【中学受験2023】過去最高の受験率に迫る勢い、地元進学校への注目増す…TOMAS

 リソー教育が運営する進学個別指導塾「TOMAS」教務本部責任者を務める松井誠氏に、2023年度入試の出願動向の予測、直前対策や親子の心構えについて聞いた。

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 リソー教育が運営する進学個別指導塾「TOMAS」。最難関中学をはじめ、毎年多くの受験生を志望校合格へと導いてきた同塾が誇る、合格への確実な道筋とは。2023年度入試の出願動向の予測、直前対策や親子の心構えについて教務本部責任者を務める副局長の松井誠氏に聞いた。

引き続き「第三次受験ブーム」の渦中

--近年の中学入試全般の概要について、現況をどのようにみているかお聞かせください。

 近年、首都圏における中学受験率は上昇傾向にあり、私立中学の募集定員を受験者数が上回る状況が続いています。首都圏の受験人口は今から15年ほど前に過去最高の5万人を越え、その後のリーマンショック、東日本大震災、株価低迷等々で2015年に底を打ったものの、そこから右肩上がりに推移しています。コロナ禍において景気が上向いている状況ではないにも関わらず、昨年は過去最高に並ぶ受験率となりました。2023年も引き続き厳しい入試になる、これは9月までの模試の受験者数からみても間違いないでしょう。

--保護者の皆さんも「厳しい」という認識はされているのでしょうか。

 しっかり受験対策をされていればいるほど、大変さや厳しさを感じていると思います。あえて中学受験という道を選んできたこともあり、ここまで来て今さら「厳しい状況だから引き返します」ということはなかなかできないものでしょう。受験動向や学校選びについても「受験する子が増えている」「今年は倍率が上がりそうだ」と聞いても、踏み止まってしまうのではなく「やはり受験にはメリットがあるんだ」「そうやって人気を集める学校には理由があるんじゃないか」と、前向きに考えると良いのではないでしょうか。

--厳しさを増す中学受験ですが、人気校の傾向や変遷などがありましたら教えてください。

 受験者が増えると倍率が上がり、試験の難易度も上がります。学校側が求めるレベルも高くなりますので、総じてどこの学校も難しくなっていると感じています。そのうえで大まかな流れがあるとすれば、やはりコロナの影響で自宅から遠い学校を避ける傾向はありますね。より自宅から近い範囲から学校を選んでいるようすがみてとれます。また、1月に入試がある栄東、浦和明の星、渋幕といった埼玉、千葉の学校は御三家との併願も多く、以前は合格しても東京・神奈川入試の結果によっては選ばれない傾向がありましたが、最近は「合格したら通う」という地元志向が増えつつあるようです。

 難関校では、校舎の改修の進む開成の他、昨年度東大理科III類に13名合格させて話題になった桜蔭、サイエンスセンター(新理科館)が完成して人気を集める海城にも注目です。また、私立大学の入学定員厳格化などでここ数年続いていた大学付属校人気は高止まりであるものの、進学校への注目が集まってきている感覚もあります。お子さんの将来の選択肢が付属大学での学部選択に限られてしまうより、18歳の時点で幅広く進路が選択できる進学校を選びたいというように、保護者の皆さんの意識も変わってきているのかもしれません。

TOMASで教務本部責任者を務める副局長の松井誠氏

伝統校の付属化、学校改革に注目

--新設校など、注目を集めている学校について教えてください。

 2009年以降、私立大学の付属校の倍率が高くなっていたとお話ししましたが、特にここ数年、早慶をはじめ、明治、青山学院、立教などのMARCH系付属校も大変な人気でした。そこに男子校の日本学園が系列校として参入してくることが発表され、話題を集めています。2026年には明治大学付属世田谷に校名を変えて共学化し、2029年には明治大学への推薦入試制度が開始されます。明大前という立地は都心からのアクセスも良いので間違いなく人気を集めるでしょう。

 また、田町にある東京女子学園が芝国際として校名変更、共学化します。他校で校長を務め実績をあげた腕のある方々が開校準備に携わっていることも、保護者の信頼につながっているのではないでしょうか。近年人口流入が著しい湾岸エリアからも近く、STEAM教育や国際教育を求める方々からかなり注目されていると聞いています。

