11歳以下ワクチン接種…接種済1%、様子見57%

 5~11歳の子供がいる家庭に、ワクチン接種を希望するか聞いたところ、2022年3月の調査時点において「すでに1回以上接種した」のは1%ほどにすぎないことが、コズレ子育てマーケティング研究所の調査結果より明らかになった。

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ワクチン接種を希望するか否か
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 5~11歳の子供がいる家庭に、ワクチン接種を希望するか聞いたところ、2022年3月の調査時点において「すでに1回以上接種した」のは1%ほどにすぎないことが、コズレ子育てマーケティング研究所の調査結果より明らかになった。

 新型コロナウイルス感染症の流行から2年。最近ではオミクロン株による急速な感染拡大で、感染者全体に占める小児(5~11歳)の割合が増えていることがわかった。これらを背景に、日本でも5~11歳を対象としたファイザー社のワクチンが承認され、接種がスタートした。一方で小児におけるオミクロン株の発症予防効果・重症化予防効果に関するエビデンスが十分ではないことも踏まえ、小児については接種の努力義務の規定は適用せず、今後の科学的知見を踏まえて引き続き議論することが適当であるとされている。

 コズレ子育てマーケティング研究所は、未子妊娠中および15歳未満の子供を持つママパパ1,192名(うち女性1,172名)に「感染への不安」と「ワクチン接種」に対してどのような意識を持っているか調査した。調査期間は2022年3月4日~2022年3月19日。0~4歳までの乳幼児がいる家庭と、5~6歳の未就学児がいる家庭に周囲での感染時状況や感染への不安度を聞いた。

 まず、周囲の感染状況では0~4歳までの乳幼児がいる家庭では「同居家族に感染者が出ている」「子供の通う保育所・幼稚園・学校等で感染者が出ている」が合わせて28.73%であるのに対し、5~6歳までの未就学児がいる家庭では73.34%と、感染と隣り合わせにある状況であり、接種対象を5歳以上にした意図がうかがえる。

 感染への不安度を「保育状況別」に聞いたところ、子供への感染が「とても不安」および「やや不安」と感じている割合は、「保育園児のいる家庭」では88.86%、「幼稚園児のいる家庭」では87.63%、さらに「集団保育をしていない家庭」では90.91%となった。感染のリスクの高い低いに関わらず、子供がコロナに感染することに対して不安を感じていると考えられる。

 続いて、日本でも5~11歳を対象にワクチン接種が承認されたことを受け、「5~11歳のワクチン接種が承認されたことについて知っているか」を聞いたところ、今回接種対象となった5~6歳の未就学児では82.86%、11歳未満の小学生では79.71%と、該当の年齢層では8割程度内容まで認知されていることがわかった。

 今回新たにワクチン接種の対象となった5~11歳の子供がいる家庭に、ワクチン接種を希望するか否か聞いた。その結果、2022年3月の調査時点において「すでに1回以上接種した」のは1%ほどにすぎず、「できるだけ早く接種をしたい」が16.55%、「しばらく様子を見てから接種したい」が56.55%と、今後の接種希望者が7割強となった。一方、「接種は希望しない」も25.52%と、対象の4分の1はワクチン接種に対し消極的であることもわかった。

 子供への接種意向とワクチン接種に対する不安度との関係を比較したところ、「接種は希望しない」と回答した被験者のうち75.68%が「とても不安」、16.22%が「やや不安」と回答し、「しばらく様子を見てから接種したい」と回答した被験者のうち51.22%が「とても不安」、43.90%が「やや不安」と回答した。つまり、接種を希望する/しないの差は、ワクチン接種への不安度が大きな要因となっていると考えられる。

 ワクチン接種を不安に感じる具体的な理由を自由回答で聞いたところ「事例が無いので副反応等が心配です。実際にコロナに感染したときの子供の症状よりひどくなるのでは、と接種する決心がまだつかないです。」「私自身も副反応がひどかったので、このつらさを小さな子供が味わうのかと思うと不安だし、長期的にみたときのワクチンの影響については未知なので接種させるのは不安。」という声があった。

《千葉 智加》

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