憲法前文「読んだことある」4割…日本財団18歳意識調査

 日本財団は2021年5月21日、憲法前文をテーマに37回目となる「18歳意識調査」の結果を発表した。憲法前文を「読んだ」あるいは「読んだ記憶がある」との回答は4割。読んだ時期は「中学生のとき」が55.9%ともっとも多かった。

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これまでに憲法前文を読んだ経験
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 日本財団は2021年5月21日、憲法前文をテーマに37回目となる「18歳意識調査」の結果を発表した。憲法前文を「読んだ」あるいは「読んだ記憶がある」との回答は4割。読んだ時期は「中学生のとき」が55.9%ともっとも多かった。

 18歳意識調査は、全国の17歳~19歳の男女1,000人を対象に継続的に実施している。37回目となる今回は「憲法前文」をテーマとし、憲法改正論議が続く中、次世代を担う若者のうち、どの程度が前文を読み、どう受け止めているかを聞いた。実施期間は4月15日~19日。

 「これまでに憲法前文を読んだ、あるいは読んだ記憶があるか」との質問に「ある」と答えたのは40.1%。「ない」は40.1%、「覚えていない」は19.8%であった。憲法前文を読んだ経験がある人を対象に読んだ時期を尋ねた結果は、「中学生」が55.9%ともっとも多く、「高校生」28.9%、「小学生」13.2%と続いた。

 全員に憲法前文の内容について「読んでみて、その内容がわかったか」を尋ねたところ、「よくわかった」9.5%、「なんとなくわかった」54.2%と、63.7%の人が「わかった」と答えた。「前文の文章はわかりやすかったか、それとも難解だったか」との質問には、48.6%が「わかりにくかった」、34.4%が「わからない点がある」と回答。「わかりやすかった」は17.0%にとどまった。

 自由回答では、わかりにくかった理由として「言い回しが難しい」「文章が長すぎる」という指摘が目立った。憲法の「三原則」について「読み取れた」との回答は「国民主権」78.9%、「基本的人権の尊重」74.3%、「平和主義」78.6%。「基本的人権の尊重」の言葉を前文に明記すべきかについては、「必要である」42.9%、「わからない」34.8%、「第11条に明記されており必要ない」22.3%であった。

 憲法前文は手直しが必要かについては、40.3%が「前文はあくまで理想の宣言であり、このままでよい」、39.9%が「わからない」、19.8%が「厳しい現実を踏まえ改正すべきだ」とした。憲法前文にわが国固有の価値としての歴史・伝統・文化等を明記すべきかについては、「わからない」という回答が41.8%ともっとも多く、「必要である」31.1%、「必要ない」27.1%だった。

《奥山直美》

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