愛知県、併設型中高一貫校の第一次導入校4校が決定

 愛知県は2022年7月26日、検討を進めていた県内初となる併設型中高一貫校の第一次導入校について、4校に導入することが決定したと知事会見にて発表した。導入校は、明和高等学校、津島高等学校、半田高等学校、刈谷高等学校の4校。併設中学校は2025年4月開校予定。

教育・受験 小学生
第一次導入校の対象校
第一次導入校の対象校 全 3 枚 拡大写真
 愛知県は2022年7月26日、検討を進めていた県内初となる併設型中高一貫校の第一次導入校について、4校に導入することが決定したと知事会見にて発表した。導入校は、明和高等学校、津島高等学校、半田高等学校、刈谷高等学校の4校。併設中学校は2025年(令和7年)4月開校予定。

 愛知県では、さまざまな人々と協働しながら、答えのない社会的な課題に対して失敗を恐れずにチャレンジし、創造的に解決する「チェンジ・メーカー」として、これからの愛知・日本・世界を切り拓き、支える人材の育成を目指し、県立高校への併設型中高一貫教育制度の導入の可能性について2022年4月6日の発表以降、教育関係者による検討を進めてきた。

 今回、検討状況を踏まえ、県内初となる第一次導入校4校を決定。対象校は、名古屋地区の明和高等学校、尾張地区の津島高等学校、半田高等学校、三河地区の刈谷高等学校の計4校。併設中学校から進学可能な各高校の学科は、明和が普通科・音楽科、津島は国際探究科(普通科から学科改編)、半田と刈谷は普通科。併設中学校の1学年の学級数はいずれも2学級とし、明和の音楽科のみ5~10人程度の少人数による中高一貫教育を導入する。

 教育内容は特に探究学習に力を入れ、明和・半田・刈谷の普通科では、大学や企業と連携して、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の探究的な学びを中心に幅広く中学校段階から探究学習に取り組む。津島の国際探究科では、国際理解コースで取り組んでいる国際交流活動に中学校段階から取組み、高校を国際探究科に学科改編して国際バカロレアの趣旨を踏まえた探究的な学びを実践した後、段階的に国際バカロレアの導入を目指す。探究を深めるための先取りは行うが、大学受験対策のためだけに授業進度を早めることはしないという。

 併設中学校における入学生徒の選考方法は、適性検査と面接、調査書による判定を実施。適性検査は小学校学習指導要領の範囲内とし、思考力、判断力、表現力、課題解決力等を総合的に測る問題を出題。適性検査のサンプル問題は、2023年度に公表する予定。また、面接では、中高6年間学び続ける意欲や志望動機、適性、コミュニケーション能力等を測り、調査書は小学5・6年生の内容を点数化せず入学者決定の際の参考として活用する。

 併設中学校の通学地域は、愛知県立高等学校の通学区域に準じる。明和・半田の普通科は尾張学区、刈谷の普通科は三河学区(調整区域として、大府市・豊明市・ 知多郡東浦町を含む)、津島の国際探究科と明和の音楽科は県内全域が対象。

 今後は、調査書の内容や抽選の導入、県外枠の導入の有無等、第一次導入校の入学生徒の選考方法の詳細や、導入のねらい、教育内容等について、実務者レベルによるワーキンググループを設け具体的な検討を進める。加えて、第二次以降の導入候補校選定について、第一次導入校と同様の教育内容の方向性を目指す高等学校の地域バランスを考慮した追加導入や、地域課題に対応した中高一貫教育の導入を検討する。

令和の中学受験 保護者のための参考書 (講談社+α新書)
¥935
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)
偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び 2023 (AERAムック)
¥1,320
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《畑山望》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集