「小1の壁」過半数が働き方の見直しを検討

 小学校入学を機に過半数が「働き方の見直しを検討」、全体の約4割が実際に働き方を変えたことが、放課後NPOアフタースクールが2023年3月23日に公表した調査結果から明らかとなった。小1の壁は、小学校入学で子供の預け先に困り、仕事との両立が難しくなる社会的課題。

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働き方の見直し、子育ての負担(や悩み)について
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 小学校入学を機に過半数が「働き方の見直しを検討」、全体の約4割が実際に働き方を変えたことが、放課後NPOアフタースクールが2023年3月23日に公表した調査結果から明らかとなった。小1の壁は、小学校入学で子供の預け先に困り、仕事との両立が難しくなる社会的課題。

 小1の壁に関するWebアンケート調査は一都三県(埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県)の小学校1~6年生の子供をもつ働く女性1,000人を対象に実施。調査期間は2023年2月22日~2月26日。

 子供の小学校入学にあたり、過半数が「働き方の見直しを検討(50.7%)」「子育ての負担(や悩み)が増えた(57.3%)」と回答。全体の37.9%は実際に働き方を変えている。また、働き方を変えた人のうち約4割が、「時短勤務に変更(27.4%)」「正社員から別の雇用形態へ変更(12.4%)」等、子育てと仕事のバランスや、子供の生活リズムにあわせるため、柔軟な働き方を求めて就労形態を見直していることがわかった。

 子育ての負担が増えた理由には、「子供の勉強サポート(76.6%)」「夏休みなどの長期休みのケア(73.1%)」等、保育園時代には経験が少なかった悩みが上位にあがった。家事・子育てに費やす時間が増えた人の中には、「イライラする、ストレスを感じるようになった(66.7%)」や「自分の体調不良が起きた(26.5%)」といった心身の不調を感じるケースも見受けられた。

 ストレスを感じながらも働く理由は「家計のため(87.8%)」が突出して多く、働きながらの子育てを大変と考えている人は84.7%にのぼった。また、子育てと仕事の両立には「配偶者の理解(67.1%)」「放課後の子供の居場所(53.6%)」「職場の理解(53.5%)」の3要素が必要であることが明らかとなった。

 子供の放課後に関しては、61.1%が悩みを感じていると回答した。具体的な要望としては、半数以上が「子供だけで安全に遊べる場(51.6%)」や「友達と一緒に自由に遊べる場(51.6%)」を希望。「宿題や自主学習をみてくれる場(44.1%)」や「学校のなかでの習い事(41.8%)」を要望する声も4割を超えた。

 今回の調査では、小学生の子供をもつ働く女性の多くが、子育てと仕事の両立に悩み、「小1の壁」で心身にストレスを感じながらも、家計を支えるために懸命に働いている姿が浮き彫りとなった。また、小学生になると、時短勤務制がなくなる企業も多く、働き方の変更に迫られる現状がうかがえる。

《川端珠紀》

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