特色検査・共通問題 講評
(湘南ゼミナール 提供)
問題の概要
複数文の素早い読解力が求められる、英語・国語の文章題
昨年同様に大問2題の構成で、問1は英語で記述された複数の会話文、問2は日本語で記述されたの複数の説明文を題材にした出題であった。
問1は「日本からヨーロッパへの航路」をテーマにしたもので、昨年同様に複数の文章からの出題であった。また、(オ)には一方の会話文をまとめた発表原稿を材料にした内容把握の出題がなされた。
問2は「紙」をテーマにしたもので、文章は3つに分かれている。昨年は「物語文」からの出題があったが、今年は「説明文」のみからの出題となった。
設問の特徴
「科目横断」要素を含む出題
ページ数・問題数に関しては、問1・2ともに4ページ、5問ずつであり、昨年同様であった。
問1は、計算要素が含まれる問題、グラフ読み取りの問題、問2では、数学の座標を用いた問題、理科の光を題材にした出題がされるなど、科目を横断した総合的な理解力が求められた。これらの傾向も昨年同様であった。
課題と対策
時間を意識して文章題を解く
英語・国語としての設問の難易度は決して高くはないが、複数文による出題であるため、要領よく、素早く文章を読み取れるようにする対策が必要となる。一方で、「科目横断」であるため、英語・国語の力だけでは解けない出題に対応できるよう、他教科の力を向上させることも忘れてはならない。
特色検査・共通選択問題 講評
(湘南ゼミナール 提供)
問題の概要
多角的な思考を要するバラエティーのある出題
昨年同様に大問5種類で、このうち各校が2種類を選択する形となった。
問3は、先生と生徒の会話文の中から、英語・国語・社会・数学(算数)の要素を用いた思考力を問う出題がなされた。
問4は、「折り紙」、「カード当てゲーム」、「正八角柱の展開図」といったテーマを元にした、論理的思考力を問う出題がなされた。
問5も、「光の三原色」、「サイコロ」、「碁石を使ったゲームの必勝法」といったテーマを元にした、論理的思考力を問う出題がなされた。
問6は、「リンク装置」、「バスケットボール部の分析」という2つのリード文から、数学の要素を用いた思考力を問う出題がなされた。
問7は、「オホーツク地域」にあるいくつかの都市・地域を題材として、数学・理科・社会の要素を用いた思考力を問う出題がなされた。
<各校の選択問題>
大和・相模原・茅ヶ崎北陵・横浜国際:問3・問4
川和・横浜平沼・湘南・小田原:問3・問5
希望ケ丘:問3・問6
平塚江南:問4・問5
横浜緑ケ丘・柏陽・多摩・横須賀:問4・6
光陵・鎌倉:問4・7
横浜翠嵐・厚木:問6・7
設問の特徴
選択式解答中心だが、思考を必要とする出題
問3は、(ア)~(キ)の中で計9問の出題。設問数が多い上にページ数も6ページとなっており、設問数以上に問題量が多く感じた受検生もいたと考えられる。
問4は、(ア)~(ウ)の中で計8問の出題。ページ数は4ページであったが、出題数が多い上に深い思考や多くの作業を要する問題もあったので、想像以上に多くの時間を費やしてしまう受検生もいたと考えられる。
問5は、(ア)~(ウ)の中で計6問の出題。ページ数は4ページであった。比較的コンパクトな出題で取り組みやすい大問であった。問4と似た傾向であるが、問題数が少ない反面、より思考力を問う出題となっていた。
問6は、(ア)~(オ)の計5問の出題。ページ数は4ページであった。設問数・ページ数ともに多くないが、1つ1つの問題がリード文を正確に読み取る力、それをもとに思考する力を高度に要求しているため、苦労した受検生が多かったと予想される。
問7は、(ア)~(エ)の中で計6問の出題。ページ数は5ページであった。問6同様に、設問数・ページ数ともに多くないが、1つ1つの問題がリード文を正確に読み取る力、それをもとに思考する力を高度に要求しているため、苦労した受検生が多かったと予想される。また、指定語句を含む15字~25字の長文記述の出題も含まれていた。
課題と対策
日常の様々な面に深く興味を持ち、思考する習慣をつける
大問により必要とされる力は多岐にわたるが、以下の2点が重要。
1点目は、「分野融合」という側面において、主要5科目に限らず、技能系4科目や日常の中にある事象や知識への興味・関心や、その原理原則への興味・理解が問われている。「SDGs」など近年重視されている分野に関する情報に触れる機会を積極的に増やし、「なぜ」を突き詰めていくことが必要である。
2点目は、しっかりとした情報把握をした上で、論理的思考ができるよう物事を深く思考する習慣も必要である。パターン化された解法などを習熟することにとどまらず、新たな事象を理解し、それを論理的な思考のもと解決していく力が問われている。新たな事象に触れること、論理的に思考する経験を多くしていくことが必要である。
横浜翠嵐高校の選択問題の概要
身近な題材において、各科目の要素を用いた思考を要求する出題
問6は、(ア)~(オ)の計5問の出題。「リンク装置」、「バスケットボール部の分析」といった技術家庭と保健体育の題材に関するレポートをもとに、数学の要素を用いて思考する問題となっている。
問7は、(ア)~(エ)の中で計6問の出題。「オホーツク地域」にあるいくつかの市町を題材として、理科・社会・数学の要素を用いて思考する問題となっている。また、指定語句を含む15字~25字の長文記述の出題も含まれていた。
湘南高校の選択問題の概要
技能系科目も含めた幅広い題材において、論理的な思考を要求する出題
問3は、(ア)~(キ)の中で計9問の出題。出題数が多く、必要とする知識や考え方が多岐にわたるため、素早く頭を切り替えて対応していく力を必要とする問題となっている。
問5は、(ア)~(ウ)の中で計6問の出題。「光の3原色」、「サイコロ」、「碁石を使ったゲームの必勝法」といったテーマのリード文から必要な情報を読み取り、論理的に思考する力を必要とする問題となっている。
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このレポートは令和4年2月17日(木)に、速報として湘南ゼミナールにより作成されたもの。
協力:湘南ゼミナール(執筆:教務支援部 特色検査責任者 渡邉豪氏)