これまでに3,000作品以上の応募作品がある「JJPC全国小中学生プログラミング大会」の第7回大会でグランプリを受賞した平松夏々翔(ひらまつななと)さんは、広島県尾道市在住の高校1年生(受賞時は中学3年生)。今回はご自宅にお邪魔し、BenQのアイケアモニター GWシリーズ「GW3290QT」を使ってグランプリ受賞作品とプログラムを見せていただいた。
高校生プログラマーが追及する理想的な開発環境や外付けモニター活用の利点とは。ご両親が語るグランプリ受賞までの軌跡とは。ITをフル活用し、活躍の場を自ら広げていく高校生プログラマーのリアルな日常に迫る。
独学で続けるプログラミング。アイデアの実現や試行錯誤に魅力
--いつごろからプログラミングに興味をもち、パソコンを使い始めたのでしょうか。
夏々翔さん:パソコンは、小学3年生のときに絵を描く授業で初めて使いました。小6のときにクリスマスプレゼントでもらったラジコン制作キットがなぜ動くのか…と気になって、そのプログラムを確認するために父が使っていたノートパソコンをもらって、家でもパソコンを触るようになりました。
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お父様:実はそのラジコン制作キットが壊れていたんです。カスタマーサービスに電話して新しいものを送ってもらったのですが、壊れていたものと新しいものを見比べると基盤にはんだ付けがされてなかったり、他の部品も壊れていたり。
夏々翔さん:そのとき、新しい部品を壊れていたほうと交換したり、はんだ付けしたり、自分で直したら動いたんです。
お父様:その成功体験の後からでしょうか。ものづくりにどんどん没頭していきましたね。壊れたゲーム機のコントローラーも自分で直したり、ロボットプログラミングに挑戦したり。振り返ると、物心ついたころからものづくりが好きだったんだと思います。私自身が、庭のフェンスやウッドデッキなど、いろいろと作っていたので、見ていたのだと思います。
--プログラミングはお父様に教えてもらったのでしょうか。
お父様:いいえ、私はプログラミングはできないんです。自分で勝手にネットで調べて試して、今に至ります。
夏々翔さん:そうですね、独学です。そのラジコン制作キットのプログラムを見て学んで、そこからプログラミングにどんどん興味をもちました。ちょうど友達がプログラミングスクールに行き出したころ、負けたくなくて、自力でやってみようと思いました。いろいろと調べて、ラジコンにLEDライトを付けて、点滅させるプログラムを書き込んだのが最初でした。ここは海と山しかない島ですが、ネットさえあれば大丈夫です(笑)。今でもYouTubeやネットで調べてプログラミングを学んでいます。
--何でも自分でやってみるのが好きなのですね。プログラミングにはどんな魅力がありますか。
夏々翔さん:こういうものがあったら良いな、便利だなといったアイデアを、実際に形にできるのが魅力です。コンピュータがわかる言語で書かないといけないので、うまくいかないことも多いのですが、トライ&エラーを繰り返して、試行錯誤して成功したときに感動や達成感を味わえるのも魅力です。
グランプリ作品「亀育成サポート機」ができるまで
--今年の2月、全国小中学生プログラミング大会に初参加でグランプリを受賞されました。グランプリ作品「亀育成サポート機」を開発したきっかけを教えてください。
夏々翔さん:生き物が好きで亀を飼っていたのですが、スマホで亀の飼育環境を見守りたいという思いから作りました。
お母様:自動で餌をあげたいと言って、作り始めたころは使い物になりませんでしたね(笑)。
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夏々翔さん:その失敗から学んで進化したものが応募作品「亀育成サポート機」です。亀の育成のために必要な機能を考えて、センサーを付けて、回路も自分で作って、温度・湿度・水温・水位を計測してデータ送信。そのデータを見ることができるアプリを作りました。外装をCADソフトのFusionで設計して、3Dプリンターで作りました。開発言語はC++(シープラスプラス)と少しだけHTMLを使っています。ほかにもBlinkやLINE Notifyなどのアプリを使い、Siriと連携もしました。