 ほかには、女子校の目黒星美学園が共学化し、サレジアン国際学園として校名を変更流通経済大柏が中学校の募集を開始することなどがトピックとして挙がります。広尾学園の姉妹校として開校し、昨年多数の受験生を集めた広尾学園小石川の人気は今年も引き続き高いと予想されます。

 新しい学校は開成、桜陰や慶應などの伝統ある難関校に比べると、受験校として検討しやすい側面があります。たとえば、新設校の偏差値が50前後でも「これから頑張ってお子さんを伸ばします、東大合格〇名出します」という勢いがある学校であれば、保護者からの期待を集めるのは当然なのではないでしょうか。

基礎問題を5分で解くか、3分で解くかは大きな違い

--近年の入試問題で見られる出題のトレンドについて教えてください。

 まず大きなところでいうと、中学入試は大学入試の影響を多分に受けるというのが特徴としてあります。入試制度改革で大学入学共通テストが導入されて今年で3年目。もともと思考力問題を多く出す学校もありましたが、近年ではより多くの学校が思考力や表現力が問われる問題を出題するようになってきました。中学入試においても、知っていなければ解けない問題、あるいはひらめかなければできないというような問題から、与えられた条件から自分で考えを組み立て、相手に伝わるように表現するといった問題が増えていることは事実です。

 もう1つは、世相や社会情勢が影響してくるということがあります。SDGsやダイバーシティといった、世の中が今もっとも注目しているテーマが中学受験の問題として必ず扱われます。昨年度も、差別や移民問題といった、正解がない問題について自分の考えを書かせるような出題が多くみられました。

--テキストのみならず、社会の動きなどにも目を向けていないといけませんね。

 とはいえ、実はこれまでもずっとやってきた基礎基本を固めていく方が合格に近づくことができるということは、忘れないでいてください。何十校、何十年もの入試問題を分析してきましたが、やはり入試で問われるものは変わらず「各教科の基本をしっかり習得してきたか」ということなのです。親御さんで過去問を解いてみたことがある方ならご存じかと思いますが、昨今の入試問題というのは本当に難しい。最難関校の算数ともなると、我々でも満点が取れないレベルのものもあります。難しいからこそ、基礎ができてないと太刀打ちできないのです。

 2月1日まで100日を切り、過去問や志望校対策に取り組んでいる時期だと思いますが、志望校対策はベース(基礎)の上に乗ってくるもの。素人のバッターがいきなりプロ野球投手の球を打てないのと同じように、ベースがあってこその志望校特訓だというのは、生徒たちにもよく伝えています。具体的には、算数でいえば計算問題や一行問題、国語で言えば漢字や知識問題といった、基礎の反復練習は絶対におろそかにしてはいけません。反復して確実に得点できるようにすること、そのうえでスピードも大事です。「同じ問題を5分で解くのか、3分で解くのか」というその差が、積み重なって大きなものになっていくのです。

--4年、5年生の頃から積み重ねがベースとなり、入試問題にも挑める力がついていくということですね。

 そうですね。ただ、4年生と6年生では、体格も頭の中身もまるで別人のように変わります。4年生で苦労した単元が、6年生ですんなり理解できるケースはいくらでもあります。それに、いくら受験学年だろうがまだ小学生。学校に行けば授業や行事があって、友達と遊びもしますし、受験があるからといって休み時間も勉強している子はほとんどいないでしょう。それが、冬休みに入って冬期講習が始まるとともに、朝から受験勉強をする生活に変わります。そこでスイッチが入る子はとても多いですね。

 受験が終わった生徒たちによく聞くのですが、「俺、本気出したのは最後の20日間だけだよ」「スイッチが入ったのは冬季講習から」と平気で答えるんです。それまでは、どこかでやらされていた感があったけれど、いよいよ本番が近づいて受験が自分ごとになるのがちょうど11月、12月。勉強に向かう姿勢に切り替わって、まさにこれからが伸びる時期なんです。

