手足口病、千葉県と埼玉県も警報発令…感染予防呼びかけ

 千葉県と埼玉県は2024年6月26日、乳幼児を中心に流行する「手足口病」の患者報告数が国の警報基準値を超えたと発表した。警報発令は両県とも2年ぶり。6月20日には東京都でも警報を発令しており、各自治体は咳エチケットや手洗いなど、感染予防に努めるよう呼びかけている。

生活・健康 未就学児
千葉県内の手足口病の定点あたり患者報告数の推移
千葉県内の手足口病の定点あたり患者報告数の推移 全 2 枚 拡大写真

 千葉県と埼玉県は2024年6月26日、乳幼児を中心に流行する「手足口病」の患者報告数が国の警報基準値を超えたと発表した。警報発令は両県とも2年ぶり。6月20日には東京都でも警報を発令しており、各自治体は咳エチケットや手洗いなど、感染予防に努めるよう呼びかけている。

 手足口病は、エンテロウイルス属のウイルスを原因とする感染症。口の中、手のひら、足の裏、足の甲などに水疱性の発疹が出るのが特徴。4歳くらいまでの乳幼児を中心におもに夏に流行し、潜伏期は3~5日といわれている。

 第25週(6月17日~23日)における定点あたりの患者報告数は、千葉県が6.87人、埼玉県が7.04人。国が定める警報基準の5人を上回った。警報を発令するのは、千葉県、埼玉県ともに2022年以来2年ぶり。

 手足口病については、東京都でも第24週(6月10日~16日)の患者報告数が2年ぶりに警報基準を超えており、首都圏を中心に大きな流行となっている。

 手足口病のおもな感染経路は、咳やくしゃみによる「飛沫感染」、ウイルスに汚染されたものに触れる「接触感染」、便と一緒に排泄されたウイルスが口に入る「糞口感染」が知られている。乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園は、特に感染が広がりやすいため、マスク着用による咳エチケット、手洗いの徹底など、注意が必要となる。

 有効なワクチンや特別な治療法はないが、基本的には症状の軽い病気で、ほとんど自然に軽快するとされる。ただし、まれに髄膜炎などが起こる場合があるため、経過観察をしっかりと行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線があわない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこが出ない、ぐったりしているなどの症状がみられた場合は、すぐに医療機関を受診したほうがよいという。

《奥山直美》

【注目の記事】

この記事の写真

/

特集