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--もっとも苦労した点を教えてください。
夏々翔さん:スマホからボタン1つで水換えするところです。まず超音波センサーで水位を測り、次に装置本体からモーターに電流を流して全部の水を抜きます。そこでもう1つのモーターを回して指定した水位まで水を入れる。この水換えプログラムの試行錯誤が難しかったです。大会の審査員の方からは「総合力で圧勝ですね」と評価していただいたのですが、中2のときにお小遣いを貯めて買った3Dプリンターや、プログラミングやセンサーなどいろいろなものを使って作った努力が認められて嬉しかったです。
--3Dプリンターもあって、夏々翔さんの勉強部屋は工房のようですね。
お父様:私のイメージしていた3Dプリンターは業務用の大きくて高価なものだったのですが、ネットで調べたら小さいもので3万円ほどのものがあったので驚きました。であれば「自分で買いなさい」と(笑)。
夏々翔さん:ラジコンの水陸両用のボートを作っていたときに、食べ物を入れるタッパーを使っていたのですが、ボディがあまり格好良くなくて。
お母様:とても残念な見た目でした(笑)。
夏々翔さん:やはりデザインもこだわりたくなって、良い外装を作るために貯めていたお小遣いで3Dプリンターを買いました。
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お母様:今使っているノートパソコンも今回グランプリの副賞でいただいたもので、お父さんのお古ではない自分専用のノートパソコンはこれが初めてなんです。設備を最初から整えたわけではなく、興味と成長にあわせて工房みたいになってきました。学校に行っている間や夜中も3Dプリンターが稼働していることもあるので「また何か作っているな」と楽しみにしています。
--4月から国立弓削商船高等専門学校に通っているそうですが、進路選択の決め手はやはりものづくりについて学びたい気持ちからだったのでしょうか。
夏々翔さん:弓削商船高専には情報科・電子科・商船科があるのですが、情報科に進みました。情報科ではプログラミングやIT分野について学ぶことができるので、自分の知識も技術力ももっと伸ばしたいですね。
お父様:実は私も弓削商船高専の商船科の出身で、造船業に就いています。弓削商船高専ならば5年間学んで卒業したら短期大学相当の準学士が取れますし、その後、さらに専攻科で2年学べば学士も取得できますし、国立で授業料も安いので、親としてはありがたい進路選択でしたね。
--これまで勉強についてはご両親から何かアドバイスなどをされていたのでしょうか。
お母様:特に「あれをしなさい、これをしなさい」と言うこともありませんでした。負けず嫌いなので何でも本人が頑張ってきましたね。小学生のころは人前に出るのも苦手で控えめなタイプでしたが、本人のペースでだんだんと自信がもてるようになって。私たち親は見守っていただけです。
夏々翔さん:「勉強しなさい」と言われた記憶はないですね。
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--これからの成長が楽しみですね。そしてこれから夏々翔さんが作る作品も楽しみです。今、開発したいと思っているものはありますか。
夏々翔さん:最近、リモコンがついているテレビや扇風機、エアコンなどをスマホから操作できるシステムを作りましたが、次はカードや指紋、暗証番号などで家の鍵を開けられるようにしたいです。今も実際にそうしたものはありますが、自分でやってみて技術を高めたいと考えています。
お父様:昔も自分の部屋のオートロックみたいなものを作ったよね。
夏々翔さん:中1のときに作った! 3Dプリンターがまだなかったのでお菓子の箱に基盤などを詰め込んでパスワードを打ったらドアノブが動くような。
--身の回りの何かを解決したいということなのですね。
夏々翔さん:そうですね。もっと便利にしたいという思いです。最先端のロボットや便利な物の開発に携わるエンジニアになって、もっと世の中を豊かにしていくのが夢です。やはり身近にある課題を解決するロボットを作っていきたいです。
外付けモニターをフル活用。画面は大きいに越したことはない
--ご自身の開発環境で、外付けモニターはどのように利用されてきましたか?
