若い人ほど誹謗中傷経験…クリエイターエコノミー協会「誹謗中傷対策検討会」設置

 クリエイターエコノミー協会は、「誹謗中傷対策検討会」を設置したことを2023年6月28日(水)に発表。グーグル日本法人、note、UUUM、ANYCOLOR、カバー、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授山口真一氏で構成し、誹謗中傷問題に取り組む。

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「誹謗中傷対策検討会」設置
「誹謗中傷対策検討会」設置 全 5 枚 拡大写真

 クリエイターエコノミー協会は、「誹謗中傷対策検討会」を設置したことを2023年6月28日(水)に発表した。誹謗中傷対策検討会は、クリエイターの活動を支えるプラットフォームから、グーグル(*)、noteや、所属クリエイターの誹謗中傷対策に取り組んできたUUUM、ANYCOLOR、カバーのほか、誹謗中傷問題の有識者である国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授山口真一氏で構成。それぞれの立場から意見を交換し、現状を学び合い、ともに課題に取り組んでいく。*YouTubeを運営するGoogle LLCの日本法人

 クリエイターエコノミー協会は、2021年8月にクリエイターが活動しやすい社会環境をつくり、自由かつ安全な活動を促進することをミッションに掲げ設立。note代表取締役 加藤貞顕氏、UUUM取締役会長 鎌田和樹氏、BASE代表取締役 鶴岡裕太氏が代表理事を務める。

 2023年6月28日(水)にUUUMで行われたメディア発表会では、鎌田和樹氏が登壇し、誹謗中傷対策検討会の設置の背景と活動方針について語った。

 発表会で提示されたクリエイターエコノミー協会と三菱UFJリサーチ&コンサルティングが共同で実施した調査結果によると、クリエイターの4人に1人が誹謗中傷を受けた経験があると回答。そのうち約7割は何も対処をしなかったと回答している。

クリエイターの4人に1人が誹謗中傷を受けた経験がある。出典:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「国内クリエイターエコノミーに関する調査結果」(2022年10月17 日公開)

 鎌田氏は、クリエイターが配信を止めたり、仕事を変えたりするなど表現の萎縮が起こっていることに言及し、「人類総メディア時代の誹謗中傷問題と向き合う」と語気を強めた。

「人類総メディア時代の誹謗中傷問題と向き合う」と語るクリエイターエコノミー協会代表理事、UUUM会長 鎌田和樹氏

 誹謗中傷問題の有識者である国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授山口真一氏は、「Innovation Nippon 2022 わが国における誹謗中傷の実態調査」(2023年5月1日公開)の調査結果を説明。「情報を発信する若い人ほど誹謗中傷経験率が高く、被害にあった人は悲しくなったり、怒りを感じたり、健康面に問題が出るなどの影響があった。ネットは一部の人の声を大きくしてしまい、非対面のため言葉遣いも攻撃的になりやすく、攻撃の動機の多くは個人の正義感である」と説き、個人を守る仕組みづくりが大切であると語った。

情報発信を行う若い人ほど誹謗中傷経験率が高い。出典:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター「Innovation Nippon 2022 わが国における誹謗中傷の実態調査」(2023年5月1日公開)
「ごく少数のさらにごく一部が世論をつくる」と語る、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター山口真一准教授

 クリエイターの活動拠点となるプラットフォームや、多くのクリエイターを抱える企業など、さまざまな立場のステークホルダーも誹謗中傷問題に取り組んでいる。さらなる改善を進めるためには、業界の垣根を超えた連携や、一般の方々への啓発活動が必要とし、発足されたこの検討会。クリエイター本人とコンテンツを楽しむ人々へのネガティブな影響を未然に防ぎ、自由な創作活動を続けられる社会づくりを目指し、今後、各ステークホルダーと連携を深め、さまざまな活動を通じて啓発活動に取り組んでいく。

《田口さとみ》

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