子供の自殺対策を推進、自治体トップへ3大臣連名メッセージ

 厚生労働省などは2023年9月8日、都道府県や市区町村などへ「こどもの自殺対策の推進のために」と題したメッセージを送付した。各自治体へ「ゲートキーパー」に関するeラーニング受講や、ICTを活用した対策を推進するよう依頼している。

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3大臣連名メッセージ「こどもの自殺対策の推進のために」
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 厚生労働省などは2023年9月8日、都道府県や市区町村などへ「こどもの自殺対策の推進のために」と題したメッセージを送付した。各自治体へ「ゲートキーパー」に関するeラーニング受講や、ICTを活用した対策を推進するよう依頼している。

 自殺対策については、2006年に自殺対策基本法が成立。その後、国や地方公共団体、民間団体らが一丸となって総合的な取組みを行い、当時3万人を超えていた自殺者数は、直近では約2万人まで減少。一方で、2022年の年間自殺者数は2万1,881人と前年を上回り、小中高生の自殺者数は過去最多の514人となった。2022年10月には新たな「自殺総合対策大綱」を、2023年6月2日には「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を策定。自殺防止に向けた取組みを推進している。

 今回、このような状況を踏まえ、国と地方公共団体の連携を強化し、子供の自殺対策を一層推進していくため、加藤厚生労働大臣、永岡文部科学大臣、小倉こども政策担当大臣から、各自治体のトップへメッセージを発出した。

 メッセージ「こどもの自殺対策の推進のために」は、都道府県宛てと市区町村宛ての2通。この中で、政府は「来年度予算概算要求」において、自殺リスクの高い児童生徒への対応といった観点で「こども・若者の自殺危機対応チーム」を設置し、学校や市区町村を支援する際に活用できる予算を大幅に拡充していること。また自殺リスクの早期発見の観点から、アプリ「心の健康観察」の学校導入を推進するための予算を新たに計上していることの2点を紹介している。

 あわせて、悩んでいる人に寄り添い、関わりを通して「孤独・孤立」を防ぎ、必要な支援につなげるための役割を担う「ゲートキーパー」に関するeラーニング教材の受講をお願いした。3大臣連名のメッセージは、子供が自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けて、各自治体のトップへ「引き続きのお力添えをお願いいたします」と締めくくられている。

《川端珠紀》

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