子育て政策の強化へ、経団連が基本的考え方を公表

 日本経済団体連合会(経団連)は2023年3月14日、「こども・子育て政策の強化に関する考え方」を公表した。子供・子育て政策の強化に向け、企業として取り組むべき課題、負担増のあり方に対する経済界としての基本的考え方を示している。

教育業界ニュース その他
こども・子育て政策の強化に関する考え方(概要)
こども・子育て政策の強化に関する考え方(概要) 全 6 枚 拡大写真

 日本経済団体連合会(経団連)は2023年3月14日、「こども・子育て政策の強化に関する考え方」を公表した。子供・子育て政策の強化に向け、企業として取り組むべき課題、負担増のあり方に対する経済界としての基本的考え方を示している。

 2022年の日本の出生数が速報値で80万人を割り込み、政府推計を上回るスピードで少子化が進行する危機的な状況にある。岸田文雄総理は、今通常国会の施政方針演説で、子供・子育て政策の強化に向けた具体策を検討し、2023年6月の骨太方針までに、将来的な子供・子育て予算倍増に向けた大枠を提示することを表明している。

 経団連では、政府の子供・子育て政策の強化が、わが国の経済社会の持続性を将来にわたって維持するための転換点となるよう、企業として取り組むべき課題を今回、あらためて提示。国民全体で認識を共有する契機となるよう、負担増のあり方について、経済界としての基本的考え方を示している。

 企業として取り組むべき課題については、「少子化の要因を踏まえた対応の必要性」と題し、考え方を整理。具体的には、有配偶率の向上に向けた分厚い中間層の形成、男性の育児休業の取得推進、性別を問わない仕事と子育ての両立支援制度の活用、多様で柔軟な働き方の推進を掲げている。

 負担増のあり方については、政策強化に向けた財源に関する国民的議論の必要性を訴えるともに、新たな財源の選択肢として「税、社会保険料、国債等が考えられ、歳出改革や、全世代型社会保障の構築を通じた世代間の給付と負担のバランス確保とあわせてベストミックスを実現すべき」と提言。新たな財源を現役世代や企業の社会保険料率の引上げのみに求めることについては、「現役世代の可処分所得は抑制され、賃金引上げの効果や子育て世代を含む中間層の生活設計の安心感をますます低下させかねない」と問題点を指摘している。

《奥山直美》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集