毎年多くの入学希望者を集める都内の人気校、広尾学園中学校・高等学校では、2020年度の授業が始まる4月15日から、全校生徒1,700名が参加するオンライン授業を開始した。初日も朝8時25分の朝礼から始まり、1時間目から6時間目まで時間割どおり、滞りなく授業が行われたとのこと。教育ICT活用にいち早く取り組んだ広尾学園だからこそ成せたことだろう。
とは言え、教育ICT化そしてコロナ禍でのオンライン学習の浸透により、子どもたちの身体の負担も少なからずある。教育ICT先進校では生徒に対し、どのようなサポートやアドバイスを行っているのか。広尾学園中学校・高等学校 保健室の養護教諭に話を聞いた。
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--先生は広尾学園に着任して11年経つそうですね。
はい、広尾学園が共学化して3年目の年に着任しました。養護教諭としての経歴も11年になります。
--昨今の中⾼⽣の視⼒事情について教えてください。
本校生徒をはじめ、最近の中高生の目に関しては、以前にも増して視力低下が問題視されています。一概にデジタルデバイスの教育活用だけが原因ではないと思いますが、現に健康診断の結果、眼科受診を勧める生徒は増えています。また入学時点で眼鏡をかけている生徒も年々増えているように感じます。
オンライン授業期間、特に目のケアに注力
--⽣徒の皆さんから⽬に関する相談を受けることはありますか。
例年ですと目に関する相談はあまりありません。今年に関してはオンライン授業を行っていたこともあり「頭痛がひどい」などの訴えがあった際には、眼精疲労も疑ってアドバイスするようにしています。
--養護教諭として、デジタルデバイスを使った学習時間をはじめ⼦どもたちのスクリーンタイムが増えることに、どのような思いを抱かれていますか。
やはり身体への影響を考えると心配になるのは正直なところです。きっと保護者の方も同じ思いなのではないでしょうか。でも時流や、デジタルデバイスを活用しながら熱心に勉強に取り組む生徒の姿を見ていると、使用を禁止するのは違うと思っています。デジタルデバイスとの上手な付き合い方を身に付けてほしいと思います。
--⽇頃、近視予防やアイケアについて⽣徒の皆さんにお話されていることはありますか。
コロナ感染防止対策としてオンライン授業を開始してから、1か月ほど過ぎた今年5月に「ほけんだより特別号」を発行し「オンライン学習による目の疲れ」をテーマにしました。それから半年以上が過ぎた今でさえ、まだコロナ感染者数は収まりません。こういった長期化を予想し、しばらく続くであろうオンライン授業に、集中して効率良く取り組めるようなアドバイスを配信しました。
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大きな画面でも防げない目の疲れ…その原因は
--普段からスマホやPCには接していても、まさかこれほどの長時間子どもたちが画面に向き合う機会は今までなかったように思います。
そうですね。今一度デジタルデバイスが身体に与える影響を考えてほしかったので、画面が小さなスマホやタブレットと、少し大きなPCとの違いについて解説しました。画面が小さく手元で操作するスマホやタブレットは、知らず知らずのうちに顔が画面に近付いてしまいがちです。
本校の医進・サイエンスコースではChromebookを、インターナショナルコースではMacBook Proを1人1台持ち、学習に活用しています。ノートPCはスマホ・タブレットに比べ、身体への負荷は減ります。ただどうしても画面から発せられるブルーライトや画面のチラつきは防ぐことができないため、その点でケアが必要です。
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--ブルーライトは網膜まで達するほど強い光だと言われていますね。日光にも含まれていて体内時間をコントロールしてくれる役目がある一方で、あまり浴びすぎると自律神経が乱れる原因になると聞きます。
まさにそのとおりです。また、デジタルデバイスの画面の光は散乱しやすく、そのせいで画面がチラついて見えます。そのチラつきに対応するために目は頻繁にピントを合わせなくてはならず、眼精疲労につながります。
5月号のほけんだよりではチェックシートを掲載し、生徒ひとりひとりに目の疲れを自覚してもらうようにしました。
どれくらい目が疲れているかチェックしてみよう!
