河合塾は2024年2月21日、「2024年度国公立大志願状況」と題した国公立大学入試動向分析を公開した。全体的に前年度と大きな変化はなく、新課程入試を控えた安全志向の動きはみられなかった。難関国立大学は、10大学のうち東京大や京都大など7大学で志願者が増加した。
「2024年度国公立大志願状況」は、2月20日に文部科学省が発表した国公立大学確定志願者数をもとに河合塾が2024年度国公立大学入試動向を分析したもの。「全体概況」「系統別の状況」「難関国立大の状況」に分けてまとめている。
「全体概況」によると、国公立大学一般選抜の総志願者数は、前年度比110人増の42万3,256人(前年度比100%)。募集人員に対する志願倍率は前年度と同じ4.3倍。河合塾は、18歳人口と大学入学共通テストの受検者数が減少していることから「国公立大の人気は上昇したといえるだろう」と指摘。「新課程入試を翌年に控え、今年は志望を下げる、科目負担が軽い私立大に出願校を絞り込むといった動きが予想されたが、そういった動きはみられなかった」と分析している。
「系統別の状況」については、前年度比で文系が「文・人文」105%、理系が「総合・環境・情報・人間」108%と志願者増が目立った。一方、文系では「社会・国際」98%、「法・政治」97%、理系では「農」98%などで減少がみられた。
「難関国立大の状況」では、旧帝大を中心とした難関10大学の志願状況を前期日程・後期日程でまとめている。難関10大学全体では、前期日程の志願者数が5万6,326人(前年度比101%)、後期日程の志願者数が1万4,223人(前年度比102%)となった。
前期日程で志願者が前年度を上回った大学は、「東北大」104%、「東京大」101%、「一橋大」103%、「名古屋大」102%、「京都大」105%、「神戸大」104%、「九州大」101%の7大学。「北海道大」98%、「東京工業大」96%、「大阪大」97%の3大学は、前年度を下回った。
河合塾の大学入試情報サイト「Kei-Net」では、2024年度国公立大学の出願状況を掲載。「2024年度入試情報」の中で、国公立大学の志願状況、大学別志願者数の一覧も公開している。