ルネサンス高校×トライ式でWサポート「個別授業コース」は大学進学の新ルート

 近年、進路選択先のひとつとして通信制高校の注目が高まっている。ルネサンス大阪高等学校の倉津高典先生とトライ式高等学院 教務本部部長の木村隆広先生に、提携の背景や大学進学のためのサポートの特徴、子供と保護者への進路選択のアドバイスを聞いた。

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トライ式高等学院での授業風景
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 近年、進路選択先のひとつとして通信制高校の注目が高まっている。将来の目標を見据えて、自分の時間を生かしながら通信制高校からの大学進学を実現する生徒も増えている。

 ルネサンス大阪高等学校の倉津高典先生とトライ式高等学院 教務本部部長の木村隆広先生に、ルネサンス高校グループとトライ式高等学院が提携した背景や大学進学のためのサポートの特徴、子供たちや保護者への進路選択のアドバイスを聞いた。

ルネサンス大阪高校とトライ式高等学院は隣同士



--ルネサンス大阪高校とトライ式高等学院の提携のきっかけを教えてください。

木村先生:トライ式高等学院は2010年の2月に開校しましたが、開校当初はルネサンス高校ではない、他の通信制高校と提携していました。通信制高校のサポート校として徐々に全国にキャンパスが広がり、この大阪の梅田にキャンパスを構えるときに、ルネサンス大阪高校が隣だったご縁もあって、お互いに良い関係を築いていきたいという思いが重なりました。

倉津先生:2014年にルネサンス大阪高校を開校し、2017年10月からトライ式高等学院がサポート校という形で連携がスタートしました。ルネサンス大阪高校は大学進学を希望する生徒が多く、トライ式高等学院の強みである大学進学指導と組み合わせることによってWin-Winの関係になりました。

【各学校・サービスの目的と特徴】

通信制高校



目的:通信教育による高校卒業資格の取得

サービス概要:おもに通信教材とスクーリングによって学習。最低74単位の修得、3年以上の在籍期間をクリアすると高校卒業資格が得られる。管轄は文部科学省

対象者・年齢:中学卒業程度の学力を有する者、15歳以上すべてが対象、年齢の上限なし

得られる資格:高校卒業資格

サポート校



目的:通信制高校に在籍する生徒の学習支援

サービス概要:通信制高校での学習を支援し、高校卒業資格の取得まで導く塾的な役割を担う

対象者・年齢:通信制高校と同様

得られる資格:特になし



--トライ式高等学院と連携している「個別授業コース」の授業の特徴を教えてください。

倉津先生:高校在学中から芸能や美容、英会話、会計士・税理士などの専門的な勉強を通常カリキュラムと並行して学べるのが「ダブルスクールコース」で、その中の「個別授業コース」が、トライ式高等学院のメソッドによる個別授業との相乗効果で高校卒業、大学受験を目指すコースです。

木村先生:トライは「すべての生徒の夢や目標をかなえる」という理念のもと、大学進学、専門学校、就職まで、ひとりひとりの夢の実現に向けて個別に学習内容を決めています。中でも大学受験を目指す生徒が多いため、ルネサンス高校でのレポートやスクーリングの学習に加えて受験勉強に取り組む生徒が少なくありません。個別授業では国語や数学、英語などの科目の学力向上はもちろん、近年の大学入試の変化から入試で優位要件となる英検取得やプログラミングなどの講座も用意しています。

--生徒は通学しているのでしょうか。

木村先生:校舎に通うことは必須ではありません。体調面やメンタル面で通うことが難しい生徒の場合は、在宅コースやオンラインコースで学ぶことができます。また、通うことができる生徒ならば通学して個別授業を受けるケースが多いです。通うことが難しい生徒の中には、オンラインならば大丈夫というケースもあります。通信制高校を卒業して大学進学後に、自立し、社会で活躍できるようにすることが私たちの目標です。生徒ひとりひとりに寄り添いながら、オンライン授業に慣れてきたら徐々に校舎に通えるようサポートしています。

 プログラミング講座では、プログラマー1人に対して全国各地の生徒がグループでホームページ作りに取り組むなど、1対6という小集団で行う授業もあります。また、ホテルに150人が集まって合宿を行い、推薦入試の面接対策等を実施することもあります。オンライン、対面、訪問、多人数等、授業の目的や生徒のニーズに合わせ臨機応変に対応しています。

子供たちひとりひとりにある鍵を見つける



--「個別授業コース」での生徒のようすを教えてください。

倉津先生:2021年の7月現在で254名が在籍していますが、通う頻度は少ないので、LINEによるコミュニケーションが中心です。通っている生徒の中には、受験勉強や進路相談にはトライ式高等学院に行き、学生生活などの相談は隣のルネサンス大阪高校の担任の先生のところへ行く、というケースもあります。生徒本人が適宜相談しやすい先生とコミュニケーションを取りながら過ごしています。

