぶ。
新設エリアの目玉のひとつ、ランド棟(つくばラジコンランド)は、レンタルラジコン専用施設。初心者やファミリー・グループむけプレイエリアで、触れるラジコンもいろいろ。オンロードコースのレーシングカーをはじめ、オフロード、クローラー、戦車、建機、フリーコースと選べて、レンタル料金は最初30分1000円、以後15分ごと500円。時間内で何台でも自由に交換できるから、レーシングカーのあと重機、戦車と“RCハシゴ”できる。
◆ラジコン初心者もめいっぱい遊べる、カフェもある
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ちょっと休憩、となればアリーナ棟へ。2階にあるカフェでランチもいいし、テラスに出てスイーツやアイスコーヒーいい。もちろんアリーナ棟の1階に行けば、世界選手権や全日本選手権が繰り広げられた世界トップクラスのサーキットを走るラジコンヘビーマニアのマシンも間近にみられる。
ヨコモは今回の「つくばラジコンパーク」始動を機に、商品ラインナップも大幅刷新する構え。9月5日のオープンイベントに登壇したヨコモ 鈴木茂樹 代表取締役社長は、「年齢・性別・経験などを問わないラジコンの世界に、こうした『つくばラジコンパーク』のような場を提供することで、自分たちで工夫し、みんなでマナーを共有し、人との関わりを深めてほしい」と語る。
◆初心者むけ商品の拡充や組み立て教室も
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「また組み立て完了まで10時間かかるハイエンドタイプのラジコンから、1時間で組み上げるような初心者むけ商品など、ラインナップを拡充させたい。マンツーマンのレッスンでマシンの組み立て、チェック・セッティング指導、コントロールスキルを高めるドライビングアドバイスなどを2~3時間で行う『ラジコンアカデミードリフト教室』も新設し、10月から展開する」(鈴木社長)
また、初日イベントに参加した、つくば市 五十嵐立春 市長も、「つくば市に本社を移してくれたヨコモに感謝。4人の子を持つ父親としても、こうした場ができたことをすごくうれしく思う。エデュテイメントの拠点として、世界に発信したい」と期待を込めた。
◆ヨコモがエントリーむけ商品開発、マーケットの裾野を広げる
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「国内のラジコンは、タミヤの電動RCカーから入って、マニア化すると京商やヨコモに手を出してくれる。ヨコモはそういう小さなマーケットのなかにいた。かつてのラジコンブームが去り、ミニ四駆ブームがくると、ミニ四駆から『操作したい』というユーザがタミヤ電動RCカーへと移った。今後は、ヨコモも入門者むけパッケージを続々と登場させ、ラジコンへの入り口を自ら広げていきたい」