 2月1日の前に、1月校に落ちるなどの経験をするとまた目の色が変わるんですよね。「やらされる100回よりも、本気の1発」という言葉を体現するかのように、最後の最後で合格を勝ち取っていく子をたくさん見てきました。そうやって、本当の意味での受験生になっていくんです。

弱点を埋めれば、まだ実力は上がる

--コロナ禍の影響は、今年の入試にどのように及ぶとお考えでしょうか。

 2021年、2022年とコロナ禍の影響で受験生が減ると予想されたものの、逆に受験者は増えました。やはりオンラインへの対応であったり、生徒への手厚いフォローであったりを目の当たりにし、多少お金と労力がかかっても私立に行かせた方が、12歳から18歳という貴重な時期を有意義に過ごせるのではないかと思った保護者が多かったのでしょう。その意識は今後も継続していくと思います。

--学力への影響についてはいかがでしょうか。

 一般的なところでいうと、塾そのものの休校期間があったり、オンラインで授業を受けていたりもするので、やはりコロナ禍前の受験生と比較すると、身に付いているべき単元が定着していなかったり、抜けがあったりするケースも多いです。ただ、コロナ禍の影響というのは、皆に平等にあったということを忘れてはいけません。やるべきときにやれなくて抜け落ちたままのところ、やったはずなのに定着できていないところがあるなら、そこを探して対策すれば、まだ実力は上がります

 模試をはじめとした各種テストで、どこが抜けているというのはだいたい把握できると思います。ただ、それをどう克服して良いのかわからないという声もよく聞きます。そこは、個別指導や家庭教師等を活用し、弱点を補強していくことが近道となってくるでしょう。

弱点補強のための個別指導や家庭教師の利用の検討を

個別カリキュラムで合格へと導く

--何とか成績を上げたい、合格を盤石なものにしたいと個別指導を検討している保護者も多いと思います。あらためて貴塾の指導の特徴について教えていただけますでしょうか。

 1人の先生が20人といった子供を教えるのが集団塾、1対複数名を見る半個別などありますが、私どもは完全に1対1の完全個別指導です。100人の中学受験生がいたら100パターンの指導があって、その子だけのカリキュラムを作って教えています。狙っている志望校、苦手なところ、教えてほしい問題をピンポイントで先生から教えてもらえるのが特徴であり、最大の強みです。

 たとえば集団塾では、同じ志望校を目指すAくん・Bくん・Cくんが一緒に対策を受けるわけですが、それぞれの生徒が合格するまでの道のりというのはスタートからして違うわけです。算数でつまずく子もいれば、理社への苦手意識がネックになっている子もいる。残りの100日切った時間をどう使うかと考えたときに、Aくんはこの教科のこの単元を強化すれば受かるかもしれない、Bくんはこの分野に集中した方がいいかもしれないというのを提供するというのが、私どもの役目です。過去の成績や模試の結果をみながらお子さん、保護者の方と面談を重ね、その子の合格に近づくためにあらゆるサポートを行います。

進学個別指導塾「TOMAS」とは

直前期ほど個別の対策を

--受験を目前に控えた時期からでもまだ間に合うのでしょうか。

 11月にもなれば志望校が固まっていると思いますので「志望校に必要な学力」から逆算してカリキュラムを組んでいきます。合格最低点を公表している学校が多いので、過去問をやっていると「志望校まであと〇点取らなきゃいけない」というのが明確になってくるんですよね。その「あと〇点」の部分はお子さんによって違います。全員が同じテキストをやるよりは、Aくんは理科の溶解度の単元、Bくんは説明文の記述の弱点補強を、という的を絞った指導で合格に向けた力を最短で底上げします。

--ピンポイントで教えてくれるのはものすごく心強いですね。各種のテストで補強すべき弱点が見えてきたとしても、やはり親ではフォローしきれない感があります。

 保護者の方が、勉強面で子供の面倒を見るというのはなかなか難しいと思います。やはり自分のお子さんを指導する際はどうしても感情が入ってしまいますし、子供を追い詰めたりしてしまうんですよね。子供のフォローをしつつ、親自身の感情もコントロールするというとなかなか難しい。親のメンタルが危うくなる直前期こそ、プロの個別指導の力を借りるという方はやはり多いですね。

