感染性胃腸炎、冬の集団感染に注意…東京都内で59件発生

 東京都保健医療局は2024年12月5日、冬季に多発する感染性胃腸炎の集団感染について注意を呼びかけた。ノロウイルスなどが原因となるこの感染症は、腹痛、下痢、嘔吐をおもな症状とし、特に保育施設や高齢者施設での集団感染が懸念されている。感染予防のためには、こまめな手洗いや二枚貝の十分な加熱調理、吐物やふん便の適切な処理が重要である。

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都内における感染性胃腸炎の集団感染事例報告件数(2024年第48週まで)
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 東京都保健医療局は2024年12月5日、冬季に多発する感染性胃腸炎の集団感染について注意を呼びかけた。ノロウイルスなどが原因となるこの感染症は、腹痛、下痢、嘔吐をおもな症状とし、特に保育施設や高齢者施設での集団感染が懸念されている。感染予防のためには、こまめな手洗いや二枚貝の十分な加熱調理、吐物やふん便の適切な処理が重要である。

 感染性胃腸炎は、例年冬季に集団感染が多発する。東京都では、感染性胃腸炎の警報レベルの開始基準値を20人/定点(週)と定めており、これを超えた場合には警報を発する。さらに、警報レベル開始基準値を超えた保健所の管内人口の合計が東京都の人口全体の30%を超えた場合には、広域的な流行が発生・継続していると判断される。

 今シーズンにおける都内小児科定点医療機関(264か所)からの第48週(11月25日から12月1日まで)の患者報告数は、4.49人/定点(週)であり、保健所の管内人口の合計も30%に達していないため、現時点では警報レベルには達していない。なお、感染性胃腸炎には注意報レベルの開始基準値は設けられていない。なお、シーズンとは、当該年の第36週(9月)から、翌年の第35週(8月)までの期間をさす。

 昨シーズン、都内では保育施設や高齢者施設などから計777件の集団感染事例が報告された。内訳は、保育所540件、高齢者施設138件、小学校44件、医療機関21件、障害者施設13件、幼稚園10件、中学校4件、高等学校1件、その他6件である。今シーズンは12月1日までに59件の集団感染事例が報告されており、保育所48件、小学校5件、高齢者施設2件、障害者施設2件、幼稚園1件、その他1件となっている。

 感染性胃腸炎の集団感染事例は、都内の保健所に報告があった事例のうち、同一施設で10人以上の患者が発生し、かつ病原体の検出が確認されたものを指す。食中毒と判断された事例は除かれる。

 東京都は、感染性胃腸炎の予防策として、こまめな手洗いや二枚貝の十分な加熱調理、吐物やふん便の適切な処理を推奨している。特に、施設の衛生的管理に注意を払い、対策を徹底することが求められる。感染性胃腸炎の予防と対策を徹底し、集団感染の発生を防ぐことが重要だ。

《佐藤愛》

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