GIGAスクール構想、効果を感じている保護者は約4割

 イー・ラーニング研究所は2024年3月26日、「NEXT GIGAと子どもの携帯端末についての調査」の結果を公表した。NEXT GIGAを知らない保護者は9割超えである一方、小学生以下が日常的にPCやスマートフォンを持つべきだと考える親は6割以上にのぼることがわかった。

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GIGAスクール構想について、児童・生徒1人1台の学習用端末や構内ネットワーク環境整備など、子供の教育に対する効果を感じるか
GIGAスクール構想について、児童・生徒1人1台の学習用端末や構内ネットワーク環境整備など、子供の教育に対する効果を感じるか 全 9 枚 拡大写真

 イー・ラーニング研究所は2024年3月26日、「NEXT GIGAと子どもの携帯端末についての調査」の結果を公表した。NEXT GIGAを知らない保護者は9割超えである一方、小学生以下が日常的にPCやスマートフォンを持つべきだと考える親は6割以上にのぼることがわかった。

 「NEXT GIGAと子どもの携帯端末についての調査」は、2024年2月3日から28日にかけて、全国の子供をもつ親、親族に子供がいる人を対象に紙回答で実施した。有効回答数は437人。

 2019年から2023年までに実施されたGIGAスクール構想について、児童・生徒1人1台の学習用端末や構内ネットワーク環境整備など、子供の教育に対する効果を聞いたところ、「効果を感じる」と回答した人は約4割にとどまった。一方で、GIGAスクール構想の子供たちへの効果や影響力をまだ実感できていない「わからない」との回答が55.8%と少なくないことがうかがえる。

 また、2024年より前年までに整備したネットワーク環境をより最新にアップデートしていく「NEXT GIGA」という言葉が新たに出てきているが、「NEXT GIGA」を知っている保護者は8.7%と少なかった。

 小学生以下の子供が日常的にPCやスマートフォンを持つことについて、6割以上が「日常的に持たせるべきだと思う」と回答している。理由としては、「幼いうちに使い慣れておくべきだと思うから」がもっとも多く、ついで「学習などに必要だから」となった。

 その一方で、小学生以下の子供にPCやスマートフォンなどの端末をもたせる懸念点として、6割以上の親が「高額請求などのトラブルに巻き込まれる点」と回答し、ついで「インターネットやSNSに時間を浪費してしまう点」、「知らない人と連絡が取れてしまう点」が同票となった。インターネットが発達し小学生のうちからPCやスマートフォンの活用が当たり前となっている現代において、日常生活や学習において必要なものと認識しつつも、インターネットの利用によって巻き込まれてしまうトラブルや長時間の利用については不安を抱える親が多いことがわかった。

 インターネット使用の若年化にともない身に付けてほしいことの最多は「膨大な情報の中から正しい情報を選ぶスキル」で6割以上となった。さらに、「インターネット上での犯罪や攻撃から身を守るスキル」や「PCやスマートフォンを正しく操作するスキル」も6割前後と多くなっており、さまざまなスキルの中でも特に、自己判断がまだ難しい子供がトラブルに巻き込まれないことや、インターネットを有効活用するネットリテラシーを身につけることが期待されていることがわかる。

 また、9割以上の親が「親向けに子供のPCやスマートフォンなどの安全利用について学ぶ場がほしい」と考えていることがわった。学ぶ方法としては「子供と一緒に参加できるワークショップへの参加」が最多となった。

《中川和佳》

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