 最難関を目指すトップ層はもちろん、小6から受験対策を始めた子など、どんな学校を目指すどんな子供にも提供できるノウハウをもっています。個別を検討されている方は少しでも早いタイミングで私どもの門戸を叩いていただくことで、きっと力になれると思っています。

受験準備の万全なシミュレーションを

--最後に、受験直前期の親に必要な心構えについてアドバイスをお願いします。

 中学受験が大学受験と違うのは、たった12歳のお子さんが挑む受験であるということ。日々伸びていくこの時期、駆け込みで入ってきて、最後の最後に本気で志望校対策をやったことが合格の決め手となった子をたくさん見てきました。

 お子さんは受験当日まで、さらに受験が始まってから試験を受ける中でもまだまだ伸びていきます。保護者の皆さんはそれを信じて、前向きなサポートをしてあげてほしいです。「そんなんじゃ受からないわよ」「やる気がないなら辞めちゃいなさい」と言いたくなる気持ちもわかります。自分の子供だからこそ冷静になれないという自覚があるのなら、そこはもう割り切って塾を頼ってください。「こんな質問をしても良いのか」「毎回毎回同じような相談をして申し訳ない」など遠慮せずに、塾の先生を味方につけてほしいと思います。

 また、お子さんの体調管理と同じくらい重要なことは、出願から試験当日、発表から手続きまでの流れを逆算するというシミュレーションですね。2月1日が合格したら2月2日はA校を受ける、不合格だったらB校を受ける。その場合、何日の何時までに入学金を納入しなければならないのか。当日は誰が送り迎えを担当するのか。午後入試、4日、5日と受験が長引いたときに、共働き家庭は交代で仕事を休んで付き添うのか、祖父母の力を借りるのか。アクセスはもちろん、最寄り駅から何分かかるのか、当日朝にお腹壊してしまったらどうするのか。そういう細かなところまで考えておくことが大切です。

 中学受験における保護者の仕事は「最善を望んで最悪に備えること」ではないでしょうか。万が一ダメだったときにどうするかを想定したうえでシナリオを組んでいき、もしご自身のプランで大丈夫かどうか不安であれば、受験スケジュールや当日の動きについて見落としがないか、お通いの塾の先生や私たちに相談してください。

不安があれば相談を

胸を張って当日を迎えてほしい

--これからラストスパートをかける受験生へのアドバイスをお願いします。

 中学受験人口が増えているとはいえ、小学生全体から見ると受験をするのは5人に1人。放課後も休日も好きなことをして過ごしているお子さんも多いと思います。そんななか、週3回も4回も、夏休みも冬休みも、それこそ直前期は朝から晩まで塾に通って勉強してきました。それだけで、子供たちは本当に偉いと思うんです。あきらめずにここまでこれた時点で「自分は中学受験に挑戦したんだ」という自信をもってほしいと思います。

 多少親の目を盗んで勉強をさぼったり、漫画を読んだりゲームをやったりしたこともあったと思いますが、みんな本当によく頑張って塾に来てくれました。たったの12歳で、自分で自分の心をコントロールできたんです。だからあと少し頑張って、そして迎えた2月1日の朝、自分の行きたい学校の机に、胸を張って座り、試験に臨んでほしいと思います。

--ありがとうございました。

 現在、TOMASの校舎は首都圏に96校。通塾時の安心・便利さにこだわり、すべて駅前に校舎が設けられている。

 ひとりひとりの傾向を分析して学習方針を立てるために、そしてこれまでに見えてきた弱点を補強するために、「個別指導」という選択肢に頼るのも1つの策ではないだろうか。

進学個別指導塾「TOMAS」とは

《吉野清美》

吉野清美

出版社、編集プロダクション勤務を経て、子育てとの両立を目指しフリーに。リセマムほかペット雑誌、不動産会報誌など幅広いジャンルで執筆中。受験や育児を通じて得る経験を記事に還元している。

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