【高校受験2025】山梨県立高、調査書不要の特別選抜導入…不登校などに配慮

 山梨県教育委員会は2024年3月26日、2025年度(令和7年度)山梨県立高等学校入学者選抜より、長期欠席者などを対象とした後期特別選抜をすべての県立高校で導入すると発表した。調査書を用いず、学力検査と個人面接で合格者を決定する。

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山梨県、県立高校で長期欠席者等を対象とした後期特別選抜を導入
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 山梨県教育委員会は2024年3月26日、2025年度(令和7年度)山梨県立高等学校入学者選抜より、長期欠席者などを対象とした後期特別選抜をすべての県立高校で導入すると発表した。調査書を用いず、学力検査と個人面接で合格者を決定する。

 山梨県立高入試では後期選抜において、現行、5教科の学力検査と中学校長が作成する調査書を同等に評価し、両方の総合成績で合格者を決定している。そのため、長期にわたって欠席をした生徒などは、中学校での学習の見取りができないため調査書の評価が低くなり、合格者決定上、不利な状況がある。

 新たに導入する入試制度では、不登校を経験した生徒、ヤングケアラーや病気などを含め長期欠席した生徒が、志望する高校に出願することができるように、調査書を用いず、学力検査と個人面接で合格者を決定する。学力検査には一般選抜を参考とした合格ライン(最低点)が設定される。

 対象は、県内在住の中学校3年生のうち、保健室やフリースクールへの登校により出席扱いになっている者を含む長期欠席者などで、在学する中学校長が特別選抜による出願を認める者(校長が事情説明書を作成)。

 特別選抜の募集人員は、第1学年の学級数の2分の1程度を下限(2~4名程度を想定)とし、各高等学校長が別途定める数を一般選抜とは別に設定する。募集定員の全体数は変更せず、特別選抜による合格者数は内数に含む。

 新制度による入試は、2025年3月実施の後期選抜より導入する。山梨県教育委員会では、当面の間、毎年度末に検証し、指導体制や募集人員など、必要な改善を加えていく方針だ。

《川端珠紀》

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