「熱中症警戒アラート」4/28から全国で運用開始

 環境省と気象庁は2021年4月28日、熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート」を全国で運用開始する。熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、暑さの「気づき」を呼び掛ける。

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熱中症警戒アラートについて
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 環境省と気象庁は2021年4月28日、熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート」を全国で運用開始する。熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、暑さの「気づき」を呼び掛ける。

 近年、熱中症搬送者数が著しい増加傾向にあることから、どのように情報を発信し、国民の効果的な予防行動につなげるかが課題となっている。環境省と気象庁は、有識者による検討会を開催し、2020年(令和2年)夏に、暑さ指数(WBGT)に基づき、熱中症の危険性が極めて高い暑熱環境が予測される場合に、国民の熱中症予防行動を効果的に促す「熱中症警戒アラート(試行)」を関東甲信地方で先行的に実施。検証結果等を踏まえて、2021年度(令和3年度)から全国で運用を開始する。

 「熱中症警戒アラート」は、全国を58に分けた府県予報区等を単位(北海道、鹿児島県、沖縄県は細分化)とする。対象地域内で暑さ指数(WBGT)が33以上と予測した場合に発表する。発表のタイミングは、前日の午後5時および当日の午前5時に最新の予測値をもとに発表。暑さ指数(WBGT)は、気温、湿度、輻射熱(日差し等)からなる熱中症の危険性を示す指標。

 熱中症警戒アラートの情報は、メールで配信するサービスを無料で利用できる。受信したい発表区域を選択して、いくつでも登録できる。1日2回、登録した区域で熱中症警戒アラートが発表されたとき、速やかにメールで通知。暑さ指数の予測値や予想最高気温の値だけでなく、具体的に取るべき熱中症予防行動も含まれている。登録は環境省の「熱中症予防情報サイト」のリンクやQRコードを利用して、サイトにアクセス。空メールを送信すると、登録用のURLが記載されたメールが届く。URLをクリックして、登録サイトへ進み、登録情報を入力する。

 熱中症警戒アラートの提供期間は、毎年4月第4水曜日から10月第4水曜日。2021年度は、4月28日午後5時から10月27日午前5時発表分まで提供する。なお、政府は2021年年3月25日に策定した「熱中症対策行動計画」において、中期的な目標として熱中症による死亡者数ゼロに向けて、できる限り早期に死亡者数年1,000人以下を目指し、顕著な減少傾向に転じさせる。2021年度夏は、「熱中症警戒アラート」などに基づき、国民、事業所、関係団体等による適切な熱中症予防行動の定着を目指す。

《田中志実》

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