女子中高生3割「学校の先生は男女平等に接しない」ジェンダー調査

 ガールスカウト日本連盟は2024年6月25日、「ジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023」を公開したと発表した。学校の先生が男女平等に接していないと感じる割合は中高生共に約3割。高校生年代では2020年度より9ポイント増えていることが明らかとなった。

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学校の先生は、女子と男子に平等に接していると思うか(C)Girls Scouts of japan
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 ガールスカウト日本連盟は2024年6月25日、「ジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023」を公開したと発表した。学校の先生が男女平等に接していないと感じる割合は中高生共に約3割。高校生年代では2020年度より9ポイント増えていることが明らかとなった。

 ジェンダーに関する女子中高生調査は、全国の中学生・高校生年代の女子1,563人を対象に、2023年11月14日~12月17日の期間、インターネットでアンケートを実施。「ジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023」は、マイクロン財団の助成を受けて作成している。

 学校の先生は、女子と男子に平等に接していないと感じているのは、中学生31%、高校生年代32%。高校生年代は2020年度より9ポイント増加し、先生の接し方に対して、ジェンダー平等の視点で見ることのできる高校生年代が増えていることがうかがえる。

 「女の子だから何かをしなくていい」と言われたことがあるのは、中学生40%、高校生年代52%。いずれも「学校の先生に言われたことがある」という回答が一番多い結果となった。また、自由回答では「重たいものは男の子が持つ。女の子は持たなくて良い」という回答が多くを占めた。

 「女の子だから」と何かをやらされたことがあるのは中学生20%、高校生年代30%、高校生年代は2020年度より2倍に増加した。いずれも母親や学校の先生からやらされたと思うことが多い。また高校生年代では、父親・祖母からやらされたと思うことが多くなっていた。

 普段の生活の場で「性的な嫌がらせや性差別」を見ることがある中学生は45%、高校生年代61%。回答でもっとも多かったのは中高生共に「メディア」、ついで「公共の場所」となった。

 自分の生理や体調について誰とも話さない・話せないと回答したのは中学生9%、高校生年代10%。回答の順位は、2021年に女子高校生年代を対象に調査したときの結果と変化はなかったが、女子中高生の約1割が、誰にも相談できないと思っていることがわかった。

 姿へのプレッシャーがあると感じている中学生は59%、高校生年代は69%。2022年のイギリス連盟の「女子の意識調査」報告と比較すると、イギリスの少女は50%で、日本の女子中高生よりも少なかったが、それでも半数はプレッシャーを感じていることが明らかとなった。容姿のプレッシャーを感じる人が多い理由については、「私たちを取り巻く社会の中で、偏った容姿のイメージを発信しているメディアの影響が考えられる」と指摘している。

 また、調査対象として初めて実施した中学生は、設問に対する回答に「わからない」「気にしたことがない」「考えたことがない」という少女が多い特色があった。これは、中学生はまだジェンダーに関する不平等に触れる機会が少ないことが背景にあるのではないかと考えられるという。

 「ジェンダーに関する女子中高生調査報告書2023」は、一般1,100円(税込)でダウンロード・購入できる。

《川端珠紀》

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