2023年度(令和5年度)東京都立高等学校入学者選抜(都立入試)の学力検査が、令和5年2月21日(火)に実施された。東京都教育委員会が令和5年2月14日に発表した最終応募状況によると、全日制は3万825人の募集人員に対して4万2,236人が志願し、最終応募倍率は1.37倍。
リセマムでは、SAPIX中学部(サピックス)の協力を得て、学力検査の「社会」(共通問題)の講評を速報する。この他の教科(全5教科)と進学指導重点校についても同様に掲載する。
<社会・共通問題>講評
(SAPIX中学部 提供)
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1.小問集合
例年通り地形図を用いた問題が出されました。選択肢として与えられる断面図の目盛りや、地形図の等高線、資料における文章の内容を細かく照らし合わせることが必要で、与えられた情報をすべて活用した総合的な判断が求められる難度の高いものでした。
2.世界地理
例年通り、与えられた資料から国や都市を特定する出題形式でした。例年よりもヒントが分かりやすく、解きやすい大問でした。
3.日本地理
例年通り、与えられた資料から都道府県や地点を特定する出題形式でした。空港の統計を用いた問題は東京都立校では出題例が少なく、解答を絞りこむところまでいったとしても、正答にたどり着くには細かい知識が必要でした。
4.歴史
すべての小問が時期の特定に関わるものでした。安土・桃山時代から江戸時代にかけての経済史は、政権の時期や担当者、政策内容の正確な把握が求められる定番のものでした。また、明治時代の産業史は、明治初期・中期・末期における産業発展の流れを理解していなければ解けない難度が高い問題でした。
5.公民
例年出題される基本的人権の分類がある一方で、公共料金に関する詳細な知識を問うもの、国税・地方税の区別という過去の入試問題ではほとんどみられないものも出ていて、小問ごとに難度が大きく異なりました。
6.総合
ここ数年続いていた世界史分野の年代順並べ替え問題ではなく、以前のような文章から国を特定する形式に戻りました。選択肢に複数のヒントが与えられていたので、丁寧に吟味すれば正答できるものがほとんどでした。
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このレポートは、2023年2月22日(水)に速報としてSAPIX中学部が作成したもの。
協力:SAPIX中学部