18歳意識調査「ネット上で自分への誹謗中傷を目撃」19.5%

 日本財団は2022年11月1日、インターネット利用と侮辱罪をテーマに「18歳意識調査」の結果を発表した。19.5%と約5人に1人が「自分への誹謗中傷を目にしたことがある」と回答していることが明らかになった。

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誹謗中傷に関する経験(目にした経験)
誹謗中傷に関する経験(目にした経験) 全 6 枚 拡大写真

 日本財団は2022年11月1日、インターネット利用と侮辱罪をテーマに「18歳意識調査」の結果を発表した。19.5%と約5人に1人が「自分への誹謗中傷を目にしたことがある」と回答していることが明らかになった。

 今年で50回目となる同調査は、侮辱罪の厳罰化やインターネット上の誹謗中傷について、若者の考えを探ることを目的としている。9月下旬、全国の17歳~19歳の男女計1,000人を対象に、インターネットを利用して回答を集めた。

 質問は大きく3つに分かれており、それぞれ「(侮辱罪の)刑法改正に対する考え」「(インターネット上の)誹謗中傷に関する経験・対策」「誹謗中傷に対するペナルティへの考え」となっている。侮辱罪は2022年7月に改正刑法が施行され、罰則が「30日未満の拘留または1万円未満の科料」から「1年以下の懲役若しくは禁錮、30万円以下の罰金、30日未満の拘留または1万円未満の科料」へと引き上げられた。公訴時効も1年から3年へ延長されている。

 調査では50.6%が改正刑法の成立について「知らなかった」と答えている。侮辱罪の厳罰化自体は80.2%と賛成多数ではあるが、厳罰化によって誹謗中傷の件数が「減る」という回答は40.1%に留まり、厳罰化の効果については懐疑的なようすがうかがえる。

 インターネット上での誹謗中傷については、70.6%が「他人への誹謗中傷を目にしたことがある」と回答。また19.5%と約5人に1人が「自分への誹謗中傷を目にしたことがある」と回答している。逆の立場として「誹謗中傷を書き込んだ・発信した経験がある」という回答は18.7%となった。若者たちにとっても身近なトラブルといえるだろう。

 対策方法として「警察、弁護士等を通じた削除依頼」「サービス提供事業者への違反申告・報告」「発信者情報開示請求」「損害賠償請求」があげられているが、いずれの質問でも「知っている」との回答は5~6割程度となっており、周知には至っていないようすだ。

 2022年10月には誹謗中傷を含んだ他者の発言に対しての「いいね」が、高等裁判所で不法行為と認められたことが話題になった。9月に行われた同調査での回答では、反応を返す「いいね」、周囲の人間に拡散する「リツイート」、いずれも「損害賠償等が必要」という回答は2割に留まっている。特に「いいね」については37.2%が「ペナルティ不要」と答えており、「リツイート」に比べて違法性を低く見る傾向があった。


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《銀谷えり》

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