【中学受験の塾選び】四谷大塚の特徴と費用(2022年度版)

 「中学受験の塾選び」をテーマに、首都圏で人気の大手3塾について、特徴や費用、カリキュラム、コロナ禍の対応等を紹介する。今回は四谷大塚について見ていこう。

教育・受験 小学生
四谷大塚
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 「中学受験の塾選び」をテーマに、首都圏で人気の大手3塾について、特徴や費用、カリキュラム、コロナ禍の対応等を紹介する。今回は四谷大塚について見ていこう。

四谷大塚の指導の特徴



 低学年の生徒には「読み・書き・計算」といった「学習の基礎・基本」をしっかり身に付けて、子供たちを褒めることでやる気を出させ、そのうえで知的好奇心を刺激することで「考えることの楽しさ」を教え、学力を大きく伸ばす。

 高学年の生徒には、「努力する習慣」と「基礎・基本」を徹底的に身に付けて、「応用力」「思考力」を高める指導を行っている。特に高学年の指導では、自ら進んで学習する意義を考えさせることで、その姿勢をしっかり身に付けさせ、4~5年生の2年間で中学受験に必要な学習内容を一通り習得させる。そして、6年生の1年間では、2年間で身に付けた基礎学力をもとに、入試問題を意識しながら、前半では徹底的な単元・領域別の総復習、後半では最先端のAIを活用した、ひとりひとりに対応した「学校別入試対策」を徹底的に行って志望校合格へ導く。

四谷大塚の高学年指導の特徴は、
(1)1週間サイクルのスモール・ステップの学習カリキュラム
(2)“中学受験のバイブル”と称されるテキスト「予習シリーズ」を使った親身な熱誠指導
(3)アウトプットで学力を伸ばす毎週実施の「週テスト」
(4)ITを活用したWebコンテンツ「高速基礎マスター」に加え、自宅での予習・復習に大いに役立つIT授業「予習ナビ」「復習ナビ」
(5)6年生にはAIを活用した「単元ジャンル別演習」「志望校別演習」でひとりひとりの生徒に対応

 4~6年生の3年間をスモール・ステップ&パーフェクト・マスターで着実に学力を伸ばしながら、第一志望校合格を目指す。

入塾の時期



 低学年、高学年ともに、3年間でのカリキュラムを組んでいるため、そのスタートとなる新1年生(年長生の2月)、新4年生(3年生の2月)から入塾すると、スムーズに学習の流れに乗ることができる。ただし、随時、入塾テストを実施しているので、それ以外の時期に入塾しても、生徒の学力に応じて補習等を行いながらフォローする体制があり、安心して入塾できる。

 保護者の子供への教育に対する関心は年々高まり、低学年から通塾する子どもが毎年増えていた。そこへコロナ禍で公立中学校の生徒の学習指導に対する対応の遅れが、素早い対応を見せた私立中学を引き立たせ、中学受験ブームが沸き起こり、低学年・高学年ともに入塾希望者が殺到している。

入塾前テストの有無



 入塾の学力診断と入塾後のクラス決定のため、入塾テスト(無料)を実施する。入塾テストの合格率は50%、2人に1人が合格だが、万一、不合格になっても、合格するまで何度でもチャレンジでき、そのためのフォローもしっかり行う。6月・11月に実施の「全国統一小学生テスト」も入塾テストを兼ねている。

年間にかかる費用とカリキュラム



 1年生は約25万円、2年生は約25万円、3年生は約30万円、4年生は約60万円、5年生は約80万円、6年生は約120万円(いずれも税込)。費用には、テキスト等の教材費、テスト代、講習会受講料等が含まれる。

クラス分け



 塾に入る際に入塾テストを行う他、低学年では学期末ごとにテストを行ってクラス分けを実施。高学年では5週に1回、組分けテストを行ってクラス分けを実施する。

 開成・桜蔭等の最難関校への合格を目指す上位のクラスから学力に応じて順に指導クラスを分け、親身な熱誠指導を行っている。1クラスあたりの人数は、低学年は10名前後、高学年は15名前後を定員として設定している。

通塾の頻度と時間帯



・1年生:週1日75分
・2年生:週1日75分
・3年生:週2日100分(50分×2)/日
・4年生:週3日(17:00~20:10)×2日、(17:00~19:30)×1日
・5年生:週3日(17:00~21:20)×2日、(15:30~20:30)×1日
・6年生:週4日(17:00~21:20)×2日、(13:50~18:20)×1日、(13:30~18:00)×1日
※4~6年生は、校舎・クラスによって時間帯が異なる場合がある。

授業以外のサポート



 塾での授業以外に、おもに家庭での学習をサポートするITコンテンツを用意している。計算・語彙・漢字等を学習するITコンテンツ「高速基礎マスター」は、タブレットやスマホでいつでも学習できる。また、授業の予習や復習、テストの復習をするために、タブレットやスマホで受講できるIT授業「予習ナビ」「復習ナビ」「週テスト演習」がある。これらの受講はすべて授業料に含まれている。

 また、全学年の生徒を対象に月1回、将来の夢を見つけるきっかけとなる「未来発見講座」を受講させて、生徒同士のディスカッションで互いの考えに刺激を受けることで、学習のモチベーションをアップさせる。

 生徒とは月1回、「10分面談」を実施し、生徒を褒めてヤル気を出させる等心のケアもしっかり行っている。さらに学期末には生徒・父母に「個人面談」を行い、個々の生徒の状況に応じた的確なアドバイスも行う。また、定期的に「父母説明会」を実施し、学習の進捗、学習のポイント等を伝えている。

塾のコロナ対応



 対面での集団授業が原則だが、コロナ感染が不安等の場合には、自宅でIT授業の受講も可能で、遅れをとることなく学習ができる。

 四谷大塚の校舎に入館する全員が、マスク着用、入口での検温、手指消毒を徹底し、37度以上の発熱が確認された場合には入館できない。

 受付周辺設備、机、椅子等の教室備品、トイレ設備、iPad等の生徒・スタッフが触れる設備・機器等は毎日除菌消毒をする。空気清浄機、サーキュレーターを全教室に設置し、随時喚起を行う。

コロナ禍の中学受験について



 新型コロナウイルスの蔓延が拡大した最初(2020年4月)は、通信教育の問い合わせ・入会が一気に増えた。その後、私立中学校のリモート授業の対応の素早さ等が注目されて中学受験ブームが起き、コロナ以降、通塾・通信教育ともに生徒数の増加が見られる。

 中学入試全体で言えば、受験者数の増加によってすそ野が広がることで、中堅校以下を受験する生徒が増えた。

《工藤めぐみ》

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