「学外の年上の人との交流」子供たちの成長やキャリア観の育成に必要

 あしたの寺子屋は、子供の居場所の価値に関する調査をした。その結果、「学外の年上の人との交流」ができる子供の居場所は、中高生の自己肯定感や将来の意識に対して大きな影響を与えることが明らかになった。

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子供たちが将来の目標・興味分野をもつきっかけ
子供たちが将来の目標・興味分野をもつきっかけ 全 3 枚 拡大写真
 あしたの寺子屋は、子供の居場所の価値やニーズを明らかにするための調査をした。その結果、「学外の年上の人との交流」ができる子供の居場所は、中高生の自己肯定感や将来の意識に対して大きな影響を与える一方、そのような機会や場が十分に確保できていないということが明らかになった。

 「子供の体験・交流に関する保護者の意識調査」は2021年12月18日~19日、中高生の保護者121名(男性70名、女性51名)にインターネットにて行われた。(回答者121名のうち、人口5万人以下の地域在住者は21名)同調査では、過去に外部機関が実施したレポート「思春期の実態把握調査 結果報告書(マクロミル・カタリバ協働調査)」「高校生と地域が協働した地域ビジネスの創出(文部科学省)」に加え、独自のアンケート調査の結果をまとめた。

 子供たちが将来の目標や興味分野をもつきっかけとしては、「インターネット見て(29%)」「趣味の活動を通して(28%)」「親との会話(20%)」「テレビ番組を見て(20%)」等、多岐にわたっており分散傾向にあるが、インターネットや趣味等の自発的な行動からが多いことがわかった。

 「学外の年上の人との交流」について、「よく会って話す」と回答した人と「交流なし・いない」と回答した人とを比較すると、「よく会って話す」と回答した人は、自己肯定感や将来の夢や目標、興味のある分野があるかについて、すべての項目で「交流なし・いない」と回答した人を上回った。自発的な行動の中でも、「学外の年上の人との交流」が、中高生の自己肯定感や、将来の意識に対して大きな影響があることがわかる。

 文部科学省が過去に実施した、高校生が地元の課題を題材にビジネスを創るプロジェクト(SBP)の分析レポートによると、地域に信頼できる大人がいた高校生ほど、成長実感が高くなり、地域にある仕事について調べる機会があった生徒ほど、進路で「地域との繋がり(地元就職・Uターン)」に関する意欲が強まるという結果が得られている。

 しかし、「学外の年上の人との交流」の機会があると思うか尋ねたところ、「あると思う」「どちらかといえばあると思う」と答えた保護者は4割に満たなかった。

 このようなことから、「学外の年上の人との交流の機会」をつくり、地元への関心を深める、そのような子供たちの居場所が、「子供の教育」や「地域活性化」の両方の観点から、必要とされていることがわかる。

《木村 薫》

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