 大人数の教室に入るのが苦手で、ルネサンス大阪高校のスクーリングも困難で、私が個別で学習指導をしていた高3生の生徒のケースなのですが、昨年、3年分の教科を少しずつ進めながら、徐々にルネサンス高校のスクーリングにも参加して、トライ式高等学院のサポートを受けられるようになり、大学進学を目指して1年間学習した結果、最終的に通信制の大学に進学することができました。こうしたケースは、やはりルネサンス大阪高校での経験とトライ式高等学院による進学サポートの両方の良いところがうまくマッチした例だと思います。

ルネサンス大阪高等学校 倉津高典先生
ルネサンス大阪高等学校 倉津高典先生

木村先生:かつて不登校を経験した生徒たちはさまざまな事情を抱えています。前の学校で人間関係が上手くいかなかったり、ご家庭での問題や親子関係などが原因で気力が落ちていたり、コミュニケーションが苦手な生徒もいます。そうしたひとりひとりの状況にしっかりと寄り添いながら、生徒と信頼関係を築いていくことが大切です。

 私たちは、個別授業だからこそ見える生徒たちひとりひとりの小さな変化、一歩一歩の前進を見逃さず、それらを承認します。承認の積み重ねにより生徒たちは自己肯定感を高め、目標を明確にもち、その目標に向けて意欲的に取り組むようになっていきます。

通信制高校と個別授業、双方の強みを生かした大学入試対策



--大学進学を目指す際に必要な準備を教えてください。

木村先生:大学入試は大きく変化してきています。学力試験による一般入試と総合型選抜や学校推薦型選抜によるいわゆる推薦入試の割合はほぼ半々というのが現状です。生徒がどんな将来を描くのか、どういう大学に行くべきか、どこの大学に行くかによって必要な準備はかなり多様化・複雑化しています。

 私たちは一般入試と推薦入試のどちらでも合格できるよう準備しています。総合型選抜・学校推薦型選抜においては自身の特徴や学校時代に取り組んだことを記載することが求められます。トライ式高等学院では、学校行事や課外授業、SDGsなどの社会課題についての研究会などの機会も創出して、多くの生徒が参加できるようにしています。

 また、将来どうしたいか、何のために大学に行くのか、そのためにどんな努力をしてきたのかといったことを、自分の意思で、自分の言葉で話せるように生徒ととことん向き合っています。

 総合型選抜や学校推薦型選抜も倍率が高く、受ければ合格するわけではありません。学力も今後はより一層、問われるでしょう。そして推薦入試の枠が増えた分、一般入試の枠は減るので、一般入試の難易度は上がっています。たとえば、関西大や関西学院の合格最低点は5~10%ほど上昇しました。総合型選抜や学校推薦型選抜と一般入試の対策を両輪で進めていくことが非常に重要になっていきます。

トライ式高等学院 教務本部部長の木村隆広先生
トライ式高等学院 教務本部部長の木村隆広先生

--受験に備えて心構えも大切になっていきますね。

木村先生:最近の全体的な傾向として、中学3年時の高校受験の志望校選びの時点で、不登校ではないものの将来の大学受験を見据えて、全日制高校よりも通信制高校を選ぶという生徒も増えてきています。

  一方で、不登校だった生徒たちは、心身のコンディションが悪く朝起きることができない生徒や1年以上学校に行っていない生徒の場合、当学院への面談の際に、生徒自身も親御さんも「もう大学進学は難しいのではないか」と思われているケースがあります。しかしながら「通信制高校ならば逆転できる」と私たちは考え、一緒に目標と目標に到達するために必要なカリキュラムを決めサポートした結果、合格実績に繋がっています。

利便性と費用がメリット



--生徒や保護者からはどのような声がありますか。

木村先生:通信制高校と個別授業の掛け合わせは有効だという声を保護者の方からいただいています。最初は自宅学習から始めて、徐々に学校に行けるサポートがあることは大きいという声もあります。家から出ることがまったくできない生徒の場合、通学型を前提とする学校はやはり難しい。ルネサンス高校グループは提携しているサポート校が多く、自宅でも勉強できる環境を整えているので安心だと思います。また、ルネサンス大阪高校は大阪府と大阪市の認可を受けた高校で、大阪在住であれば私立高校と同じ補助金があるので費用面でとても助かっているという声も聞きます。

倉津先生:転校を希望される方で同級生と同じタイミングで卒業できますかと相談されることがあります。前に在籍していた高校で単位を落として留年になったり、あるいは進級できないと宣告されたため転校してくる生徒もいます。ルネサンス高校は単位制で、高校の在籍期間と修得済みの単位を引き継ぐことができます。同級生と同じタイミングでの卒業をあきらめかけていたご家庭も、ルネサンス高校ならば卒業できる、と考えていただけるようです。

