東京都の中学校英語スピーキングテスト、機器不具合で再試験続出

 英語スピーキングテスト議員連盟と3つの都民団体は2024年12月4日、東京都教育委員会が実施した中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況調査結果を発表した。11月24日に行われた同テストでは、機器の不具合や試験運営の不備が指摘され、多くの受験生が再試験を余儀なくされた。

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ESAT-J実施状況調査結果2024について記者会見で発表
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 英語スピーキングテスト議員連盟と3つの都民団体は2024年12月4日、東京都教育委員会が実施した中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の実施状況調査結果を発表した。11月24日に行われた同テストでは、機器の不具合や試験運営の不備が指摘され、多くの受験生が再試験を余儀なくされた。

 ESAT-Jは、都立高校入試における英語スピーキング能力の評価を目的として導入されたが、今回の調査では、試験の運営における問題点が浮き彫りになった。調査は、試験当事者である中学3年生や保護者、教員を対象に行われ、Googleフォームを用いてX(旧Twitter)で回答を募集した。回答総数は186件で、そのうち58%が中学3年生、34%が保護者からのものであった。

 調査結果によると、試験当日は機器の不具合により試験終了時刻が遅延し、一部の会場では受験生が長時間待たされたあげく、再試験を受けることになった。特に会場Aでは、タブレットの不具合が多発し、受験生が他の生徒の解答を聞いた状態で待機させられるなど、不適切な試験運営が行われたことが明らかになった。これにより、試験結果を入試に活用することが難しいとの声があがっている。

 また、会場Bでは試験監督のミスにより、20人以上の受験生が再試験を受けることになった。試験監督が開始の合図を誤り、受験生が不公平な状況で試験を受けることになったという証言が寄せられている。さらに、会場Cでは機材トラブルにより帰宅が遅れるなど、運営のずさんさが指摘されている。

 調査では、試験の公平・公正性が損なわれているとの批判が多く寄せられた。試験監督の不慣れさや、機器の不具合に対する対応の遅れが原因とされており、受験生に過度な負担をかけているとの声があがっている。特に、ヘッドセットの音漏れやホワイトノイズの問題が指摘されており、試験の環境が適切でないとの意見が多数寄せられた。

 このような状況を受け、都議会議員連盟や都民団体は、都教委に対し、試験結果の入試活用を中止し、問題の原因を詳細に公表するよう求めている。試験の運営における問題点が改善されない限り、公平・公正な試験の実施は難しいとの指摘がなされている。

《佐藤愛》

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