◆画面を見ているとき
□ 目を細めている
□ 眉間にしわを寄せて画面を見ている
□ 画面との距離がどんどん近くなっている
□ 目が乾く
□ 目の奥が痛む
□ 気が付くと、まばたきせずにじっと画面を見ている
□ 頭痛や肩こり、吐き気がする
◆その他
□ 猫背、机と顔の距離が近い
□ 部屋の照明が明るすぎるまたは暗すぎる
□ 横目で物を見たり首を傾けて見る癖がある
「はい」の数が…
8~10個の人は疲れ目度大!かなり疲れていますよ。きちんと対策しましょう。
4~7個の人は疲れ目度中!少し疲れ気味。ケアも忘れずに。
0~3個の人は疲れ目度小!疲れはそれほどでもありませんが、油断は禁物。
--部屋の照明も目の疲れに影響があるのですね。
はい、そうなのです。画面を長く見続けることはできる限り避けてほしいと思いつつ、オンライン授業やデジタルデバイスを使った学びが主流となっている今、なかなかこまめに休憩を取るのは難しいのではないでしょうか。
そのためにもまずは環境を整えてほしいと生徒に伝えています。照明の明るさや、目の乾きに影響するエアコンの風向きには注意してほしいですし、現在ブルーライトを防ぐためのツールが多数販売されているので、そういったものを活用してほしいですね。
アイケアのツールを使って環境を整えよう
--なるほど。たとえばどのようなものがありますか。
市販の点眼薬やブルーライトカットの眼鏡、画面に貼るフィルム、そして外付けのモニターがあります。私も使用していますが、実感として目の疲れがかなり軽減されたように思います。使ったことがないという人は試してみてほしいです。
--本インタビューにあたって、先生にはBenQが開発したアイケアモニター「GW2480T」を1週間ほど使っていただきました。使用した感想はいかがですか。
フリッカーフリー機能によるチラつきの軽減とブルーライトカット機能のおかげか、長時間の作業でも目が疲れにくい印象を受けます。非光沢液晶で画面への写りこみが少ないのも目が疲れにくい理由かもしれません。
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またアイケアモニターのブルーライト軽減機能は、あらかじめ「マルチメディア」「ウェブサーフィン」「オフィス」「閲覧」の4パターンが設定されていて、PCを使っての作業内容や閲覧したいコンテンツによって選ぶことができます。従来のブルーライトカットのモニターは、色味が実際と違って見えることが多いですが、コンテンツに合わせて適切に軽減機能が調整されていて、違和感のない色味に見えるのが良いと感じました。
--来春御校への⼊学を⽬指している受験⽣も、オンライン教材や塾を活⽤して受験勉強に取り組まれていると思います。そんな受験⽣やその保護者へ、メッセージをお願いいたします。
受験勉強も大切ですが、心身の健康の維持も大切です。無理せず頑張ってください。
--ありがとうございました。
今回広尾学園中学校・高等学校では、アイケアモニター「GW2480T」を体験していただいた。先生も効果を実感したというブルーライト軽減機能、フリッカーフリー機能のほか、周囲光を感知して画面の明るさを自動調整する輝度調整機能B.I.など、目に優しい機能を多数搭載している。つい集中しがちなオンライン学習やテレワークのPC作業でも、モニター自体が自動調整し、自然と目を守ってくれるのは非常にありがたい。
広尾学園中学校・高等学校はオンライン授業を開始してから1か月後に生徒を対象にアンケートを行ったという。その結果、オンライン授業に関して「満足」との回答が大半だったとのこと。先んじて教育ICT化を進めていたからこそ、新しい生活様式にスムーズに適応できたと言える。
それに並行して養護教諭をはじめとして生徒の健康をサポートする仕組みを整えることも忘れていない。広尾学園中学校・高等学校では、オンライン授業期間中、Web上に相談フォームを開設した。生徒だけでなく、自宅で生徒のようすを間近に見ている保護者からの相談にも応じたという。
生徒がのめり込むような魅力的なオンライン授業を実施する一方で、生徒の目のケアを継続的に行うことがwith/afterコロナの教育現場には求められているのではないだろうか。
24インチ:GW2480T
27インチ:GW2780T