2001年に成立した「子どもの読書活動の推進に関する法律」に基づき、都道府県および市町村は、子供の読書活動推進計画を策定するよう努めることとされている。また、2018~2022年の5年にわたって計画された第4次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」では、都道府県市町村における策定率の目標値を定めている。そこで今回文部科学省では、その現状を把握するために調査を実施した。
調査は47都道府県および1,741の市町村教育委員会を対象に、2021年度末(令和3年度末)時点での都道府県・市町村における子供読書活動推進計画の策定状況について尋ねた。
調査結果によると、市における策定状況は目標100%に対し93.9%であり、町村における策定状況は目標70%に対し74.4%であったことがわかった。市における策定状況は目標に達しなかったものの、2018(平成30)年度末より1.5ポイント増加、町村における策定状況も2018(平成30)年度末より4.7ポイント増加していた。
しかし、市町村における策定状況の平均は83.5%であり、秋田・福島・栃木・富山・岐阜・滋賀・岡山・徳島・福岡・熊本・大分・鹿児島等12の都道府県が策定率100%である一方で、策定が半数に満たない都道府県もあることが明らかになった。
計画策定が進んだ都道府県教育委員会に町村への支援状況を尋ねたところ、「策定を進められない事情の詳しい聞き取りをし、現状把握に努めている」「電話での声がけや他の市町村がインターネットで公開している推進計画について情報提供を行った」「未策定市町村を訪問し、情報提供および意見交換を行った」等の回答が得られ、策定が進んだ自治体は、都道府県教育委員会による支援や助言がなされていることが明らかになった。
文部科学省では今回の調査結果を踏まえ、特に策定予定のない市町村に対して、都道府県教育委員会と連携する等、支援の推進を図っていくとしている。また、6月には2023(令和5)年度より始まる第5次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の策定に関する有識者会議を立ち上げ、今後の取組みについて議論を行う予定だ。