 またトライ式高等学院との提携で、高校卒業と大学受験を目指せるので、ここでもう一度チャレンジしようという気持ちになっていく生徒もいます。トライ式高等学院はCMでの認知度も高く、生徒がかなり前向きな気持ちで入学してきていると感じます。保護者の中には、本校が梅田にあるので、スクーリングで宿泊をしなくても良く、利便性やコストメリットを感じている方もいます。

勉強に励む生徒たちのようす
勉強に励む生徒たちのようす

通信制高校のイメージは「ポジティブな選択」に大きく進化



--通信制高校の注目度が高まっていますが、どのようなことが期待されていると思いますか。

倉津先生:保護者の中には、通信制高校を仕方なく選択したと考える場合もあると思いますが、通信制高校には全国でおよそ20万人以上もの生徒が在籍していますし、その進路選択はポジティブな面も多いです。ルネサンス高校は本当に自分の好きなことができる学校で、芸能活動やスポーツ等に取り組む生徒も数多く在籍しています。そしてトライ式高等学院との提携では、通信制高校から大学への進学実績も期待されていると思います。

木村先生:通信制高校のイメージは大きく変わり、この夏にも中学3年生から大変多くのご相談をいただいています。「生徒たちの夢や目標は必ず叶う」という理念を私たちはもち続けています。

 特にここ数年は、通信制高校とその生徒の数もどんどん増えています。ポジティブな理由で通信制を選ぶ方が増えたと感じています。通信制高校が一堂に会した相談会では、出展する学校や来場者も2倍近くになり、それだけ興味をもたれている方が増えていることが実感できます。そして保護者の間にも大学の推薦入試などの多様な入試方法が浸透してきていることもあり、どのような準備が必要なのかを理解している方が増えています。画一的な教育よりも多様化した教育が、これからの大学受験に必要だと考えているんですね。それはとても大きな変化です。

倉津先生:生徒が自分で高校を探すことが増えましたよね。通信制高校の存在も知れ渡っているので、生徒自身が転校にもポジティブだったり、再チャレンジの場として捉えていたりします。今もオープンキャンパスがはじまっていますが、生徒だけで来校するケースもありますし、子供の意見を尊重しようと一緒に来校する保護者も増えています。

--夏休み明けになかなか学校に行けない子供たちもいます。進路に不安をもち、悩んでいる子供たちとその保護者にメッセージをお願いします。

木村先生:高校生の場合、受験して頑張って入ったけれど、何らかの理由で通うことができない、うまくいかない状況に苦しみ、何とかしなければと1人で責任を背負っている生徒もいるかもしれません。ですが、その学校の環境がすべてではありません。将来を切り拓くための手段は他にもたくさんあります。特に生徒本人が親の期待を裏切ってしまうと思い込んでいるケースも多く、選択肢を自らシャットアウトする場合もありますが、ポジティブな進路変更・選択がありますので、通信制高校や高卒認定などのさまざまな手段をまず知っていただきたいと思います。

トライ式高等学院 梅田キャンパス 大阪和歌山エリア長 久住和浩氏(左)とルネサンス大阪高等学校 倉津高典先生(右)
トライ式高等学院 梅田キャンパス 大阪和歌山エリア長 久住和浩氏(左)とルネサンス大阪高等学校 倉津高典先生(右)

倉津先生:夏休み中にいろいろと考え込み、ときにはネガティブな考えに陥ることもあると思いますが、必ずしも今の学校で頑張って通い続けることだけが正解ではありません。悩んでいる高校生は転校がベストなのか、今の学校でもう少し頑張ってみるのがベストなのかをゆっくり考えてほしい。高校生も中学生も、やはり将来、自分がどうなりたいのか、何になりたいのかに照準を合わせて考えてほしいです。保護者の方には通信制高校に対してフラットな目で見ていただき、お子さまと相談していく中で、お子さまの気持ちを考えながらしっかりと見極めてもらいたいです。ぜひいろいろな学校を訪問して比べてみてください。

--ありがとうございました。

 進路選択、受験、進学後…各家庭が抱える悩みはさまざまだが、保護者の共通した願いは我が子の幸せだろう。お二人の話からは、保護者も生徒本人もまずはさまざまな選択肢を情報としてもつことが大切だと感じた。ルネサンス高校とトライ式高等学院のWサポートは、新たな大学進学のルートとして心強く、ポジティブな選択肢のひとつになるだろう。

ルネサンス高等学校

《佐久間武》

佐久間武

早稲田大学教育学部卒。金融・公共マーケティングやEdTech、電子書籍のプロデュースなどを経て、2016年より「ReseMom」で教育ライターとして取材、執筆。中学から大学までの学習相談をはじめ社会人向け教育研修等の教育関連企画のコンサルやコーディネーターとしても活動中。

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