【中学受験】志望校の選び方「迷った」約半数...保護者調査

 塾や習い事に関する総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」は、「中学受験の志望校選び」について、子供が中学受験をした保護者を対象に調査を実施した。学校選びは、親主導で子供の成績や学力、学校の授業内容や教育方針が重視されていることがわかった。

教育・受験 小学生
中学受験についてアンケート
中学受験についてアンケート 全 7 枚 拡大写真

 塾や習い事に関する総合情報サイト「テラコヤプラス by Ameba」は、「中学受験の志望校選び」について、子供が中学受験をした保護者を対象に調査を実施した。学校選びは、親主導で子供の成績や学力、学校の授業内容や教育方針が重視されていることがわかった。

 本調査は、2022年9月22日~10月31日に実施。全国の子供が中学受験をした保護者252人を対象に、第1志望校や併願校選びで重視したこと、志望校選びで「やってよかったこと」等についてインターネットによるアンケート調査を行った。

 まず、「第1志望校を決定するうえで重視したこと」について尋ねた。「子供の成績・学力に合っているか」の回答が21.9%、「授業内容や教育方針」が21.6%と、ほぼ同率でもっとも多かった。中学受験の学校選びにおいて、重視されているのは「子供の成績・学力に合っているか」「授業内容や教育方針」といった親目線の回答が多い結果となった。

 続いて多かった回答は「子供の意見」で13.6%。回答した保護者も、すべて子供任せではなく、第1志望校に通っている保護者から学校の詳しい情報を得る、過去問をもらう、親子で学校説明会に行く等、子供の意見を尊重しつつ事前の下調べをしっかり行っていたようすがアンケート結果からうかがえた。

 第1志望校の情報収集として特に参考になったものは、「学校見学(文化祭等の各種イベント含む)」が最多で33.7%。ついで「学校のホームページ」が16.7%、そして「塾からの情報」が13.5%と続いた。

 保護者からは「学校の全体の説明会とは別に、個別の説明会にも申し込んだ」や「文化祭等の学校行事、受験説明会等、受験生向けの行事にはすべて参加し、在校生やその保護者の雰囲気、先生や学校長の教育姿勢に触れることができた」と、アドバイスにもなる声が寄せられた。気になる志望校の学校見学には説明会だけでなく、文化祭等の各種イベントにも足を運び、普段の在校生のようすや子供との相性等を確認しているようであった。

 次に「第1志望校をどの学校にするか決めるに迷いはあったか」また「迷った点」について尋ねた。「どの学校を第1志望にするか迷った」と回答したのは約5割の45.6%で、「特にどのような点で迷ったか」については約半数が「偏差値」と回答。

 保護者からは「目指していた最難関校の合格ラインに届かず、第1志望校を改めた」等、偏差値が目標校に届くかどうかに不安を抱いた声もあれば、「子供が選んだ志望校が子供の偏差値よりも随分下だった」等、子供の意見を尊重したいが、保護者としては「もう少し上を…」という葛藤の声も寄せられた。

 その一方で、第1志望校を決めるにあたって「迷わなかった」と回答した保護者は54.4%。「すべてにおいて子供に決定権を与えて、何も迷うことはなかった。自分の人生は自分でよく考えてすべて決めるようにと伝えてきた」、「偏差値は足りなくても子供の意思が強かったため親も腹を括った」等、「偏差値」ではなく子供の意見を重視していたようだ。

 受験では学力や保護者の希望等、迷いは常につきまとうが、最終的に保護者が子供にできることは「子供を信じる」こと、その一択かもしれない。

 第1志望校とあわせて、「確実に受かる学校」として、特に子供の学力を重視して選んでいると思われる「併願校」についても尋ねた。受験校数や重視した点についてのアンケートでは、約3割の29.0%が単願で受験し、残りの約7割が併願校も受験していることがわかった。

 願校の受験校数は「1校」の25.8%が最多。併願校を決めるうえで重視した点については「子供の成績・学力に合っているか」が約5割の49.3%がもっとも多く、次点の「授業内容や教育方針」の20.1%の2倍以上となった。

 併願校の選び方においては、第1志望校選び以上に「子供の成績・学力に合っているか」を重視する傾向にあった。しかし、成績・学力を重視するが故に、実際に子供が併願校に通っている保護者からは「併願校もしっかり調べておけばよかった」という声も寄せられている。

 「併願校」について保護者からは「実際に通い始めると家から遠くて通学が大変。 併願校の見学もしっかりしておけばよかった」や「併願校選びに、1つでも合格させたいという親の気持ちで、本人の学力よりもかなり低い学校を選んだが、子供は合格しても通わないという意思をもっていたため、もう少し子供の意思を尊重すべきであった」との経験談があがった。併願校の選択も「行きたい学校」と考えて学校説明会等に参加して調べておく必要があるようだ。

 最後に、学校選びの際に「やってよかったこと」や「もう少しやっておきたかったこと」について尋ねた。

 「やってよかったこと」として、「説明会よりも通っている生徒の雰囲気がよくわかる文化祭へ参加する」や「中学受験に合格させた先輩お母さんに沢山アドバイスを受ける」「案内してもらいながら先生に気軽に質問ができる少人数グループでの学校見学に参加する」「学校の情報等が得られる進学塾に通わせる」等、情報収集にまつわる内容が多かった。

 「もう少しやっておきたかったこと・やってよかったこと」では、「学校選びは親主導ではなく子供の意見をきくべきであった」や「通学時間や満員電車を考慮し、校風が似ている学校で自宅に近い学校から選択してもよかった」「併願校の学校説明会に何校も参加しておらず第1志望不合格の絶望感が大きかったが、合格した学校で認められることが、子供のやる気に大きな影響があった」「想像よりも授業の進みが早く内容も難しい。実際に在校生から話を聞いて入学前準備をしっかりすべきであった」等、学校選びの段階や入学後ならではの回答が集まった。

 首都圏模試センターによると、2022年入試の首都圏の受験者数は、私立中学と国立中学をあわせて5万1,100人と過去最高の受験者数と受験率で、2023年も受験は人気傾向をたどる。この数年、中学受験の過熱化によって第一志望に合格するのは30%という数字も目にする。「第1志望校に落ちたから併願校」ではなく、「併願校も行きたい学校」として、子供とよく話し合うことがますます大切になってくるだろう。


令和の中学受験2 志望校選びの参考書 (講談社+α新書)
¥935
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

《日高紋佳》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集