矯正は早くするべき?12歳までに矯正治療を…歯科医師7割

 子供の歯科矯正治療について、7割以上の歯科医師が12歳までに矯正治療を始めるのがベストと考えていることが、吉祥寺セントラルクリニックが実施した調査から明らかになった。一方、小学生以下で矯正治療を受けている割合は1割にとどまっている。

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子供は小児矯正治療を受けているか(保護者回答)
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 子供の歯科矯正治療について、7割以上の歯科医師が12歳までに矯正治療を始めるのがベストと考えていることが、吉祥寺セントラルクリニックが実施した調査から明らかになった。一方、小学生以下で矯正治療を受けている割合は1割にとどまっている。

 吉祥寺セントラルクリニックは、小学生以下の子供を持つ保護者と歯科医師を対象に「小児矯正治療」に関する調査を実施。2021年8月20日から24日にかけてインターネット調査にて実施し、保護者578人、歯科医師503人、計1,081人の回答を得た。

 小学生以下の子供を持つ保護者を対象に、子供は小児矯正治療を受けているか質問したところ、「受けている」10.4%、「受けていた」2.9%と、受けた経験があるのは13.3%にとどまった。もっとも多かったのは「検討していない」62.3%。「検討しているが受けていない」は24.4%だった。

 各回答の理由について、「受けている」「受けていた」では、「出っ歯にみえる」「下の前歯の生え方が悪く受け口のようになっていた」「歯科検診にて歯並びの悪さを指摘された」等、見た目の悪さを気にするケースや歯並びの悪さを指摘されたことがきっかけとなるケースが多かった。「検討しているが受けていない」「検討していない」では、「どのタイミングで始めるのがいいかわからない」「歯並びは気になるが、まだ乳歯が多くて早いかなと思う」「知識がなく、不安。金額も高そう」等、まだ歯並びの良し悪しが判断できない、小児矯正治療の経験や知識がないため始めるタイミングがわからないといった意見があげられた。

 子供が矯正治療を受けるうえでのクリニック選びの基準については、「家から近い」55.8%がもっとも多く、ついで「技術力」40.3%、「矯正治療の実績」28.6%と続いた。子供が矯正治療を受けるうえで不安な(不安だった)点については、「矯正器具の装着への抵抗」47.6%、「治療時の痛みへの耐性」42.2%、「子供への説明」26.5%との回答が続いた。親が治療を必要だと考えていても、自覚のない小さな子供への説明や矯正器具を装着させることへの不安感が見てとれる。

 一方、歯科医師に対して、何歳ごろから矯正治療をすることがベストか尋ねたところ、「7歳~12歳」49.3%、「7歳未満」23.2%と続き、72.5%が12歳までに矯正治療を始めるべきと考えていることが明らかになった。それ以降は「13歳~15歳」19.6%、「20歳以上」4.1%、「16歳~19歳」3.8%となっている。

 12歳までに始めるべきと回答した歯科医師に、早い時期から矯正治療をした方がいいと考える理由を聞くと、「大人になってからだと矯正治療に時間がかかる」「早い時期の方が身体的負担が少ない」「骨格や歯茎の形成が未熟な方が効果も上がる」「あごの発達が始まる前が望ましい」と、早期の矯正治療で負荷を減らし、効果を高めることができると考える歯科医師が多いことがわかった。お勧めの治療方法は、「ワイヤー矯正」40.6%、「マウスピース矯正」32.4%となり、矯正治療の主流となっていた。

 一方で、小児矯正治療後、成長とともに歯並びが悪くなることはあるかとの問いには、「高い確率である」19.5%、「多少はある」61.2%となり、8割以上の歯科医師が小児矯正治療後に歯並びが悪くなる可能性を想定。原因として、「歯並びが悪くなった原因が改善されていない」42.4%、「歯間のスペースが原因で歯が移動する」39.7%、「クリニックで適切な治療が行われていない」27.8%、「保定装置を正しく装着していない」20.4%があげられ、早期に矯正治療を行っても、歯並びが悪くなってしまうリスクを完全になくすことは難しいようだ。

《畑山望》

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