夏々翔さん:先ほど母が話したように、今回のグランプリの副賞でいただいたノートパソコンが初の自分専用ノートパソコンなのですが、外付けモニターもグランプリに選ばれたお祝いに、父から27インチのものを買ってもらったので、最近使い始めたんです。
プログラミングやロボットの開発はもちろん、動画編集やアニメの視聴にも外付けモニターを使っています。また学校の授業資料や課題がオンライン上にアップされているので、それらを映して課題に取り組んだり、授業でわからなかったところはYouTubeで授業動画を見たりしています。
お父様:自分も昔からパソコンを使うときは外付けモニターを使って2画面で使っていますが、作業環境が広がって効率も上がりますね。
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--アイケアモニター「GW3290QT」を利用した感想をお聞かせください。
夏々翔さん:持っている27インチのモニターと比較したくて31.5インチをお借りしましたが、数インチの差でも大きい画面は良いですね! ドライバーを使わずに組み立てられて簡単でした。
ノートパソコンは目線が落ちて首が前に出てしまいますが、外付けモニターは姿勢が良くなりますし、この製品は目のダメージも少ない上に、色合いもとてもきれいです。
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お父様:モニターをつけた瞬間、本当に色合いがきれいだと思いました。
夏々翔さん:コーディングモードは黒がさらに黒くなって、他の色が目立って見やすかったです。USB Type-Cで接続できて給電ができるのも、すごく良いと思いました。
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--プログラミングに適しているようですね。
縦型にも簡単に変えられるのも良いですね。長めのプログラムを書く場合は縦型のほうが全体を把握できるので書きやすいです。デイジーチェーン機能でもう1台のモニターをつなげられれば、さらに便利になると思いました。プログラミングでは、コードを書くときも、確かめる時も、やはり画面が大きければ見やすいし、大きいに越したことはないと思います。プログラマーの開発環境には外付けモニターはやはり必須ですね。
--今日はありがとうございました。これからも新しい作品を楽しみにしています。
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デスク横の棚にズラリと並んだこれまでの作品の数々。こうした開発環境でものづくりに没頭する時間を「楽しい」と笑顔で話す夏々翔さんは、物を見るときに何を思うかを聞くと「なかの仕組みはどうなっているのか、こうなったら良いなと考える」という。
エンジニアのコミュニティサイトでは英語で交流し、個人SNSにはメディアからの取材のみならず、作品の制作依頼も舞い込む。身近な課題を発見してはテクノロジーで解決しようとするわが子の姿を頼もしそうに見つめ、「好き」を見守るご家族のあたたかさを感じる取材だった。
子供たちの「好き」をサポートし、プログラミングや動画視聴をはじめとする今の時代にあった家庭学習の環境を整えるために、外付けモニターを活用してみてはいかがだろうか。
高校生プログラマーに聞いた、BenQのアイケアモニター「GW3290QT」5つのお勧めポイント
1.ノートパソコンの充電と画面の出力が同時に可能になる「USB Type-C接続」
アイケアモニターのUSB Type-C にUSB PD(Power Delivery)対応パソコンをケーブルでつなぐと、充電と画面出力が可能になる。夏々翔さんはケーブルがまとまってデスク周りが整理され、開発する実機のスペースが得られて満足していた。
2.黒がより黒く、他の色がさらに見やすくなる「コーディングモード」
コーディングモードはプログラミングに最適な画面を実現する。黒がより黒くなり、コードで表現される多様な文字色が際立って、どこに何が書かれているかを把握しやすくなる。夏々翔さんは目にも優しいと実感していた。
3.没頭するものづくりの長時間を支える「エルゴノミクスデザイン」
夏々翔さんは、ものづくりに没頭し、時間があっという間に過ぎるという。上下左右や回転が可能な「エルゴノミクスデザイン」のモニターは、自分の目線に簡単に合わせられて、モニターに長時間向き合うための姿勢を整え身体の負担に配慮されている。
4.複数のモニターへ拡張できる「デイジーチェーン」
「デイジーチェーン」で複数のモニターをつなげば、1台の画面の大きさ以上の作業領域が簡単に拡張できる。夏々翔さんは複数台接続して開発環境の充実を図りたいとさらなる環境のアップデートを考えているようすだった。
5.明るさを自動調整。子供たちの目に優しい「ブライトネスインテリジェンス」
学校での1人1台端末やスマートフォンの普及により、子供たちがスクリーンを目にする時間は増加。周囲の明るさを検知して、自動的に画面の明るさを調節するアイケアモニターのブライトネスインテリジェンス(B.I. Gen2)は保護者も注目すべき機能だ。
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